令和5年第4回定例会

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三島杉子
三島杉子
日本共産党武蔵野市議団現職

映像ID: 2622

6682◯20番(三島杉子君)  議案第98号 武蔵野市国民健康保険条例の一部を改正する条例につきまして、委員長報告に反対、産前産後期間における国民健康保険税の免除制度の創設については評価いたしますが、国民健康保険税の引上げについては反対する立場で討論いたします。
 日本共産党は、2023年第1回定例会の予算審議におきましても、高過ぎる国民健康保険税──以下、国保税と述べます──の最大の責任は、国が国保財政に対する責任を放棄してきたことを指摘し、国が財政責任を果たす必要性を述べました。財政のバランスをどのようにしていくのか。防衛費、軍事費、そちらのほうは大幅に増やすことをしていくのに、社会保障費のほうは財源がないから増やせないということでは問題があるのではないでしょうか。日本共産党は、全国知事会も提案している公費1兆円の投入で高過ぎる国保税をせめて協会けんぽ並みに引き下げることを提案しており、一般会計から必要な繰入れを行うことなど、市の財政力を生かして国保税を引き上げないことを求めました。
 国民健康保険法第1条には、この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするとあります。国が責任を持って財源を確保し、国民に必要な医療を給付する社会保障なのです。しかし、実際には多くの加入者の生活実態に合わない高過ぎる国保税で滞納者が生まれ、医療機関にかかるのに1回全額自己負担しなければならなくなるなどということもあり、医療から遠ざかってしまうという状況が生まれています。医療費に対する国庫負担の削減や、国民健康保険以外の医療保険にはない、無収入の子どもにさえ1人ずつ税金がかけられる均等割の負担で、加入者の所得が低い国民健康保険が、協会けんぽなどの医療保険より保険料が高く、厳しい負担となっています。全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体も、国保の構造問題だと指摘し、国保を持続可能にするためには被用者保険との格差を縮小するような抜本的な財政基盤の強化が必要、国のほうでしっかりやっていくということが必要と主張しています。
 武蔵野市議団が昨年度行った市民アンケートには、国保税の引下げを願う声が多く寄せられました。今年度、第2回武蔵野市国民健康保険運営協議会の資料では、武蔵野市でも加入者の7割以上の方が所得300万円以下の世帯である、そういう試算が出ていました。国民健康保険は、年金生活者の方、非正規労働者の方が加入者の約7割という保険です。コロナ禍での経営悪化やインボイス導入での影響を受けたフリーランス、自営業の方も、国保の加入者です。コロナ禍での痛手が残り、物価高騰がさらに市民の暮らしを圧迫し、今現在、大変厳しい状況に追い込んでいます。
 委員会での御答弁で、市の加入者約2万世帯のうち、滞納で短期被保険者証交付を受けた方が、昨年度616世帯、また、差押えなどの滞納処分件数が91件とのことでした。現在の保険税額でさえ、既にそれだけの滞納、差押えがある状況です。未就学児に対する国保税の軽減制度が2022年度からできたこと、武蔵野市がそれ以前から子育て世帯向けの独自の減免をしてきたことは評価いたします。ですが、家族一人一人にかかる均等割額1人5,000円アップという今回の値上げは、同じ世帯収入でも、世帯人数が多くて1人当たりの平均所得が低い世帯に大変な負担がのしかかる、そのようになります。軽減措置がある、軽減されてきているとはいえ、1人当たりの平均所得が低い世帯にとっては大変な負担になります。所得割率のアップによる値上げと合わせると、かつてない1人平均8,175円の国保税の引上げです。セーフティネットの役割を果たす国民健康保険で、医療を受ける権利の保障ができない方を生み、市民の命と健康を守るという本来の役割が果たせなくなってしまうのではないでしょうか。医療から遠ざかる方が出てくるということは、医療費抑制にもつながる早期発見、早期治療の道も遅れてしまう。そこからも離れてしまい、結果的には医療費が膨らみ、また財政健全化計画の赤字補填で保険税引上げという悪循環にさらに陥ってしまうのではないでしょうか。
 武蔵野市が他自治体より負担を低く抑える努力をし、健康維持の取組をしていることは理解しますが、市民の命、健康、暮らしを守るために、本当に市民の生活が厳しい中、一般会計から必要な繰入れをして国保税を引き上げないこと、国や都へ財政責任をしっかり果たすことを要望していくことを求めまして、討論を終わります。
             (2 番 きくち由美子君 登壇)(拍手)

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