13393◯23番(下田ひろき君) ただいま議題に上がりました議案第57号 グランドピアノの買入れについて、反対の討論をいたします。
スイングホールでは、1996年の開館以来、28年間近く使われてきているグランドピアノでございます。現状はスタインウェイのD274が設置されています。全体的に消耗、劣化が進んで、このまま良好な状態を保つのが難しくなってきているということで買換えということで、ファツィオリF278のグランドピアノの買入れ議案となっております。
6月議会で継続審査になり、その間、スイングホール、武蔵野文化会館、江東区豊洲文化センターを視察し、8月19日に改めて審査をしました。有意義な視察であり、視察したことにより、より一層、反対するべきだと考えました。
大きな点で、4点挙げさせていただきます。
1点目、3月予算特別委員会で買換えの予算計上をしておきながら、具体的なグランドピアノの商品名、品番などを提示しなかったことは遺憾であります。昨年10月に前市長に概算要求でグランドピアノの買換えとファツィオリF278での要求をしたことが答弁で分かり、新市長に関しても予算特別委員会以前に報告したと答弁がありました。商品名に関しては何の説明もなく、担当課長からは、ピアノの外観、デザインを模してつくられたスイングホール、音楽ホールをより多くの方に知ってもらって、愛着を持って、今までよりも多くの方に来ていただきたいと、愛していただきたいと、そういう思いを持っておりますが、その手段のあくまで一つでございますけれど、今までどおりのスタインウェイで、どこにでもあるピアノではなく、最近注目されている国際コンクールの優勝者が使っているような憧れのピアノというものを、特に子どもたちですとか若者たちに弾いてもらいたい、触ってもらいたいと、今まで弾いたことのあるスタインウェイや国産のピアノと弾き比べて感想を語り合ったり、そういった、よりピアノに親しんでもらいたいという思いから、今回この今注目されている評価の高いファツィオリのピアノを購入して市内外に発信していきたいなと思っておりますと、令和6年度のいわゆる目玉事業の一つになるような答弁もありました。
市長からも、私は自分の公約にも日本一のまちをつくると、また芸術文化にも、コロナ禍でやはり疲弊した、今まで活動できなかった、制限されていた音楽家の方々、また市民の方々、コロナが終わって、またもう一度芸術活動をしっかりとやっていきたいとの答弁がありながら、予算特別委員会のレベルアップ事業等で詳細をお示ししなかったのはいかがなものであり、もし記載等していて予算委員会で質問などし、議論を深め、6月議会で上程するべきだったと思います。そのような過程をたどっていれば、市民理解も得られていたかもしれません。
2点目は、選定理由や選定の経過など、あまりにも不透明ということです。他会派が情報公開請求をいたしました。何と行政文書が残っていない事実も明るみになりました。江東区では、豊洲シビックホールにファツィオリ製のグランドピアノを入れるに当たって、学識経験者、江東区音楽家協会、区立中学校の音楽教諭、文化観光課長、文化センター管理事務所長によるピアノの選定委員会を設置し、第1次審査では選定候補の5社のを試弾し、3社をまず選定し、第2次審査で、審査会で実際に試聴して選定するという透明性、公平性を担保した選定になっています。このような点からも、武蔵野市での選定は、一部職員関係者のみの選定で、透明性、公平性は担保できず、3,000万円するピアノをこのような選定方法で選定したことはいかがだと思います。今後はピアノ以外の物品買入れ等でも、選定には市民の税金が原資になっており、江東区のような丁寧な選定過程をしていただきたいと要望していきます。
3点目は保管場所についてです。スイングホールの視察で保管場所は、様々な照明器具や物品の中、スタインウェイが保管されており、保管場所としては適正ではないのではないかと思いました。豊洲シビックセンターでは、すばらしい保管庫で、温度湿度も徹底的に管理されておりました。職員の方からも、段差一つにも気を遣うということをお聞きし、市民からお預かりした税金で購入したものを丁寧な扱いをしております。スイングホールの保管場所は、床も剥がれており、段差などの衝撃などあり、スタインウェイが適正に管理されていたのかと疑問に思います。
習志野文化ホールでは、建て替えに伴い、五、六年建て替えの時間がかかり、湿度温度が管理できるような保管場所の確保ができないという理由から、45年利用したスタインウェイを一般入札で売却されました。45年利用され、適正管理がされたたまものの結果、1,000万円近い値で落札もされております。習志野のスタインウェイは2台体制とはいえ、スイングホールではこのような保管方法で、28年という早期での買換えは本当に適正に管理されていたのか疑問もあり、このような保管状況も原因で早期の買換えになったのではないかと考えます。
もしファツィオリの3,000万もするグランドピアノが以前のままの保管状況で管理されることは、市民の財産でもあるグランドピアノに失礼だと考えます。早期の床の補修を求めます。また、物品等と一緒の倉庫としか思えないような保管場所の改善を求めます。
4点目に、保守に関してです。江東区は、ファツィオリ社の社員の方が保守するという保守体制を築いております。個人の方が利用時に調律する場合は、ファツィオリ社と提携している業者リストから選定し、調律していただいているということが分かりました。調律に関して質問したとき、今現在している業者にそのまま継続してやってもらうことが望ましいという答弁もありましたが、調律は問題なくできるかもしれませんが、やはりまだ世に出回っていないグランドピアノであり、メーカーに直接やっていただきたいと思っております。まだ議案審査はこれからですが、スイングホールの指定管理で事業主体が変わる予定であり、何が何でも既存業者ではなく、柔軟な考え方で管理していくべきだと思います。車でいうとディーラーや正規ディーラーで整備補修などしていくのが望ましく、技術等はあるかもしれませんが、メーカーや代理店と提携しているような業者がメンテナンスするのが、市民の財産でもある高額なものをメンテナンスしていくというのが筋だと考えます。既存の長い付き合いの業者との関係性もあるかもしれませんが、その辺のメンテナンスの懸念も固まっていないことは、3,000万円もするピアノを購入する前に固めていくべきであります。
以上の4点を主な理由として反対します。原資は市民の税金です。税金を使って3,000万円するものを購入する議案であり、議会にファツィオリの情報提供の時期、選定プロセス、保管場所、保守メンテナンスなど、あまりにも進め方、手続が問題であることをお伝えして、反対の討論とさせていただきます。
(9 番 小林まさよし君 登壇)(拍手)