令和5年第3回定例会

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6048◯教育長(竹内道則君)  私からは、まず1番目、学童クラブの昼食について答弁申し上げます。長期休業中の家庭内の子どもの食の状況、健康状態の把握についてですが、学校では、個人面談の折に保護者に長期休業期間中の子どもの様子を尋ねる、部活動などで登校した際に様子を確認する、長期休業明けの始業式の日に顔の表情や体形の変化などの健康状態について特に注意して観察するなどの取組をしております。また、困ったときの相談窓口を長期休業日前に周知するなどの取組もしております。教育委員会として、長期休業中の子どもの食をはじめとした健康状態の把握は行っておりませんが、長期休業日中及びその前後にて、食の状況を含めて、心配な様子が見られる子については安全確保の体制や方策について確認し、家庭や関係機関と連携して見守り、言葉がけなどの支援を行うよう、学校に指導、助言をしております。
 次に、学童クラブへの昼食提供についての御質問です。給食・食育振興財団の正規職員──これは栄養士と調理員ですが──は年間の変形労働時間制を適用して、給食がある日は通常より一定時間長く働いているため、超過した部分を調整するために、夏休み期間に夏期休暇と合わせて一定期間は調理員などが不在となります。パートナー職員については、8月1日から2学期の給食開始まで勤務をしておりません。また、御案内のとおり、夏休み期間は調理室の施設・設備のメンテナンス期間であり、大きな工事ですと、夏季休業期間を丸々使う年もあり、調理室を使えない時期が年ごとにばらつきが出て、決まった時期に安定して昼食を提供するということが非常に難しいと考えております。これらの要因で、仮に実施をする際は学童の昼食提供期間、施設・設備のメンテナンスの時期及び財団職員の勤務日程などの調整も大きな課題であると認識をしております。
 次に、北町調理場についてです。設備の不具合についての御質問ですが、居室用の暖房用ボイラーが昨年の冬から故障しており、石油ストーブをレンタルして対応したものと聞いております。このボイラーについては、来年の夏に施設課で新しいものに替えていただける計画があると聞いております。また、調理施設については、食器洗浄機の不具合についての報告も受けております。不具合の解消については、可能な限り対処していきたいと考えております。今後、学校改築が進み、各小学校に自校調理施設を整えるようになると、桜堤調理場で十分な食数を賄えるようになります。その時点で北町調理場の役割は終えるものと考えております。
 続いて、東部地区で子どもたちが家庭や学校以外でどのように過ごしているのか、防犯面からの子どもたちの実情についての御質問です。東部地区に限定して、子どもたちが家庭や学校以外でどのように過ごしているのかについては把握をしておりませんが、各校の生活指導主任が集まる生活指導主任会には、武蔵野警察署の生活安全課の職員の方に来ていただき、本市の子どもたちの東部地区を含めた繁華街などでのトラブルなどの状況について報告をいただいております。その中で、本市の子が巻き込まれたトラブルがあったとの報告は、ここ数年は受けておりません。また、子どもたちが繁華街等で無用なトラブルに巻き込まれることがないよう、各校では日々の生活指導や長期休業日前の機会を捉え、犯罪被害に巻き込まれないよう、深夜徘徊や飲酒、喫煙などの問題行動の未然防止について、警察とも連携して指導しております。市教育委員会としても、問題行動の未然防止は長期休業日前に重点的に指導する事項の一つとして、各校に指導、助言をしているところでございます。なお、吉祥寺図書館の2階は、子どもと中高生のフロアとして、展示スポットの設置や、学びと集いの部屋の学習室としての開放など、子どもたちの居場所をつくっており、職員が見守っております。
 続いて、本市学校教育におけるデジタルシチズンシップの定義と成果、課題についての御質問です。本市では、デジタルシチズンシップ教育について、ICTを使うことが当たり前の社会に求められる態度や知識、技能を身につける教育と定義づけております。その中で、学校では、ICTを前向きに活用しようとする態度、デジタル社会におけるセキュリティの理解などを各教科等の取組の中で進めております。そして、成果についてですが、令和5年度全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査結果によりますと、学校の授業時間以外に、ふだん1日当たりどれくらいの時間、PC、タブレットなどのICT機器を勉強のために使っていますかという質問に対し、「30分以上使用する」と回答した割合が小・中学校、共に45%を超えております。加えて、学習の中でICT機器を使うのは勉強の役に立つと思いますかという質問に対しても、「役に立つ」「どちらかといえば役に立つ」と回答した割合に至っては、小・中学校、共に90%を超えました。具体的なエピソードとして、外国人との交流の際に自主的にプレゼン動画を作成したり、学校行事を盛り上げるために動画を率先して使ったりするなど、児童生徒が自発的に学習者用コンピューターを活用するなどが学校から報告されております。こうした結果から、学習者用コンピューターが日常的な学習道具となりつつあり、ICT機器を前向きに使っていく態度の育成は着実に育まれているものと考えております。課題といたしましては、デジタルシチズンシップ教育は保護者や地域の認知度の低さがあり、ICT機器の適切な使用時間やSNSでの発信など、学校外の活用においても児童生徒が自分で判断して、よりよくICT機器を活用することができるよう、家庭と一層連携していくことが必要と考えております。
 次に、3の2の御質問です。個人が豊かな人生のために自ら学び続けていくこと、積極的に社会や地域に関わり参加していくためには、デジタル技術の利用と理解は必要な能力と考えております。生涯学習の観点から、武蔵野の地域五大学との連携による成人向けの講座や講演会を開催し、市民への啓発を行っています。そして、明日、9月8日は武蔵野地域五大学と共同講演会の基調講演が行われます。サイエンス作家の竹内 薫氏を講師にお招きし、「AI時代に求められる思考法」を開催いたします。
 そして、3の3の御質問です。電子書籍サービスの導入に伴う図書館サービスの向上、市民生活への影響についての御質問です。本市の電子書籍サービスは、令和4年度末時点でコンテンツ数は1万1,062点、貸出し数は9,483点となっており、貸出し数は対前年度比で約3,000点、50%の増加になっています。また、多摩26市でこのサービスを導入している15自治体中で、本市はコンテンツ数としては6位、貸出し数は8位となっております。電子書籍サービスの開始により、図書館ホームページ上で貸出し処理が完了し、御希望の本が閲覧できる状態となるため、その目的の一つである非来館型サービスの向上が図られたと考えております。電子書籍サービスの利用に当たっては、武蔵野市に在住・在勤・在学の図書館カードをお持ちの方に限定していることから、市民サービスについても向上したものと考えています。電子書籍サービスを導入し、その貸出し数が増加していることや、サービス導入に伴い市民の利便性が向上していることが市民生活への影響として挙げられると考えております。
 3の4の御質問です。第2期武蔵野市図書館基本計画に基づき、図書館では関連機関や地域団体との連携・協働を進め、地域課題解決支援として、課題解決テーマ展示を行っています。展示では、地域や市民生活に役立つこと、実際的な内容であることを主眼に、図書館資料や行政情報を展示、ブックリストを作成の上、図書館ホームページにて公開をしております。図書館でレファレンスを受けた武蔵野市に関する調べ物の主なものについては、取りまとめて、図書館ホームページで公開しているとともに、それ以外のレファレンスでほかでも利用が見込まれるものについては国会図書館が中心となって構築しているレファレンス共同データベースに蓄積をし、利用者はインターネットを通じ、検索することが可能となっています。図書館ホームページにおいては、トップページの上段に話題のキーワードとして時宜に応じた旬な項目を掲載し、関連した蔵書を紹介する取組を行っており、日常生活において社会的関心の高い情報に触れるきっかけを提供しております。なお、話題のキーワードについては、月2回更新を行っており、より新鮮な情報の提供に努めております。
 続いて、学校教育の場で情報源の信頼性をどのように教えているのかについての御質問ですが、様々な教科を通じて情報の信憑性の内容を確かめる指導、いわゆるクリティカル・シンキングを行っております。中学校3年生では、国語の学習指導要領に、情報の信頼性の確かめ方を理解し使うことと示されており、例えば、2つの報道文を比較して情報を読み取る学習が行われています。また、小学校5年生の社会の学習指導要領に、放送・新聞などの産業は国民生活に大きな影響を及ぼしていることを理解することとあり、様々なメディアの特徴を捉えるなど、日本の産業と情報との関わりについて学習が行われております。総合的な学習の時間をはじめとした調査活動を行う際には、情報源の信頼性を確かめるために、インターネットだけでなく、複数の資料に当たるなどを行っており、その際、学校図書館の資料を活用し、複数のメディアを活用して情報の確認を行うなど、連携を図っているところです。
 続いて、学校図書館を担う人材と今後の育成についての御質問です。学校図書館を担う人材として、図書館利用に関する専門性の高さは必須であり、現在の学校司書のほとんどの方は司書免許や司書教諭の資格を持っております。また、勤務時間を今年から拡充して、常勤体制を整えたところでございますが、こうして生まれた時間を利用して教員と連携を取ろうとする姿勢も必要であると考えています。また、今後の学校図書館は、情報センターとしての機能の充実が重要であり、そのためにはレファレンスサービスの向上が求められていると考えます。こうした専門性などの向上には、これまで学校と様々に連携してきた中央図書館の知見を生かすことが大切と考えます。今後、学校司書の育成について連携を深めていきたいと考えております。
 そして、3の7の御質問です。デジタルシチズンシップ教育へ対応する学校司書の人材育成について、学校図書館と市立図書館との連携は重要であると考えます。学校図書館を担う学校司書の人材育成のため、教育委員会や総合教育会議などにおける議論を踏まえて、今後、市立図書館において、図書の選定、選書や配置、レファレンスや研修など、公共図書館が可能な支援についても検討してまいります。図書館と学校との連携を深めることにより、双方の関係性もより密接で顔の見える関係となり、結果として学校とのつながりも強化されるとともに、児童生徒の図書館利用の促進も見込めることから、共にメリットもあることと考えます。
 そして、最後に、小・中学校におけるSTEAM教育に関する市立図書館との連携についてですが、化学、技術、工学、芸術、数学を統合的に学習するSTEAM教育を推進するためには、各校において、カリキュラムマネジメントとして教科横断的な学習を一層進めていく必要があると考えます。様々な分野を統合していく際に、図書館をはじめとした諸機関と連携した本物の出会いや体験が必要です。図書館において、関連した取組として、令和元年度に文化生涯学習事業団設立30周年記念イベントとして、吉祥寺図書館で、独立研究者、森田真生氏による「森田真生トークライブ『音楽を聴くように楽しめる数学の演奏会』」を実施いたしました。参加者に、聴く、考える、表現する学びの循環の体感や、その楽しさを感じた方々がさらに自発的に深い学びや活動を継続しているきっかけづくりとすることを目的としました。また、本物の出会いという意味では、様々なジャンルの本との出会いも重要です。市立図書館においては、様々な分野の資料を蔵書として保有していることから、文理融合的、教科横断的な教育の視点を踏まえ、その内容に応じた資料の提供など、学校において、市立図書館との連携について可能な取組を検討してまいります。
 以上でございます。

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