13280◯24番(西園寺みきこ君) それでは、今回3つの点について一般質問させていただきます。
1つ目は、女性支援新法についてであります。
今年の4月に、女性支援新法と略しますけれども、正式には困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行になりました。これはこの法律が制定された大きな目的として、売春防止法からの脱却ということが掲げられている、そういう法律です。売春防止法というのは、私が生まれる前にできた、戦後の臭いがする法律でございます。婦人保護とか転落未然防止と、何だそれはという感じもする言葉が入っていますけれども、若い議員の方はもしかしたら売春防止法と言われてもぴんとこないかもしれません。
この法律がなくなったというわけではありませんけれども、この法律でずっと戦後やり過ごしてきたといいましょうか、時代に即していない状態のまま拡大解釈してきた我が国の女性支援において、ようやくというべきでしょうか、女性支援の新法は今年施行になったのですが、人権擁護とか自立支援ということをはっきり明文化した、初めての法律と言えるわけです。
来年で、戦後、敗戦から80年です。今この令和の時代になって、女性活躍ということが普通に言われます。共働きが当たり前になっています。生き生きと活発に生きる女性がいっぱい増えている。この現在において女性支援ってまだ必要なのだろうかと、そういう違和感、疑問を持つ方もおられるかもしれません。私も議員になってから、性によらずに、性的マイノリティの方への支援など、そしてさらには支援を必要とする男性へも目配りをしなければいけないと訴えてまいりましたけれども、その私にとっても今回の新法ができたということ、原点に立ち戻っての学び、そして歴史の学びが必要と感じております。
法律の第1条には、「女性が日常生活又は社会生活を営むに当たり女性であることにより様々な困難な問題に直面することが多いことに鑑み」というふうに明記されています。女性が女性であることによって抱える課題があるのだと、この令和の時代、21世紀の時代になっても、女性であるがゆえの困難というものが現に存在しているということをはっきり言っている。私は今回のこの法律ができたことに大きな前進があると思っています。
性暴力や性的虐待、性的搾取などの性的な被害により遭遇しやすい状況にある。予期せぬ妊娠など、女性にしかない問題があるということ、不安定な就労状況、経済的な困窮、孤立などの社会的・経済的困難に陥るおそれがあることなどを前提にするということが、法律の基本方針に書かれています。私たちは既に国際的なジェンダーギャップ指数や生涯における収入の性格差など、女性が女性であることにより課題を抱えているという客観的データは、たくさん持っています。知っています。枚挙にいとまがありません。
一人一人をミクロ、アリの目で見たら、支援を要さない女性はたくさん、元気な女性は増えていると思います。しかし、国全体をマクロで何千万人というのを平均で見ると、先進国の中では残念ながら我が国は最低レベルにあるということ、そしてそれが戦後長い間改善されずに、政策的に放置されてきたのではないだろうかということ、これは現実として厳しく受け止めていかなければいけないと思っています。
そこで最初の質問です。女性支援新法制定以前の女性支援は、今申し上げたとおりなのですけれども、売春防止法というのがあったわけなのですが、法的根拠に基づき、どのような目的で行われてきたかということを伺います。
2番、基礎自治体としての武蔵野市は、この制定以前、今までどんな事業を行ってきたのでしょうか。また、女性支援に関する過去5年間の決算額です。これ、ごめんなさい。通告に予算額と書いてしまいましたが、決算額の間違いです。おわびいたします。
(3)女性支援は福祉の観点が必須と考えます。武蔵野市では現在、ここも実は私の大きな誤解でございまして、市民活動、人権のほうではなくて、子ども家庭部の子ども家庭支援センターにこの女性支援の所管がございます。ここも私のミスです。おわびいたします。ここが現在所管になっておりますが、この位置づけになっている理由と、その経緯についてお伺いをいたします。
(4)女性支援に当たる女性相談支援員、これが中核となると思いますが、その方の資格、選任の方法、待遇、勤務実態についてお伺いいたします。
(5)女性支援は武蔵野市だけではなくて、東京都や近隣自治体、民間支援団体との連携が必須であると考えます。現状を伺います。
(6)基本方針には、法が定義する状況に当てはまる女性であれば、年齢、障害の有無、国籍などを問わず、性的搾取により従前から婦人保護事業の対象となってきたものを含め──つまり先ほどの売春防止法です──必要に応じて法による支援の対象者となると書かれています。この法が定義する状況に当てはまる女性というのは、どういう状況を指しているのでしょうか。また、新法制定以前に比べ対象者が増えると考えられるのですが、どのような方が新たに対象者として増えるのかをお伺いいたします。
(7)基礎自治体の武蔵野市は新法制定により、女性支援の目的を再度捉え直して拡充をしていくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
(8)女性相談支援員の専門性の向上、待遇改善についてはいかがでしょうか。市長の見解を伺います。
(9)新法の趣旨を福祉の現場で、いろいろな地域の中、また施設もありますけれども、いろいろな現場で活動する方々に理解していただくための計画的な周知、こういう法律ができたのですということを知らせていただきたいのですが、市長の見解を伺います。
(10)売春防止法にあった婦人保護、保護更生、要保護女子、転落未然防止などの視点は、今や国際基準から見た権利擁護の考えから大きくかけ離れています。個人の尊厳の尊重、権利擁護、自己決定など、これが新しい新法の核なのですけれども、私はこの新法の勉強をしていて、これはついこの間武蔵野市でできた、子どもの権利条例に書かれているのと同じ基本的な理念なのだなということを気づきました。当たり前と言えば当たり前なのですが。こういう基本理念が国のレベルではなかなか女性支援施策に生かされてこなかったということに、改めて気づいて驚きました。
ここで市長の御見解を伺いたいのですけれども、子どもの権利条例をつくって、これからどんどん生かしていこうとしている私たち武蔵野市。この子どもたちに向けて、先日子ども議会もやりました。そういう子どもたちに向けて、この女性支援新法でどういうことを頑張っていきたいのか、強化すべきなのか、市長の御見解をお伺いしたいと思います。
大きな2番目です。「おひとりさま」の終活支援、誰でもいつかは「おひとりさま」というタイトルでございます。
65歳以上のひとり暮らし女性の相対的貧困率──相対的貧困率というのは既に御存じかと思います。これが44.1%に上るというデータ。国が行っている国民生活基礎調査を基にいたしまして、東京都立大学の阿部彩教授が独自に集計した結果が、今年公表されました。この数字は、現役ひとり親世帯の相対的貧困率44.5%。こちらは65歳以上の女性のひとり暮らし、44%、半分近いということで、これは大変深刻な状況にあると言わざるを得ません。本当に私も身近に感じるわけです。そこで質問です。
(1)阿部彩教授が公表した集計には、国が過去には公表してこなかった、調査はしているけれども分析していなかったと言うべきでしょうか、男女別、それから年齢層別、世帯タイプ別、婚姻状況別の分析結果が含まれております。例えばこういうことです。同じ高齢単身であっても、男性は相対的貧困率が30.1%、それに対して女性は44.1%ということで、国はこういう分析結果は発表していないわけです。男性と女性で1.5倍違っているということになります。
それから婚姻状況別のデータなのですけど、これもなかなか驚くデータなのですが、高齢女性のうち既婚の方──2人暮らしなのか、子どもさんが一緒なのか──の相対的貧困率は13%に対して、未婚の方は43%、3倍以上。そして離別された方はさらにそれより高い43.6%。それに対して死別された方は32%。なぜこれは低いのでしょうか。皆さんもお考えになると分かると思いますが、恐らく夫さんの年金か何かがあるということなのかなというふうにはちょっと考えられますけれども、ここにこんな大きな違いがあるということになります。
このようなひとり暮らしの高齢者の調査に関しては、武蔵野市では3年ごとに独居高齢者調査を行っておりますけれども、類似の調査項目があるか、その辺りをお伺いしたいと思います。これが1番。
(2)2020年の国勢調査では、全国の高齢単身者は約672万人です。その3分の2が女性。今後この人数と割合はさらに増えると予想されております。武蔵野市の高齢単身者は現在約何人で、女性の割合はどのぐらいでしょうか。また推計はちょっと難しいかと思いますが、お伺いできればありがたいです。
(3)高齢単身者への支援。いろいろなものがあると思いますが、主なものをお伺いいたします。
(4)高齢単身者の終活に関しては、近年民間事業者が有料で請け負うケースが目立ってきています。市としてはどのような情報収集を行っているでしょうか。
(5)高齢単身者の身寄りなき老後と終活について、今まで述べたように、今後の将来、それもあと10年、20年のうちに大きな問題になっていくと思いますが、どのような検討を行っているでしょうか。
(6)国は先行自治体の例を踏まえて、全国的な新しい制度の検討を始めています。補助制度の可能性もあると伺っております。市として財源も含め、どのような制度設計を考えていくのでしょうか、現時点でお聞きできるところを伺いたいです。
(7)今後、男女問わず非婚率は高いままであります。兄弟姉妹が少ない。おいっ子もめいっ子もいとこもいないなど、近親者が全くいない人が当たり前になるということが、ほぼ確実視されてきています。人口減少の傾向が当分続く中、一人一人をどう支えていくべきなのか、現時点での市長の見解をお伺いしたいと思います。
大きな3つ目です。先ほどの木崎議員の質問にも重なる点が大いにあったなと思いますが、地域人材、地域を担う方々についてであります。
6月27日に開催された第1回市民と市長の「語ろう会」において、各コミュニティ協議会の方々から、窓口手当についての声が相次いだとお伺いいたしました。むべなるかなというふうに思います。また同様の要望は、テンミリオンハウス運営に当たる方々からも届いておりまして、先日の会派予算要望の場においても、テンミリオンハウスへの予算をつけてほしいという要望をいたしました。本当にここ数年の物価高騰、値上げ。今まではそれなりに余裕があった方々にとっても、なかなか許容できるものではなくなってきているということを、肌身にしみて感じております。
一方では、市の工事の案件ではスライド条項がついていて、一定のルールで上げるということは、私たちは認めているわけなのですけれども、足元を見た場合に、コミュニティを担う、自治を担う様々な活動や働き方に対して、見直しがされてこなかったのではないだろうか。そのことについて異議の声が上がってくるのは、もうもはや避けられない状況にあるのではないかというふうに考えております。これを踏まえて質問いたします。
(1)まず、そのコミセンです。コミュニティセンター窓口手当の改善に関して、現時点の市長の見解、考え方をお伺いいたします。
(2)テンミリオンハウス運営費の改善に関してもいかがでしょうか、お伺いいたします。
(3)この2つのテーマに関しては、すぐ上げますというような簡単な話では当然ございません。庁内でどのような検討をするのでしょうか。検討委員会などのような場をつくっていくのでしょうか。大きな考え方をお伺いしておきたいと思います。
(4)そしてコミセンの意味合い、位置づけでございます。小美濃市長は、議員としても本当にこのまちに根づいていろいろな活動をされてきたし、議員としても活動されてきましたが、コミュニティセンターというものに関して、やはり一度きちんとお考えをお聞きしておきたいなと思いまして、この質問を取り上げました。ほかのまちとはなかなか類似点が少ない、他市に例がない武蔵野のコミュニティセンターについて、評価する点、課題、将来に向けてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞きしておきたいと思います。
(5)テンミリオンハウスについてです。これも武蔵野市の独自の高齢者施策を象徴する市民参加の事業であります。これについても同様に、評価する点、課題、また、現状のままだとなかなか増やすことも持続も難しい点があると感じておりますが、縮小などもあり得るのでしょうか。この点もお伺いしたいと思います。
(6)コミュニティを担う活動というのは、自分たちのまちは自分たちでつくる、市民自治の理念に支えられていると考えます。自分の家の前だけでなく、御近所もついでにきれいにするというのは、自分も気持ちよく生活するためでありまして、この精神に基づいて無償ボランティアとして、多くの市民の方々が胸を張っていろいろな活動をしてきてくださったということを感じます。
一方、コミュニティ構想に基づいてコミュニティセンターが建設された四、五十年前と現在とは、男女とも働き方が大きく変わってしまいました。元気高齢者は増えましたが、共働きが主流となって担い手が減ったことは、随分前から指摘されてまいりました。無償の活動には興味がないとはっきり公言する方も増えたなと感じています。無償ボランティアのよさ、それと反する現実の担い手不足について、難しい問題ですが、今、現時点の小美濃市長の見解をお伺いいたします。
(7)まちの中を見回しますと、全域の自治会というものがない武蔵野市では、様々なカテゴリーでの活動が活発に行われています。その活動が縁の下の力持ちとなって、まちの住みやすさであったり、安心・安全であったり、理解だったり、あらゆる場面で効果を発揮していると感じます。例として幾つか挙げました。この中には、本日たくさん取り上げられている会計年度任用職員の方ももちろん入っていますが、全然働き方の違うシルバー人材のお仕事とか、先ほどから言っているコミセンやテンミリオンの働き方もあると思います。
法的根拠や雇用関係など、位置づけは様々ではありますが、市民の側から見ると、なかなかお金にならない公の仕事、隙間の仕事、だけどないと困る、市民生活の質が下がってしまう仕事と、私は捉えています。一口で語るのは難しいのは重々承知で取り上げておりますけれども、これらのコミュニティを担う、自治を担う活動の今後について、どう考えておられるでしょうか。小美濃市長の御見解をお伺いしたいと思います。
以上、壇上からの質問といたします。