令和5年第3回定例会

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5881◯教育長(竹内道則君)  私からは、まず、発災時の、学童に通っていない小学生への対応についてお答えいたします。在校時間中は、震度5弱以上の地震が発生した場合、学童に通う子もそれ以外の子も基本的に保護者による引取りをお願いしており、安全、確実にお子さんを引き渡せるよう、各校で保護者等による引取り訓練を行っているところです。登下校中に同規模の地震が起きた場合には、教員による児童の安否確認や通学路の安全確認を行い、学校に集めた後に保護者への引渡しを行うことを想定しております。また、地震の規模によっては集団下校などが考えられるほか、学校によっては、連絡がつかない御家庭はお迎えが来るまで学校でお預かりしますなど、保護者向けマニュアルに明記している学校もあります。いずれにしても、災害状況に応じて臨機応変な対応が求められることから、各学校が保護者へのメール配信を活用し、情報共有を行える環境を整え、保護者の不安に対応できるよう支援をしているところです。
 続いて、子どもたちのPTSDを防止するための心のケアの取組についての御質問です。笹岡議員の御指摘のとおり、中学生にも避難所運営等に協力を依頼する場合が想定され、その際、指示を出す大人が子どもの心理状態や心身の負担を考慮することは重要です。令和4年度に武蔵野市地域防災計画を改定して、学校教職員が避難所開設・運営に関わることを明記しました。このことによって、中学生が避難所運営に携わる際には、学校教職員が子どもたちの様子を伺いながら心理的なケアを必要に応じて行えるものと考えております。東日本大震災において、スクールカウンセラーが被災地において素早く対応に入った事例があると聞いており、担任だけでなく、スクールカウンセラーなどと連携した組織的な対応も重要であると考えます。また、教育支援センター所属の教育相談員も、関係者と連携し、避難所や学校において相談支援を行います。
 続いて、大きい御質問の2、給食に対する考え方についての御質問です。学校給食は、家庭における食事とともに、子どもたちの健全な心と体の成長や活動を支える大切な役割を担っております。本市では、市の給食課の直営の時代から、食材本来の味を大切にする手作り調理、安全に配慮した食材の厳選、食文化を伝える和食献立などを特色とする学校給食を提供してまいりました。これらの長年続いた取組を受け、平成22年の財団設立に当たって、武蔵野市学校給食の献立作成及び給食調理の指針を作成しました。財団となっても、この指針の下、栄養士及び調理員が栄養バランスを考え、多種多様な食品や料理を取り入れ、好き嫌いなく食べてもらえるよう料理の工夫を行い、自信を持って子どもたちに給食を提供しております。この指針に書かれていることをしっかりと守り続け、将来にわたっても本市の特色ある給食を続けていくことが大切だと考えております。
 そして、指針の内容についての御質問ですが、武蔵野市学校給食の献立作成及び給食調理の指針は、給食の内容と安全性や質を維持し、さらに充実発展させることを目指し、献立作成、食材選定、調理方法などについて教育委員会が定めた指針です。献立作成については、栄養バランスに考慮することや、偏食や食べず嫌いをなくすために、多様な食品や、家庭で使用しづらい豆とか海藻類、乾物などですが、そういった食品をできる限り取り入れることなどが明記されております。食材選定については、学校給食衛生管理基準の食品の選定においては、有害なもの、またはその疑いのあるものは避けることや、安全性を最優先すること、食品本来の味を子どもたちに伝えられる食材を選定することや、市内産野菜の優先使用や地産地消の推進などが明記されております。給食調理については、安全衛生管理について定めているほか、調理品、半調理品は極力使用せず、手作り調理を心がけることなどが明記されております。
 直近の市内産野菜使用率についての御質問です。令和5年4月から7月における市内産野菜の使用率は23.2%です。課題としては、農地の減少による野菜の生産量の低下が懸念されるところです。また、ほとんどが露地栽培のため、異常気象が続くことによる収穫量の低下も懸念されるところです。展望についてですが、しっかりと後継者のいる農家が多く、給食への理解もあるため、当面は、生産者がいなくなるというおそれはないものと考えております。
 給食費と児童生徒数の推移についての御質問です。給食食材費については、令和2年度が約4億円、令和3年度が約4億8,000万円、令和4年度が約5億円です。児童生徒数は、小・中合計で、令和2年度が8,008人、令和3年度が8,268人、令和4年度が8,455人でした。1食当たりの給食費についての御質問です。まず、武蔵野市、本市ですが、低学年が260円、中学年が270円、高学年が280円、中学生は340円です。そして、23区の平均ですが、低学年が246円、中学年が267円、高学年が288円、中学生が333円です。そして、26市の平均ですが、低学年が237円、中学年が252円、高学年が267円、中学生が305円です。
 2の6)給食の質についての御質問です。現在も、限りある給食食材費の中で様々な工夫を行いながら、武蔵野市学校給食の献立作成及び給食調理の指針に沿って、質を守りながら給食を提供してまいりました。これは無償化になったとしても維持していくべきものと考えております。無償化に伴って今までの給食の質が低下するようなことがないよう努めていくべきものと考えております。
 そして、新しい技術による食材の導入についての御質問です。食品の選定においては、有害なもの、またはその疑いのあるものは避けることとの学校給食衛生管理基準の考え方に基づき、科学的・社会的に安全性が明白になるとともに、保護者をはじめとする市民の皆様の御理解をいただかない限りは、指針に記載のとおり、疑わしきは使用せずとの考え方の下、積極的な導入を行う考えはございません。そして、指針を条例化してはという御質問ですが、武蔵野市学校給食の献立作成及び給食調理の指針は、武蔵野市の子どもたちの安全・安心でおいしい給食提供のためには、非常に大切なものであると考えております。理念の部分はこれまで武蔵野市が築いてきた給食に対する考え方などが記載されており、これは今後も大切に引き継ぐべきであり、大きな変更などは考えておりません。しかし、栄養価を示す学校給食摂取基準が国の基準に準拠しており、その都度改正があることや、アレルゲンの扱いなどについても迅速に対応する必要があり、そこの部分の変更を行う必要があることなどを鑑みると、ある程度の柔軟性が求められるため、現在のところ、条例化の必要性は認められないものと考えております。
 最後に、給食のアピールについての御質問です。学校給食については、令和4年以降、武蔵野市及び給食・食育振興財団への撮影や取材が増加しております。現在、武蔵野市の給食を紹介しているユーチューブのチャンネルは4本ございまして、そのほか、大学准教授、特定NPO法人、日本人の映画監督からの取材をいただいております。特定NPO法人では、今年の夏、桜堤調理場でフィールドワークを実施して、フランスからも参加されたようですが、全国から40名程度の参加があり、給食も試食していただきました。また、昨年度から全国からの視察も多くいただいており、令和4年度は2つの自治体から、令和5年度は既に6つの自治体からの視察を受け入れ、来月も3つの自治体が視察に来られる予定です。このように本市の学校給食は現在も全国的に注目をいただいており、これらのことを活用して、どのような効果的なシティプロモーションになり得るのか、市長部局とも協力をして研究してまいりたいと考えます。

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