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令和6年第3回定例会

9月3日(火曜日)

令和6年第3回定例会
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与座武
与座武
自由民主・市民クラブ現職

13067◯18番(与座 武君)  おはようございます。自由民主・市民クラブの与座 武です。小美濃安弘市長並びに教育委員会に対し、一般質問をさせていただきます。
 まず、大きな1点目は、第五小学校の仮設校舎への仮移転により想定される影響と対策について、伺います。
 いよいよ令和7年4月から、第五中学校敷地内に建てられた仮設校舎に第五小学校の児童が仮移転し、3年間にわたる学校生活が始まります。同敷地内に小学校と中学校が共存することは大変珍しいことであり、武蔵野市においては初めてのことではないでしょうか。思い起こすと、昭和46年4月から2か月間だけ、第五小学校の敷地内に第五小学校と関前南小学校が共存していたことがあります。その当時は、児童数の増加により、第五小学校からの分離独立という形で関前南小が創設する運びとなりましたが、新校舎建設が新年度開始に間に合わず、2か月間の同居生活となりました。当時小学校4年生の私の脳裏には、今でも第五小学校から離れていく仲間を見送った記憶が鮮明に残っています。懐古調になってしまいました。
 しかし、2つの小学校が短期間共存することと今回のケースは明らかに異なります。同敷地内に小学校と中学校が3年間にわたり共存することの心配は、早い段階から指摘されていました。例えば、工事期間中の限られた狭小なスペースの校庭で6歳児の小学校1年生から15歳の中学校3年生までが一緒に活動することが可能なのか、小学校45分、中学校50分の授業時間の差異により学校生活に影響を及ぼすことはないのか等、学校施設内での児童生徒の安全や静寂で落ち着いた学習環境をいかに確保していくかが問われていました。同時に、一部児童の通学距離や通学時間の延伸、そして通学路の変更に伴う懸念も示されていました。実はこれらのことは、令和元年当時、学校施設整備基本計画を議論した際、校舎のハードや機能充実に話の優先順位が傾いていましたが、パブリックコメントを募った際、その時点で既に市民の方から指摘され、教育委員会も課題点を共有していました。
 当時の資料にこんな記載があります。中学校の中に建てた仮校舎を小学校の仮設校舎として使うことについて、現段階においてどのような影響が予測されるのか、また、対策はどのように行うのか。それに対し教育委員会は、通学距離が長くなることや中学校の校庭に十分なスペースが取れない期間が長くなることが想定されます、対策としてはスクールバスによる登校や校庭の代替としての他の施設を借用することも考えられますとあります。それ以降、学校改築懇談会や市民説明会などで同様の指摘が続きますが、教育委員会の回答は毎回、検討しますの繰り返しでありました。
 そして、いよいよ第五小学校の児童が第五中学校敷地内に建てられた仮設校舎に仮移転する1年前の令和6年3月に教育委員会より示された武蔵野市立第五小学校改築基本設計概要版でも、これらのことについては未決定の状態であります。詳細については令和6年(2024年)度内に決定しますとの記載であります。正直、児童生徒の安全かつ静寂な学習環境を確保するという肝腎要の課題に対し、少し対策、対応が遅く、後手に回っているような気がいたします。
 以上申し上げて、半年後の令和7年4月から始まる第五小学校の児童が第五中学校敷地内に建てられた仮設校舎への仮移転により想定される影響と対策について、以下8点にわたり、市長、教育委員会の見解を伺います。
 1点目の質問は、第五中学校新校舎の建築工事の進捗状況及び仮設校舎の小学生使用への切替え工事について伺います。質問の願意は、来年4月の新学期から、もう少し丁寧に言うと、児童生徒受入れ準備を考慮すると、遅くとも2月中に工事が終了し、引渡しを受けることができるのかということであります。
 2点目の質問は、同敷地内に小学校と中学校が共存することでの施設使用等の小・中学校間の調整の現況を伺います。特に、校庭で実施される体育の授業、部活動、そして休み時間の使用等について、現段階での調整状況を伺います。質問の願意は、限られた狭小なスペースの校庭で6歳児の小学校1年生から15歳の中学校3年生までが一緒に活動することに、私自身も含め、親御さんや地域からも児童生徒の安全確保の観点から強い懸念が示されています。その懸念を払拭できる対応策が練られているのかどうかの確認であります。また、今回のケースとは単純比較できませんが、近県のあるマンモス小学校では、児童数が過密になることなどから、子どもの安全を第一に考え、昼休みに校庭で遊ぶ学年を曜日によって絞るという運用を行っているという事例もあると聞き及んでおります。児童生徒の安全確保を求めながら、真逆のことを言うようですが、児童生徒に校庭使用を制限し、要らぬ我慢を強いることのないようにしてもらいたいという思いがあります。
 3点目の質問は、小学校45分、中学校50分の授業時間の差異による影響についての見解を伺います。このことについては、校舎が距離的に離れているので、校庭の使用調整以外、大きな影響はないと想像しますが、とはいえ、小学校と中学校では、授業時間の差異も含め、1日の学校生活のリズムがずれていることは明らかであります。懸念事項と対策があれば、お知らせいただきたいと思います。
 4点目の質問は、仮設校舎へ通学するためのスクールバス運行についての現況を伺います。学校改築懇談会、親御さん方へのアンケート調査でも、大きな論点になった課題であります。そもそも、スクールバスを導入することの是非、また、導入を前提に、コース選定をどうするのか。学童やあそべえを利用する児童もおり、登下校時間のずれが生じるが、どのように対応するのか。委託バス会社への費用は幾らかかるのか。それ以前に、多くのバス会社がドライバー不足で減便等をしているのに、事業受託をしてもらえるのか等々、多岐にわたる論点を含め、仮設校舎へ通学するスクールバス運行についての現況をお伺いいたします。
 5点目の質問は、通学路の変更による登下校時の見守りについて伺います。通学距離が延びることや、通学路が変更になること、そして伏見通りを横断することによる横断箇所の特定など、見守り体制の構築に細心の注意を払う必要があると考えます。
 次に、6点目、7点目の質問ですが、質問の趣旨は、同敷地に小学校と中学校が共存することをよいチャンスだとポジティブに捉えた学校教育にチャレンジしてはいかがでしょうかということであります。これから質問することは、平成30年2月の武蔵野市小中一貫教育検討委員会答申に、小・中学校別に改築する場合の学校教育機能の欄に記載されていた内容であります。
 6点目の質問は、相互乗り入れ指導の可能性について伺います。小・中学校教員それぞれの指導の専門性に根差した質の高い授業を実施することにより、学ぶ意欲の向上が図られるのではないでしょうか。あわせて、教科授業だけでなく、小学校5年生と中学校1年生のセカンドスクール事業の連携や武蔵野市民科における連携も考えられるのではないでしょうか。
 7点目の質問は、小学校と中学校の交流の可能性について伺います。多様な異学年交流により、思いやりの心やコミュニケーション能力などの社会性やリーダーシップの育成を図ることができるのではないでしょうか。メンター制度により、友達や下級生に優しくできる児童生徒が増えた。相手の気持ちをよく考えて付き合おうとする児童生徒が増えた。中学校の生徒の責任感や自己肯定感が高まり、学校全体が落ち着いたなどの事例があると答申に記載がされていますが、いかがでしょうか。
 8点目の質問は、今回のメインテーマからは外れますが、交流というキーワードから質問させていただきます。過日、武蔵野市議会の主催で開催された子ども議会で、複数の中学校生徒から学校間生徒交流の実施を提案されました。文化祭総合交流や教科別授業交流など、面白いアイデアがいっぱいでした。しかし、実施の有無や具体的な手法はともかくとして、今でも私がよく分からないことは、今、なぜ多くの中学生が学校間生徒交流を欲しているのかということであります。教育委員会の御見解をお伺いいたします。
 次に、大きな2点目の質問は、吉祥寺南病院の閉院に伴う武蔵野市の地域医療の課題と対策について、伺います。
 この問題につきましては、武蔵野市議会全議員が最重要課題の一つと捉え、武蔵野市全体の地域医療を考えるとの視点から、市議会代表者会議を中心に、執行部と議会との情報共有を図るべく、数回にわたる意見交換会を行ってきたところであります。今回の質問の願意は、吉祥寺南病院の閉院に伴い、解決しなければならない課題点を整理し、それを市議会という公の場で明らかにすることで、議会、執行部、そして市民の皆さんとの間で共通認識を持ち、一致協力して吉祥寺地区の地域医療、ひいては武蔵野市の地域医療の危機的状況を突破していきたいという強い思いからの質問であります。
 さて、この10年間、吉祥寺地区の急性期救急医療、いわゆる二次救急医療を担う4病院が閉院するという異常事態が発生しています。この間の経緯をこの場で細かに述べることは控えますが、武蔵野市も、武蔵野市地域医療構想(ビジョン)2017を作成するなどして、事態の改善を図ってきていると認識しています。また、今回の吉祥寺南病院の閉院に伴い、庁内に吉祥寺地区の地域医療を考える緊急庁内調整会議を発足させ、課題点の整理、対策の協議を始めたことは高く評価しております。しかし、この問題のネックは、基本、病院については民間医療法人の経営問題であり、非常に公共性の高い市民の命と健康を守る地域医療の話ではありますが、武蔵野市が当事者として直接関わることができないというジレンマがあることです。
 しかし、今、武蔵野市として考え、何が何でもやらなければならないことは、吉祥寺地区に従前どおり急性期救急医療を担える二次救急医療病院を誘致することであります。そのためにも、1点目として、吉祥寺南病院の経営から撤退する医療法人が所有する吉祥寺南町の不動産をディベロッパーに売却させないことであり、かつ、転売の可能性をなくすことであります。2点目は、1点目の課題がクリアになった時点で吉祥寺南病院の経営から撤退する医療法人の後継医療法人を選定することであり、そのことに公益を担う武蔵野市としての責任において、でき得る限りの支援を行うことであります。3点目は、医療法人の事業継承がどのようになろうとも、今後3、4年間は吉祥寺地区に急性期救急医療、いわゆる二次救急医療を担う病院が存在しなくなります。その間、今まで吉祥寺南病院が担ってきた機能をどのようにフォローし、カバーしていくかであります。
 以上申し上げて、以下9点の質問をさせていただきます。
 1点目の質問は、吉祥寺南病院の経営から撤退する医療法人が所有する吉祥寺南町の不動産はディベロッパーに売却せず、従来どおり、急性期救急医療を担う二次救急医療機関にすべく後継医療法人を探していると理解してよいのか、伺います。
 2点目の質問は、後継医療法人を探すことは、吉祥寺南病院の経営から撤退する医療法人の主務事業であると考えますが、後継医療法人選定に、公益を担う武蔵野市としての責任において、でき得る限りの支援が必要と考えますが、御見解を伺います。
 3点目の質問は、第4期健康福祉総合計画には、北多摩南部二次医療圏については既存病床数が基準病床数を235床上回っていると記載されています。しかし、東京都保健医療計画において、療養病床及び一般病床の既存病床数を算定するに当たっては平成30年4月1日から令和6年3月31日までの間に療養病床から介護老人保健施設または介護医療院に転換した入所定員数を除くこととされたと聞きますが、現況における正確な数字をお伺いいたします。この質問の願意は、東京都保健医療計画の基準病床数の算定、カウント方法にもし変更があれば、基本、民民の契約交渉条件になりますが、吉祥寺南病院の後継医療法人に従前より増床を求めることが可能になるのではないかと考えるからであります。
 4点目の質問は、吉祥寺南病院の経営から撤退する医療法人が所有する吉祥寺南町の敷地について、現時点において、都市計画法上どのような位置づけになっているのかを伺います。令和2年7月に武蔵野都市計画審議会で、当該地について、吉祥寺地域医療拠点地区地区計画の住民申出が受理され、審議が行われています。その後、地区計画の住民申出の凍結が吉祥寺南病院の経営から撤退する医療法人から市にあったと聞き及んでいますが、この間の経過と併せて現況を伺います。
 5点目の質問は、吉祥寺南病院閉院に伴い、急性期救急医療を担う武蔵野陽和会病院や、本来高度急性期救急医療を担う武蔵野日赤病院、そして近隣自治体にある急性期救急医療病院に過重な負担を強いることとなると想像されます。現況において、想定される事態と今後の具体的な対応について伺います。
 6点目の質問は、吉祥寺南病院閉院に伴い、休日夜間診療に対する影響と今後の対応について伺います。第4期健康福祉総合計画によると、初期救急については、平成27年(2015年)度から、輪番により、1日当たり3機関、病院1、診療所2の診療体制を整備していますと記載されています。休日夜間診療については、吉祥寺南病院が閉院になった今、繰り返しになりますが、本来高度急性期救急医療を担う武蔵野赤十字病院と、急性期救急医療を担う武蔵野陽和会病院、そして武蔵野市医師会がローテーションを組んで対応せざるを得ません。それぞれが本来担う役割以上の過重な負担を強いることにより、杞憂ではありますが、医療の質の低下につながるおそれもあります。特に、武蔵野市医師会の所属の多くの診療所ないしはクリニックは個人経営であり、先生方の医師としての使命感はありつつも、現実問題として、働き方改革などの影響もあり、長期間にわたり今以上の役割分担を担うことは非常に困難が伴うものと想像するところであります。
 7点目の質問は、吉祥寺南病院閉院に伴い、在宅医療・介護連携体制への影響と今後の対応について伺います。改めて言うまでもなく、吉祥寺南病院には、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域における医療・介護の連携拠点としての大切な役割も担っていました。その機能をどのように維持継続していくのかが問われています。
 8点目の質問は、吉祥寺南病院閉院に伴う災害時医療救護体制への影響と今後の対応について伺います。南海トラフ地震や首都直下地震発生も懸念される中、武蔵野市地域防災計画に定められている災害時医療救護体制の見直しは急務であります。吉祥寺南病院は吉祥寺地区の災害拠点連携病院、緊急医療救護所に指定され、その位置づけと役割は非常に大きいものがあります。大規模災害時に吉祥寺地区で適切な災害時医療が提供できるよう、早急の体制見直しが求められると考えます。
 9点目の質問は、武蔵野市地域医療構想(ビジョン)2017の見直しについて伺います。2月の代表質問の際にも同様の質問をしましたが、今その考えはない旨の御答弁をいただきました。もちろん、今すぐの話ではありません。吉祥寺南病院閉院に伴う短期的かつ中期的な課題解決が最優先であります。しかし、急ぐ話ではありませんが、長期的な視点に立ち、将来の武蔵野市の地域医療の在り方を考え直す必要が生じていると考えますので、質問させていただきます。武蔵野市の地域医療構想の基本的な考え方は、圏域の他市に頼らなくても、本市の中でそれぞれの機能が確保され、連携できる体制が整っているとの記載に示されているとおり、地域完結型の考え方であります。確かに、武蔵野市内にある高度急性期医療を担う三次救急医療機関としての武蔵野赤十字病院を頂点に、急性期医療を担う二次救急医療機関が7病院あったときは可能な考え方であったかもしれませんが、吉祥寺南病院をはじめ吉祥寺地区の4病院が撤退し、7病院の中の1つにカウントされているのが武蔵野赤十字病院であり、現況、急性期救急医療を担う二次救急医療機関は2病院のみであります。また、昨今の病院経営の困難さを視野に入れ考慮すると、悲観的展望は持ちたくありませんが、武蔵野市が目指す地域完結型医療は限界を迎えているのではないでしょうか。もちろん、今まで培ってきた地域完結型医療体制のよさも残しつつ、近隣区市も含めた地域間連携型医療体制の構築など、基本的な考え方を整理する必要があると思います。
 以上、壇上からの質問とさせていただきます。明確な御答弁のほど、よろしくお願いをいたします。