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令和5年第4回定例会

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大野あつ子
大野あつ子
市議会公明党現職

映像ID: 2622

6681◯3 番(大野あつ子君)  それでは、議題となりました議案第98号 武蔵野市国民健康保険条例の一部を改正する条例について、市議会公明党を代表し、賛成の立場で討論いたします。
 国民健康保険は、平成30年に策定、令和3年に改定の武蔵野市国民健康保険財政健全化計画に基づいて令和2年度より2年ごとに1人当たり4,500円ずつの赤字削減を目標として税率を上げてきましたが、制度の複雑さから、市民が医療費を抑えても市民の負担が減るという単純な構造にはなっていないことや、医療が高度化する中で、令和4年度においては1人当たり9,400円の赤字削減のはずが、目標には大きく届かず、累計の赤字削減額は1人当たり595円にとどまり、約9,000円の乖離が出ていました。そこで、財政健全化計画の終了年である令和9年度までに目標に近づくため、令和6年度は1人当たり9,000円の赤字削減に取り組み、国保税の上昇を平準化させる計画を示されたわけであります。これまでの倍の改定額を御負担いただく、大変につらい税率改定となりました。
 このように大幅な国保税の引上げであることと、厚生委員会の議論にあったように、現在、物価高騰や燃料費の高騰で市民生活が大変な中で税率を上げるということは市民の生活を圧迫するのではないかとの御意見、まさにそのとおりだと考えます。できることならば据え置いてほしいと、心の底から思います。しかし、なぜ賛成するのか、以下申し上げます。
 まず1点目、物価高騰、燃料費高騰の対策としては、政府が必死に策を打ってくれています。その結果、今回議案にも上がってきた低所得層への早期の7万円給付、燃料費の補助、中小企業への措置などがあり、生活を守る対策を進めてくれています。物価高騰対策は、本市の国保税という範疇ではなく、国全体として、国民の生活を守る政策が必要です。
 2点目として、国民健康保険事業は、保険料水準統一化に進むという大きな流れがあります。国民健康保険運営協議会──以下、運協といいます──に税率について諮問された折にも、本当に悩みました。運協が認めないという答申を出したらどうなるのかということもお伺いをいたしました。しかし、国の社会保障審議会では、平成30年に都道府県単位に広域化した国民健康保険事業について、保険料水準統一加速化プランというものを示しており、まずは令和12年を目指し、納付金ベースでの統一、次になるべく早期に完全統一をし、同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料とする形にするという方針を示しています。国民健康保険事業で解消すべきとされている決算補填目的に関わる赤字繰入れは、実は地方ではあまり行われておらず、東京都近郊が多い傾向にありました。そして、東京都においては、特別区で広域化に移行する際に既に統一保険料方式を運用しており、武蔵野市よりも高い税率に既になっております。多摩26市については、現在のところ、それぞれの自治体で運用されているので、赤字繰入れについても大分ばらつきがございます。以前のように、武蔵野市が単独で保険者として保険税を徴収し医療費給付を行うのであれば、今年はやめておこうという考え方も成り立つと思いますが、国民健康保険は広域化され、さらに全国で統一化されようとしています。この大きな流れの中で、本市だけが多くの赤字繰入れを続けていくことは、財政負担もさることながら、最終的に全国で統一化されるときに被保険者に対して国保税を一気に大きな幅で上げざるを得なくなり、市民の負担が急激に増すのではないかということを懸念いたします。
 さらに、3点目、全世代型社会保障を考えなくてはならないという視点です。そもそも、社会保障費は、政権交代がある中でもそれぞれの政権に大きな課題としてのしかかってきたのではないでしょうか。高齢化に伴う年金、医療、介護の費用は自然増で増えていく。そして、子育て支援も必要だから増加する。歳出削減は難しい状況ですが、財源を確保するためには増税となります。しかし、これは国民から反発を買うので、政権として選択できるかは大変難しい政治判断となります。かつて、2019年10月、消費税率10%への引上げの際、民主党、自由民主党、公明党による3党合意によって、社会保障・税一体改革として、消費税率の引上げによる増収分を全て社会保障に充て、社会保障制度を財政的にも仕組み的にも安定させることで、誰もが安心して利用できるようにするための改革を行いました。しかし、現状では、山崎泰彦名誉教授によると、22年度予算ベースで消費税収24.7兆円に対して、社会保障4経費、年金、医療、介護、子ども子育て支援は45.3兆円であり、その乖離の分が国債発行を含むその他の一般財源で賄われている。我が国よりも高齢化率の低いEU諸国の付加価値税の標準税率が20%程度であることからすると、消費税が2倍でも過大な負担とは言えないが、経済が停滞している現状では消費税の引上げを言い出すのは難しいだろう。社会保障を政争の具にしない、対話と協調による超党派の取組が必要であろうと述べられています。少子高齢化が進む中、社会保障を安定させるのは本当に難しい課題だと考えます。国は現在、これまでの社会保障制度は、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というものでありましたが、これを見直し、切れ目なく全ての世代を対象とするとともに、全ての世代が公平に支え合う全世代型社会保障を目指すとしています。現在の国民健康保険制度を見るときに、高齢化率の高い国民健康保険に対して、高齢化率の低い健康保険組合、協会けんぽ、共済組合が保険料を納付する前期高齢者納付金という仕組みがあり、また、後期高齢者医療制度に対しても、国保も含む各保険組合から後期高齢者支援金が徴収されており、現役世代が高齢者世代を支える構図となっています。さらに一般会計から赤字繰入れをするということは、現役世代が納税した税金を国民健康保険という特別会計に使うことになりますが、本来なら、この赤字繰入れをする約10億円は全ての市民のために使われるべきものであると考えます。また、今回の税率改正の影響額を見るとき、令和5年度第2回国民健康保険運営協議会資料1−1によりますと、こちらでありますが、低所得、一定所得以下の方々に対しては7割軽減、5割軽減、2割軽減という軽減措置があるので、均等割の増加というものがダイレクトに反映されるのではなく、軽減されて反映されます。したがって、この全体の55%と言われる層、200万円以下の層に対しては、大変に影響率が少ないところであります。ところが、1,000万円を超える層、ここでピークに達しますが、ここの影響額というのは1人当たりの平均が2万4,894円と試算をされています。このように、今回の税率改定についても非常に現役世代への影響の大きいものではないかと考えております。現役世代に負担を押しつけるだけではなく、現役世代に対して支援をしていかなければならないと考えます。ぜひこの赤字繰入れに入れている部分というのは全市民のために使っていただきたい。
 また、最後に、本市の国保税は、普通徴収の場合、8回の納付となっておりますが、特別区や多摩市は6月から3月までの10回納付であります。痛税感を和らげるためにも、以前から申し上げておりますとおり、納付回数を増やすという考え方もあるのではないかと提案いたします。担当課からはそういう声はないと伺っておりますが、希望がないわけではなく、平日わざわざ仕事を休んで訴えることができず、苦しいけれども払っているとも考えられるのではないでしょうか。赤字をそのままにしておくことは無責任であります。国民皆保険制度を守り抜くという立場から、賛成といたします。
              (20番 三島杉子君 登壇)(拍手)

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