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令和6年第3回定例会

9月5日(木曜日)

令和6年第3回定例会
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橋本しげき
橋本しげき
日本共産党武蔵野市議団現職

13361◯19番(橋本しげき君)  日本共産党の橋本しげきでございます。今回の一般質問、私は、第六期長期計画・第二次調整計画の策定について、緑化の方針についてと題して、大きく2点の質問をいたします。
 まず大きな1つ目に、第六期長期計画・第二次調整計画の策定についてです。
 この間の経緯を振り返ってみます。昨年11月30日に第六期長期計画・調整計画の策定委員会から計画の答申が提出されました。昨年12月24日に行われた市長選挙の結果を受けて、小美濃市長が就任し、その小美濃市長の下、今年1月15日の調整計画の本部会議で第六期長期計画・調整計画が決定されました。決定された計画の中身は、答申と基本的には変わらないものでありました。
 1月29日に開かれた全員協議会では、小美濃市長から、自らの公約を実行するために、第七期長期計画を策定するか、第六期長期計画・第二次調整計画──以下、第二次調整計画といいます──を策定するかについて検討する旨の答弁がありました。5月15日の総務委員会では、第六期長期計画・第二次調整計画の策定についてと題する行政報告がありました。ここでは2025年度から2029年度までの5年間を計画期間とする武蔵野市第六期長期計画・第二次調整計画を策定すると説明されています。
 基本的な考え方が5つ示されました。その5つとは、「(1)第六期長期計画の議決事項「武蔵野市第六期長期計画のうち市政運営の基本理念及び施策の大綱について」の枠組みの中で見直しを行う。(2)市長公約について、第六期長期計画・調整計画から読み取ることができないところにテーマを絞って策定する。(3)市長公約の速やかな実現を図ることができるよう、第二次調整計画を令和6(2024)年度中に策定する。(4)テーマを絞って速やかに策定するため討議要綱の作成は行わず、可能な範囲で市民参加・議員参加・職員参加を中心とした「武蔵野市方式」に則り策定する。(5)第二次調整計画の策定にあたっては、現在策定中の個別計画等との調整を行う。」というものです。
 このときは第二次調整計画策定の際に検討対象とされる項目として、二中、六中の統合、子育て世帯への移動支援、80歳まで就労できる職場、吉祥寺のまちづくり関連の4つが示されました。その後、第二次調整計画策定の費用を含む補正予算が6月20日の総務委員会で可決、6月28日の本会議で全会一致で可決されました。
 総務委員会では、第二次調整計画策定の際に検討対象とされる項目として、就労を含めた高齢者の生きがいづくりの支援、子育て世帯への外出支援、今後の学校改築の在り方検討、吉祥寺イーストエリアのまちづくり関連、吉祥寺パークエリアのまちづくり関連の5つが示されました。私はこの総務委員会の質疑の中で、5項目のテーマは示されているが、中身が示されていないことについて、できたばかりの調整計画から内容がどういうふうに変わってしまうのかという心配もあると述べましたが、補正予算には学校給食費無償化の費用も含まれており、日本共産党は補正予算に対しては賛成の態度を取りました。
 7月25日に市長から諮問を受けて、第1回の策定委員会が開かれました。7月31日には、市議会議員に武蔵野市第六期長期計画・第二次調整計画テーマ別論点集──以下、論点集といいます──が配付されました。この論点集が示された時点で、初めて5つのテーマ全てについての具体的な中身が示されたわけです。8月13日には2回目の策定委員会が開かれ、8月15日の第3回策定委員会では、論点集について市議会各会派等との意見交換が行われました。今後は、市民意見交換会、計画案に対するパブリックコメントなどが行われ、来年1月に策定委員会から市長に対して答申が出される予定になっています。第二次調整計画を策定するということは武蔵野市政始まって以来のことであり、策定の必要性も含め、よく議論する必要があると考えます。以上を踏まえて以下質問いたします。
 1点目の質問です。長期計画条例との関係についてです。長期計画条例第3条では、「市長は、市長選挙が行われたとき又は市政をめぐる情勢に大きな変化があったときは、実行計画の見直しを行い、新たな実行計画を策定するものとする」とあります。この「策定するものとする」という規定は、策定しなければいけないというものではないとのことであり、新たな実行計画の策定は市長の意思によることが明らかになっています。そうであるならば、第二次調整計画の策定は必然のものではないと考えられますが、市長の見解を伺います。
 2点目の質問です。第六期長期計画・調整計画の策定委員会が作成した答申を受け、市長は基本的にそのまま第六期長期計画・調整計画として確定させました。にもかかわらず、直後に同一メンバーを想定した第二次調整計画の策定委員会を発足させ──これは辞退された策定委員もおりますが──その策定委員の方々に対して計画の見直しを求める、このようなやり方について市長はどのように考えているのか見解を伺います。
 3点目の質問です。5つのテーマについてです。論点集1ページには、策定に当たっては、第六期長期計画・調整計画から読み取ることが難しい選挙公約に関連したテーマに絞って議論していきますとあります。その上で、第二次調整計画で議論するテーマとして、就労を含めた高齢者の社会参加の支援、子育て世代への外出支援、今後の学校改築の在り方の検討、吉祥寺イーストエリアのまちづくり、吉祥寺パークエリアのまちづくりの5つが示されています。
 質問です。1)なぜ議論するテーマがこの5つなのか、市長の見解を伺います。
 2)この5つのテーマのそれぞれについて、なぜ市長公約との関係で第六期長期計画・調整計画から読み取ることが難しいのか、具体的に見解を伺います。
 3)8月15日に行われた策定委員会と市議会各会派等との意見交換では、策定委員の中から、5つのテーマについては既に策定されている第六期長期計画・調整計画の文章から読み取れるとの意見もありました。これについて市長の見解を伺います。
 4点目の質問です。第六期長期計画・調整計画見直しの範囲についてです。第六期長期計画・調整計画から読み取ることが難しい選挙公約に関連した5つのテーマに絞って議論するのであるならば、極めて限定的な見直しになるはずです。一方、策定委員会と市議会各会派等との意見交換では、5つのテーマを超えた内容についての意見交換がされた場面もありました。策定委員会での議論の範囲について、市長の見解を伺います。
 5点目の質問です。テーマ、今後の学校改築の在り方の検討についてです。論点集12ページにあるように、市長公約は、二中、六中の統廃合は白紙にです。しかし、論点集14ページの3、テーマにおける論点では、昭和の時代に建設された中学校6校が必要かどうか、中学校統合の可能性も含めて検討する必要があると記述されています。
 質問1)3月の予算特別委員会の質疑の中で私が述べたように、市長選の公約とは違うことをこれから議論しようとしています。その自覚が市長にはないのか、市長の見解を伺います。
 2)策定委員会に対してどこまで議論してもらおうと考えているのか、策定委員会の中で結論が出る話なのか、市長の見解を伺います。
 6点目の質問です。テーマ、吉祥寺パークエリアのまちづくりの中の高さ制限についてです。
 武蔵野市では2014年に、都市計画に建築物の高さの最高限度──最高50メートル──を定めました。しかし、論点集22ページの(2)課題の3)「土地利用の転換(高さ制限、用途混合)の必要性」では、「建築物の高さの最高限度が合理的な土地利用を妨げているとの意見もあり」、「他都市の駅周辺の商業地域においては住宅用途を含む高層建築物を誘導している事例もある」と記述されています。さらに、同ページの3、テーマにおける論点では、「公共課題解決と土地利用等(高さ制限、商業地域における住宅用途)のバランスを図る必要がある」とあります。
 質問の1)市として高さ制限の見直しを検討すべきだと考えているということなのか、市長の見解を伺います。
 2)策定委員会に対して、高さ制限の見直しについて議論してほしいということなのか、市長の見解を伺います。
 次に、大きな2つ目に、緑化の方針についてです。
 今年度から3年間かけて、(仮称)緑の基本計画2027の策定が行われることになっています。現在の計画は2019年3月に策定された緑の基本計画2019──以下、現計画といいます──です。1973年に定められた武蔵野市民緑の憲章にあるように、全ての緑はみんなの財産であり、緑化の推進は気候危機対策にとっても大変重要な意味を持ちます。
 気象庁によると、今年の夏の日本の平均気温は平年と比べて1.76度高くなり、去年と並んで、1898年に統計を取り始めてから最も暑い夏となりました。さらに都市部ではヒートアイランド現象によって気温上昇が激化しています。今年は6月から8月までの3か月間で、東京23区内で熱中症の疑いで亡くなった方は248人であり、過去最多に迫っています。昨年都内で交通事故で亡くなった方は136人ですから、それより100人以上も熱中症で亡くなる方が多いという状況であります。
 しかし、日本の政府は、気候危機対策への本気の対策がありません。日本の政府が掲げる温室効果ガスの削減目標は低過ぎます。政府の温室効果ガスの2030年までの削減目標は2013年度比で46%削減というものであり、これは2010年比にすると42%減です。国連が示した2030年までに2010年度比45%減という全世界平均よりも目標が低いものです。また、石炭火力に固執して、新増設と輸出を進めています。国連のグテーレス事務総長は、日本など最も豊かな国々に対して、石炭火力発電を2030年までに段階的に廃止することを求めています。ヨーロッパの多くの国々が石炭火力からの撤退年限を表明しています。石炭火力の段階的廃止は、脱炭素に真面目に取り組むかどうかの試金石です。
 過去100年で世界の平均気温は0.76度上昇していますが、日本は1.24度上昇しています。日本の気温上昇は世界平均の1.6倍です。昨年、東京都千代田区では、最高気温が35度以上となる猛暑日が22日、最高気温が30度以上となる真夏日が68日もありました。2100年には真夏日が105日になると予測されています。1年のうち、何と3か月半が真夏日になるというわけです。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の予測では、これまでのようにCO2排出を続けると、今世紀末の平均気温が2.6度から4.8度上昇します。気温が高まれば海水温も上がり、台風の勢力を強めたり、集中豪雨を降らせたり、自然災害のリスクが高まります。もはや気候危機に対する本気の対策が求められております。
 気温上昇を緩和するために、街路樹の果たす役割が大変重要であると言われています。街路樹の樹冠──樹冠というのは樹木の上の部分の枝や葉が茂っている部分ですけれども、この樹冠で道路を覆うことで路面の温度を下げることができます。調査によると、真夏には路面温度が50度を超えますが、樹冠によって道路が覆われると路面温度が20度下がるとのことです。グリーンピース・ジャパンが樹木による冷却効果を衛星画像と赤外線サーモグラフィで調査しました。2022年6月30日の数字ですが、都内の建物が密集した地域では、この日気温が29度前後であったのに対して、明治神宮は21.4度、新宿御苑は22.6度でした。神宮外苑のイチョウ並木では25.4度でした。樹木が気温を下げる効果が表れていると考えられます。にもかかわらず、今、神宮外苑の樹木を大量伐採し、超高層ビルを建て、気候危機対策に逆行することを強行しようとしています。
 遮熱性舗装は太陽光線をはね返す効果があり、路面温度は最大10度下がります。しかし遮熱性舗装は、はね返った熱が周りに拡散され、歩道を歩いている歩行者に紫外線を多く浴びせることになります。街路樹ははるかに安価で、路面温度を20度も下げ、人体に悪影響もなく、ストレスを緩和する役割を持つのです。
 街路樹については、中木──中くらいの高さの木──や低木ではなく、高木であることが重要です。東京都では2008年から、街路樹の充実事業(街路樹100万本計画)を開始し、7年かけて100万本の目標を達成しました。しかし、その木は中木なのです。そのため、見通しが悪くなったり、管理が大変な上、十分な日陰ができません。高木の枝を伸ばして十分な日陰ができるようにすることが必要なのです。
 樹木の種類も重要です。最近は落ち葉の苦情が少ない、剪定の必要がないという理由でハナミズキが増えていると言われますが、中木であるために、十分な日陰が期待できません。また、空洞が大きい木だからといって、必ずしも切る必要がない木もあります。東京都の街路樹診断マニュアルでは、以前は腐朽──腐っているという──空洞率50%以上の数値が出た場合には不健全とするとされて、空洞率50%以上は伐採の対象だというふうにされておりました。しかし現在の都のマニュアルでは、空洞率50%以上だからといって、すぐに伐採するのではなくて、総合的判断が重視されることになりました。空洞率と木が倒れる危険性の関連を調べたものでは、空洞率が高くても太い木は倒れにくいというデータが示されています。こうしたことも総合的に樹木の管理では考慮される必要があると考えます。
 以上を踏まえまして、以下質問いたします。
 1点目の質問です。1973年に定められた武蔵野市民緑の憲章では、「「平和な緑と教育」のふるさと武蔵野市をつくっていくために、市民緑の憲章を定める」とあります。さらに武蔵野市民の目標として、「1、すべての緑はみんなの財産として、大切にする。2、常に緑をまもり、緑をそだて、これを次代に伝える。3、自発的に緑化運動を推進する。4、市の緑化計画と、その実現に参加する。」の4つが書かれています。武蔵野市政の目標としては、「1、緑化計画を定め、推進体制を確立する。2、緑のネットワークの充実を積極的にすすめる。3、市の施設の緑化を、市民に率先してすすめる。4、学校・団地・企業などに自発的な緑化をもとめる。5、近隣の自治体と協力してひろく緑化をすすめる。」の5つが書かれています。
 そこで、この武蔵野市民緑の憲章の意義について、市長の見解を伺います。
 2点目の質問です。市内の緑の管理についてです。
 街路樹などは剪定の仕方で結果が全然違ってくることがあります。強剪定を行うと木が枯れてしまうことがあり、木にとってよくありません。強剪定とは、太い枝を切り詰めたり、相当量の枝や葉を切り落とすことです。このやり方は、木に大きなストレスをかけることになります。落ち葉などの苦情が来ないように剪定し、過剰な安全思考で、切らなくてよい木を伐採することになってしまいます。剪定作業も強剪定のほうが短時間で済んでしまいます。枝を選んで丁寧に剪定するには頭を使いますし、手間もかかります。私は以前に市民から、強剪定によって無残な姿になった街路樹について問合せを受けたことがありました。この強剪定の例は都道であり、市道ではありませんでした。樹木の管理は丁寧に行う必要があると考えます。そこで、市は、市内の樹木の管理剪定に対してどのような対応を取っているか、市長の見解を伺います。
 3点目の質問です。緑被率──緑被率は上空から見た緑で覆われている部分の市全体の面積に対する割合ですが、それについてです。
 現計画26ページでは、民有地の緑被地面積──緑で覆われている面積──が減少傾向にあり、緑被率は今後劇的な増加が望めない状況にあるとあります。2016年時点で緑被率は24.3%、緑被率の目標は30%とされています。そこで、現時点での緑被率を伺います。
 4点目の質問です。樹冠被覆率についてです。国際的には緑被率でなく、樹冠被覆率で見るのが常識になっています。樹冠被覆率というのは、樹木の枝や葉が茂っている部分の市の全体の面積に対する割合ということです。医学雑誌「ランセット」には、樹冠被覆率を30%にまで増やせば、暑さに起因する死者を約40%減らすことができるという研究論文が出ています。世界では、気温を下げるために最も効果的、経済的だということで、樹冠被覆率を高める取組が進められています。実際世界の大都市では、樹冠被覆率の目標を30%にするところが増えています。オーストラリアのメルボルンでは、2040年までに樹冠被覆率を40%に増やすという明確な目標を掲げています。
 樹冠被覆率を増やすためには、都市部においては街路樹の役割が大きくなっています。先ほどの緑被率の場合には、上空から見て緑があればよいわけですから、芝生とか草むらなども緑被率に算定されることになります。しかし樹冠被覆率の場合は、樹木の枝や葉が茂っている部分が数字に算定されるということになりますので、確実にその樹木の枝や葉によって日陰ができることになり、それによって路面温度が下がります。樹冠被覆率の考え方が重要だと考えます。
 質問1)武蔵野市の樹冠被覆率の現状を伺います。
 2)これまで述べたように、樹冠被覆率を増大させることは気候危機対策に効果があると考えます。樹冠被覆率の考え方の有用性について、市長の見解を伺います。
 3)次期(仮称)緑の基本計画2027では、樹冠被覆率の考え方を導入すべきだと考えますが、市長の見解を伺います。
 5点目の質問です。今後どのようにして(仮称)緑の基本計画2027を策定していくのかについて、市長の見解を伺います。
 6点目の質問です。都営住宅の緑の管理、緑地の管理についてです。都営住宅の緑地の管理は基本的に住民の責務とされており、高木については都が管理することとなっています。しかし、都営住宅ごとに樹木や草地の面積、住宅戸数や空き住宅の状態等によって、緑地の管理の負担が団地ごとに違う実態があります。都営住宅居住者の高齢化の進行に伴い、樹木の剪定や草刈りなどを担ってきた自治会活動に参加する方が減少し、緑地の管理が行き届かなくなるなどの影響が生じています。また、緑地の管理を業者に委託するなどの場合、多額の費用が発生し、その分住民負担が伴うという問題も起こっています。都営住宅によって住民負担に大きな差が出ています。
 都営住宅の緑地は、都営住宅及び近隣住宅の良好な住環境の確保、良質な緑の自然環境及び景観の形成などに寄与しています。都営住宅内の緑地の確保は公共的責務が課されております。こうした状況を考えれば、都営住宅内の緑地の管理については行政の補助があってしかるべきではないでしょうか。武蔵野市のように、市の方針として緑を増やすという方針がある自治体では、都営住宅敷地内にかなりの緑地がつくられていると考えます。都営住宅内の緑地は団地によって様々で、かつ団地内の居住者数の多い少ないによって緑地の整備管理費が大きく変わっていきます。同じ都内の都営住宅でありながら、どの団地に住むかで不公平が生じております。この不公平を正さなければ、都営住宅内の緑地は嫌われて、いずれなくなってしまいかねません。緑地の管理は東京都の重要な責務であり、こうした都民的な課題であると考えておりますので、その管理を住民に負わせることなく、東京都に対して補助を行うことなどを求めるべきだと考えますが、市長の見解を伺います。
 以上大きく2点につきまして答弁を求め、壇上からの質問を終わります。