23598【深田委員】 日本維新の会武蔵野市議団を代表しまして、先ほど提案されました議案第21号令和6年度武蔵野市一般会計予算に対する修正案には賛成、そして、令和6年度一般会計予算につきましては反対、ほか、特別会計、水道事業会計、下水道事業会計には賛成の立場で討論をいたします。
先ほどの質疑の中で、保健センターの増改築の総工費が70億円に上るという事実を、既に昨年11月に、前任の松下玲子市長は御存じであったという事実が分かりました。交代した小美濃市長は12月25日に着任をされ、速やかにこのことについては議会に共有したい、そして意見を仰ぎたい、議会選出の首長であるからと、その思いを私どもに託してくださいましたことは本当に英断だったと思います。その中で様々な事実が分かりました。そして、会計処理というのは、まさに自治体の品格に関わる問題です。予算は事業執行の根拠であります。したがいまして、会計原則の中で、継続性と透明性を尊重し、議会がこうして力を合わせて修正議案を出したことは、これはまた大慶であったと思います。
一般会計について一言申し上げます。前市政の課題や問題点を指摘して着任されたからには、ぜひとも前市政の軌道修正、これを力強く行っていただきたいと思っています。混乱と暴走と断じたからには、政策形成における問題・課題の根治、思想に偏った人選と事業の洗い出し、そして、赤星邸、濱邸など財政計画を伴わない事業の速やかな停止もしくは情報提供、審査など、こうしたことに果敢に挑戦をしていただきたいと思っています。
そして、行財政改革の視点がもう少し強くあってほしかったと思います。事務事業の見直しは2,347万、補助金の見直しが420万、枠配分方式による事業見直しが2,107万、そのうち、補助金と枠配分方式につきましては、質疑をしなければ、その内容について、私ども議会には不透明なものでありました。合計4,874万円、これが令和6年度の行革の成果であります。しかしながら、品川区が2,000億円の予算規模の中で20億円のコストカットを行う。この財源は、賀詞交歓会の飲食提供を取りやめるなどの徹底的な無駄を削減して、20億円を捻出したといいます。そして、これを区民の幸せのために、子どもたちの幸せのためにという財源に振り向けたことは、これは非常に注目に値することだと思います。
令和6年度の本市の予算規模、800億円を超えるわけですが、そのうちの4,874万円の行財政改革にとどまったこと。しかしながら一方で、小美濃市長の英断で廃止をした事業がありました。第2分団詰所の建設の予算9,000万を含める1億1,476万5,000円を廃止とできたことは、これは評価をしたいと思います。今後も行財政改革に果敢に取り組んでいただき、市政の刷新へと向かっていただきたいと要望します。
それから、人口推計と財政計画、これについて、先ほど総括質疑の中で、不明瞭ではないだろうかということを御指摘申し上げました。現在、地方債が296億円、今後、水道の一元化に関わる清算費用、そして、吉祥寺駅・三鷹駅北口周辺の再整備等、様々な財政出動が必要となっております。その中で、今回、唯一公共施設等総合管理計画の中で見直しができるかもしれないというのが、何と学校施設整備のみとなったことです。そして、その予算規模、持続可能な学校整備の予算規模をお尋ねすると、まさにコロナ前の932億円という金額が出てきて、私は大変驚きました。もう少し緊張感を持った財政出動、そして、財政規律、こうした感覚を持ってこの学校施設整備に取り組んでいただきたいということを教育部局には強く要望いたします。
第2期の公共施設等総合管理計画におきましても、それから第六期長期計画・調整計画におきましても、2026年、もう間もなくです。ここから基金の残高が減少に転じることがもう明らかになっています。基金の枯渇、これは恐らく2055年には必至ではないかと思われます。先ほども申し上げましたけれども、将来人口推計は、30年後には2052年、高齢者が5万765人、生産人口が8万8,653人。担税力を当てにしていてよろしいのでしょうか。今の豊かな市税は、まさに武蔵野市独特の財政構造によって担保されているのであって、先頃発表されました市区町村住民平均所得額ランキングでは、武蔵野市は13位、平均所得額は561万9,273円であります。納税義務者の6%が市税の36%を担ってくださるという、この武蔵野市の独特な財政構造、これが果たして持続可能なのかどうかという、歳入の分析をしっかりと踏まえていただき、今後の財政計画、財政シミュレーションに役立てていただくことを強く要望します。
そして、外郭団体のガバナンスについても幾つか指摘があったかと思います。社会福祉協議会と福祉公社の社屋の建設、これに対して5億円武蔵野市が出資する根拠、これについて明確な説明が議会にございませんでした。5億円投入するのであれば、これは、プロポーザルをはじめとして、この建設事業の正当性をしっかりと市民、もちろん議会にもお示しいただきたいところであります。
さらに、一般財団法人武蔵野市給食・食育振興財団、こちらの給食用食品選定委員会が事実上の入札状況の機能を担っているということも明らかとなりました。本市は、他の自治体に比べまして外郭団体が非常に多い自治体であります。しっかりと監視体制を強め、ガバナンスの強化を求めるものであります。
そして、議会の質疑の中でも、DXの推進について様々意見がありました。これに加えまして、クリーンセンターをフル稼働してのカーボンニュートラルな都市経営戦略、これについても、ぜひとも次年度からは予算化をしていただきまして、まさに市長公約であります水素や電気の活用のモビリティにつなげていけるような、面的な、ダイナミックな計画策定へとつなげていただきたいと思います。
こうした希望を託しまして、議会の構成員としまして、令和6年度の予算は、まさに前任の松下玲子市長が、第六期長期計画・調整計画を仕上げて、任期の途中で退任をし、そして、この予算も置き土産で置いていったものと理解をし、一般会計予算には反対の討論とさせていただきます。