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令和6年第3回定例会

9月18日(水曜日)

令和6年第3回定例会
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さこうもみ
さこうもみ
無所属むさしの現職

映像ID: 2817

13463◯13番(さこうもみ君)  議案第62号 武蔵野市立武蔵野芸能劇場ほか2施設の指定管理者の指定について、賛成の立場で討論をいたします。
 この議案は、武蔵野芸能劇場、スイングホール、かたらいの道市民スペースの3施設について施設指定管理者の公募を行った結果、武蔵野市で初めて株式会社が指定管理者となるというものです。公募の審査において最優秀提案者となった株式会社は、利用促進の方策、芸術文化事業への取組、地域との連携などで高い評価をされており、これまでにない手法や発想をもって施設の魅力を最大化し、市民サービスの向上に努めていただくことを期待しているということは分かりました。しかし一方で、民間事業者が公共施設の運営を担うことや、指定管理者の制度を活用することにより、5年に一度という短いスパンで事業者が入れ替わる可能性があることについては、委員会の中でも様々な懸念点が指摘されました。
 大きく3つ取り上げます。
 まず1つ目は雇用の問題です。民間事業者が過剰なコスト削減に走ることにより、従業員の賃金が下がったり、官製ワーキングプアを発生させるなどのおそれがあります。また、指定管理者制度の特性上、5年後には事業者が変更になる可能性があることから、雇用が短期間になるため、非正規雇用の割合が増えたり、それにより専門性の高い人材の確保や育成が難しくなることが指摘されています。委員会の質疑の中で事例を紹介した自治体独自の最低賃金の導入など、市の介入を求めます。
 2つ目は、先ほど別の議員からもありましたが、予約システムの問題です。今回選ばれた事業者は、新しい予約システムを構築することを予定しています。これまで同施設の予約システムは文化生涯学習事業団が運営してきましたが、運営する事業者の変更に伴い、変更となるということです。今後、5年後に再び事業者が変更になった場合には、再び予約システムが変更になる可能性があるなど、利用者の負担が増えることは明らかであり、そのことは市も認識しているということが委員会の質疑の中で分かりました。他自治体では、予約システムは自治体が運営することで、繰り返しつくり直すことのないよう工夫しているという事例もあります。
 今回、市として予約システムの導入をしなかった理由として、数年前に文化生涯学習事業団が新しく構築、導入をしたばかりで、二重になってしまうためという説明がありましたが、今回新しい事業者が特定の3施設についてのみ新しい予約システムを導入する時点で、既に二重にコストはかかっています。今後さらに市が予約システムをつくって統合するということになれば、さらにコストがかかることにはなりますが、5年後また新しい事業者が入ったときに、その事業者が新しいシステムを導入するなど、事業者が替わるたびに予約システムが変わることだけは避けていただきたいと思います。この5年間の間に、予約システムの課題の解消に努めてください。この課題を認識しながらも解決することなく、事業者を公募、決定、予約システムの構築を依頼してしまったことには課題があったと考えています。
 最後に、ホームページやSNSなど、発信面の課題です。広報については、民間事業者が入ることにより、発想や企画の面で、これまでにできなかったような取組ができる可能性のある分野だと思います。しかし、指定管理者制度により、5年に一度、事業者が変更になる場合、ホームページやSNSを引き継ぐことは想定されておらず、SNSなどは毎回つくり直しになる可能性が高いということが委員会質疑の中で分かりました。市民とのコミュニケーションツールであり、何年もかけて魅力を伝えていく力を蓄えていくはずのSNSを数年に一度消してしまえば、ノウハウや信頼を蓄積できません。5年間で多くの市民に見てもらえる、情報を伝えられるフォロワーがたくさんいるSNSになったとして、新たにつくり直すことになれば、またフォロワーはゼロからスタートすることになります。情報を得ようとしていた市民にとっても大きな損失になります。この点については、開始前に課題を解消できるよう努めていただきたいと思います。
 以上3点述べたように、指定管理者制度は数年に一度、事業者が替わることで、利用者の負担が増えたり、情報が適切に届かなくなるようなリスク、また、民間事業者が運営を担うことにより、過剰な利益追求、コスト削減に走ることによる雇用の問題が発生したり、サービスの質の低下につながるリスクもあります。解消すべき課題が残っていることが委員会の質疑の中で明らかになりました。民間のノウハウを生かし、多様化している住民のニーズに応えていくこと、市民とつくり上げる事業など、新しい手法も取り入れた独自性の高い企画など、民間が入ることによって施設の魅力が最大化されていくことには期待をしています。公共施設という市民の財産を最大限活用し、住民の福祉の向上に努め、民間事業者が運営を担うメリットを最大化できるよう、市としては、指定管理者に任せきりにすることなく、適切にリスクを把握し、必要な介入をしながら、また、5年後の事業者の公募及び事業者変更の可能性を見据えながら事業を進めていっていただきたいと思います。
 以上、賛成の討論とさせていただきます。
             (1 番 道場ひでのり君 登壇)(拍手)