4870◯市 長(松下玲子君) ひがしまり子議員の代表質問に順にお答えをしてまいります。
まず、最初の質問についてです。民主主義が危ぶまれる状態についての御質問ですが、これは私の言葉ではなく、今年の元日の毎日新聞の社説に記載されている内容を御紹介したものでございます。同社説には、「危機下の民主主義 再生へ市民の力集めたい」とのタイトルで、東欧や新興国等において、政治指導者が強権的手法を取る内なる専制の広がり、欧州などでのポピュリスト勢力の台頭とともに、危機を口実にした議会軽視についての記載があります。このうちの危機を口実にした議会軽視の中で、国民の代表が集まる国会で合意形成に努めるのが代議制の基本であるが、その原則がないがしろにされていることが記載されております。具体的な例としては、安全保障政策の大転換や原発の新増設方針が国会での熟議抜きに決定されていることなどが挙げられておりました。
1点目の質問の中での気候市民会議の評価と効果についての御質問ですが、参加いただいた市民の方々は、環境問題に関心がある多くの方々と意見交換ができたことで、多くの刺激を受け、より一層環境問題を自らの問題として捉えることにつながったのではないかと考えております。参加者からは、新たな気づきを得られた、気候危機問題についてより広めたい等の意見をいただき、多くの方が参加してよかったと評価をいただいております。実際、会議の参加率は8割を超え、途中抜ける方もほとんどなく、最後まで継続して参加がございました。また、この会議の開催状況は実施の記録として作成し、公表しております。
現在、会議で出た多様な意見や取組の提案、会議終了後に行ったアンケートの分析を行っており、今後はその分析結果を踏まえ、気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)の作成を進め、参加者のみならず、市域にその輪を広げていきたいと考えております。
全5回開催のほかに、今年懇談会も実施しております。これは当初予定していなかった会議でしたが、会議を進める中で参加者の声を受けて追加で開催したもので、任意参加として参加者を募り、68名の参加者のうち、23人の参加がございました。参加いただいた方々は環境問題に係る意識がとても高く、自分から伝えて広げていきたい、武蔵野市をもっとよくしたいなどの声があり、気候危機問題を自分ごととして考える姿勢が表れていたと担当から聞いております。
そして、市民一人一人の意識を高めることが重要ということについての御質問ですが、環境問題については市民一人一人の意識を高めることがとても重要と考えます。地球温暖化対策への取組について市民の皆様に関心を持っていただき、自分ごととして考える契機となるよう進めていきたいと考えております。
また、この会議をきっかけに、環境問題に関する気づきや関心を参加者自身が発信し、広げるなど、市民が環境問題を自らの問題として認識し、行動や意識の変容につながるような取組を進めるとともに、市域を越えて地球温暖化対策に寄与していくような広がりのある施策を、持続的に検討していきたいと考えます。そのため、市では来年度公表予定の気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)を作成し、また環境啓発施設むさしのエコreゾートなどを活用し、機運の高まりを継続するための活動の機会、場の提供などの取組を行っていきたいと考えております。
2つ目の御質問についてです。乳幼児も様々な要因によりストレスを感じることがありますが、言葉で十分に表現することができないため、周りの大人がいち早く気づくということが非常に大切であると考えております。乳幼児のストレスへの対応に関しては、武蔵野市保育のガイドラインでは、日頃から子どもの体調、動き方、息遣い、機嫌、表情、食べ方などを観察するよう努めるとしており、子どもの変化を保育士等がしっかりと把握しながら保育を行っているところであります。
また産後ケア事業につきましては、出産後1年以内の母親の身体的回復や精神的な安定を促し、母子とその家族が健やかに生活できるよう支援を行う大切な事業であります。一方、発達が不十分な乳児にとっては、母親から離れ、ふだんとは違う環境で過ごすことで、ストレスを感じているであろうことを踏まえ、十分な配慮が必要な事業とも認識をしております。市は、昨年11月に国から出された産後ケア事業に関する安全管理の推進に関する通知を、各事業所に対して周知を図ったところであります。
今後、市では国が定めている産後ケア事業ガイドラインや国の通知などを参考に、専門家の意見も聴きながら、実施マニュアルを作成する予定でありますが、母親へのレスパイトのほか、乳児が受けるストレスへの配慮などについてもマニュアルへ記載するなどして、事業所と共有を図っていきたいと考えております。
3番目についての御質問です。武蔵野市の農業推進、都市農業の振興について、昨年試行したCO+LAB MUSASHINOは「食と農のおいしい出会い」をテーマとして、1年間継続して取り組み、昨年11月には、農産物品評会と同時開催で新たに生まれたコラボレーション商品を、市民の皆様にお披露目いたしました。引き続きCO+LAB MUSASHINOは、市内事業者の様々な魅力を引き出し高める、プラットフォームとしての役割を果たしていくことを目的に継続する予定です。市内事業者の出会いのサポートや市内事業者をつなぐという役割は、行政だからできることの一つであるとも考えております。
なお、農業推進につきましては、令和5年度もCO+LAB MUSASHINOのテーマは変えずに継続予定ですが、それ以外に農業者と市民との定期的な交流の場として、農家見学会や農産物の直売等の充実を図ることで市民理解を深めるとともに、農業者に対しても様々な補助のスキームを通じた支援をしていく予定です。
様々な具体的な要望に関しての配慮をすべき、そして市としての見解についての御質問ですが、学校給食については、現在武蔵野市給食・食育振興財団と連携協力し、市内産野菜の使用を進めており、御説明もいただきましたように、農業振興基本計画においても使用割合の目標値を35%と定めていることから、引き続き推進してまいります。
今年度実施している肥料価格上昇に対応するための臨時補助金や、その他農業用資材の高騰への対応については、今後も社会や環境の変化等に応じて、農業委員会やJA東京武蔵野地区、市内農家の皆様の御意見も伺いながら、適切な支援を実施してまいりたいと考えております。
効果的な有害鳥獣対策につきましては、市の環境政策課とも情報連携するとともに、東京都の農業振興事務所やJA東京むさし、農業委員会等とも被害情報を踏まえた対策について共有し、引き続き検討を進めてまいります。
4番目についての御質問です。医療的ケア児コーディネーターは、人工呼吸器を装着している障害児や、日常生活において経管栄養やたんの吸引等の医療的ケアが必要な児の支援を総合調整する役割を持っており、医療的ケア児コーディネーターを配置することで、医療的ケア児が地域で安心して暮らしていくことにつながるものと考えております。
具体的な役割としましては、医療的ケア児等に関する専門的な知識や経験を積み、相談を通じた本人や家族への支援のほか、障害福祉サービスや保育・教育分野などの各種サービスにつなげていく役割を果たしてまいります。このほか、庁内関係課との情報共有や市内の医療的ケア児の状況把握、東京都などが主催する研修などへの参加も想定しております。
続いて認知症に関する御質問です。まず、認知症初期集中支援チームは平成28年度より開始し、各在宅介護・地域包括支援センターに設置しており、医療や適切な介護サービスにつながっていないなど、対応の難しい認知症の方に対して、医療と介護の専門職で構成する認知症初期集中支援チームがアウトリーチし、6か月間集中して支援し、介護保険サービスの導入の提案や家族への支援方法の検討を行うものであります。同支援チームでは、武蔵野市医師会の認知症サポート医や、武蔵野赤十字病院、認知症疾患医療センターの精神保健福祉士や看護師など、医療と介護の複数の支援者で方針を立てて対応しております。
認知症サポーターの新たな取組につきましては、令和4年度は認知症サポーターが受講するステップアップ講座の修了者に声かけをして、認知症サポーターズミーティングを立ち上げ、自主的な活動の第一歩として、令和5年3月に認知症カフェを開催する予定です。今後も認知症の人を地域で支えるサポーターチームとしての活動を支援してまいります。
家庭と子どもの支援員に関する御質問ですが、小・中学校の建て替えに当たり、あらかじめ部屋や場所の確保をすべきとしての御意見での御質問かと思いますが、実際には不登校の児童生徒を学校内の特定の場所に集めるべきかどうかというのは、慎重に考える必要があると認識しております。学校改築に当たっては、多目的でフレキシブルな対応ができる場所を用意する計画であるため、教室には入れないけれども、学校内に安心できるスペースがあるなど、多様な場所を設け、児童生徒が状況に応じて選択できるというコンセプトの中で、学校が子どもにとって安心できる場所となることを目指しております。
家庭と子どもの支援員については、もう本当に様々子どもたちに寄り添った活動をしていただいておりますので、御説明いただいたような、その児童生徒に合わせた居場所での活動が可能となるような配置を検討してまいります。
最後、まちづくりに関しての御質問です。武蔵境駅周辺のまちづくりにつきましては、今後JR、市、市民の関わり方がどうなのかということですが、連続立体交差事業による高架後は、南北方向、東西方向の道路整備や高架下の活用が進むとともに、南口駅前広場の改修や北口駅前広場が完成するなど、南北一体のまちづくりが進んでおります。そうした前提の中にあって、JRによる武蔵境駅東側開発については、まちづくり条例に基づき市と様々な協議を行いながら、地域に対して丁寧な説明を行い進められていると認識しており、この事業をもって、連続立体交差事業による高架下利用については一定の区切りがつくと考えております。
引き続き駅周辺のまちづくりについて、事業中であります天文台通り等の整備を進めるとともに、武蔵境のまちづくりのコンセプトでもあります、水と緑を活用した「うるおい」、多様な人々との「ふれあい」、地元商店会や各市民団体によるまちの活性化「にぎわい」を大切に、行政、市民、事業者等が一体となって、武蔵境らしい魅力あるまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。
以上です。