12654◯市 長(小美濃安弘君) それでは、西園寺みきこ議員の一般質問にお答えをさせていただきます。
まず1点目は、雨庭とグリーンインフラについてということであります。
大きな1点目の(1)雨水浸透がなぜ必要かということでございます。刻々と変化する環境問題や地球温暖化対策への対応など、持続可能な都市を目指すためには、雨水浸透は重要であると考えております。そのため、武蔵野市雨水の地下への浸透及び有効利用の推進に関する条例第1条の目的と重なりますが、地下水の涵養による健全な水循環を確保し、及び雨水の河川への流出の抑制を図るとともに、水資源の有効利用及び公共の水域における水質の保全に寄与することからも、雨水浸透施設等の設置等を推進していくことは必要であると考えております。
次に、大きな1番目の(2)雨水浸透を目的とした施策についての御質問であります。様々複合的に雨水浸透の施策を行っておりますが、個人住宅等を対象とした雨水浸透施設への設置助成や、学校、公園等での浸透施設の設置、道路の透水性舗装、道路浸透ますの設置などがございます。また、直接的に雨水浸透を目的とした施策ではございませんが、農地や緑地の保全、緑地を増やすことも、雨水浸透に寄与する施策の一つと考えております。
次に、大きな1の3つ目、雨水浸透の割合についての御質問であります。雨水が地中に浸透する割合は、令和4年度末時点で約5割、正確には50.5%となっております。
次に、大きな1点目の4番目、個人住宅の雨水浸透ます設置の現状についての御質問であります。個人住宅のみを集計したものではございませんが、平成6年、1994年度から個人住宅向けの雨水浸透施設への設置助成を行っていますので、助成制度を活用した個人住宅の雨水浸透ますの設置としては、令和5年、2023年までの間に合計5,469基が設置をされているところでございます。
次に、大きな1つ目の5つ目、条例改正以降の雨水浸透施設の拡充状況についての御質問でございます。条例改正以降、令和5年度末時点での個人住宅、民間及び公共施設における雨水浸透施設の設置状況は、浸透ます約8,200基、浸透トレンチ約3,600メートル、透水性舗装約8,200平方メートル、道路浸透ます11基などの雨水浸透施設が設置をされております。
次に、大きな1点目の6点目、雨庭の事業の狙いと現状についての御質問であります。雨にわNbSプロジェクト連続ワークショップは、NPO法人雨水まちづくりサポートが主催し、むさしのエコreゾート西側玄関横にある約15平方メートル程度の花壇において、雨庭の整備やデータ計測など、市民が実際の体験を通して水循環や雨庭について考えるワークショップであります。市民参加のワークショップを通じて水循環について考える機会とすることを目的としております。今後は、6月29日に最終回となる第5回が予定されており、整備された雨庭のデータ計測などについて意見交換をし、その後の取組などについて話し合われる予定になっております。
次に、大きな1番目の7つ目、雨庭の市内公共施設への展開についての御質問であります。公共施設につきましては、現在、武蔵野クリーンセンターに設置されております。今後の公共施設への展開についてでありますが、施設それぞれの特性により、空地の使い方や制限もあるため、建て替え等の際には、雨水浸透施設の一つの選択肢として、担当部署と協議してまいりたいと考えております。武蔵野市下水道総合計画2023にもあるとおり、雨庭などのグリーンインフラのさらなる普及に向けて、先行自治体の導入事例や状況、国等による技術指針、ガイドライン策定等の状況を注視しながら研究をしてまいりたいと考えております。
次に、1の(8)連続講座の開催や支援助成制度を新設するなどの可能性についての御質問でございます。一部の自治体、世田谷区ではグリーンインフラガイドラインが策定されており、東京都では、令和6年度の補助金制度において、自然が有する機能を活用し、緑化等を伴う雨水貯留浸透施設が新設されたところでございます。このため、現在行われている市民参加のワークショップにおいて意見交換を行いながら、効果検証をしたいと考えております。連続講座につきまして、この事業の事業主体はNPO法人雨水まちづくりサポートで行っており、健全な水循環システムを取り戻し、安全で緑豊かな社会づくりに貢献することを目的に、地域の環境保全や環境教育に取り組んでいる団体で、市が協力する立場で実施をしております。今後につきましては、機会があれば協力をしていきたいと考えております。先行自治体の導入事例や状況、国などによる技術指針、ガイドライン策定等の状況を注視しながら、支援助成制度や普及啓発などについて研究をしてまいりたいと考えております。
次に、大きな2番目、ごみゼロのイベントを目指してリユース食器を使うことなどについてであります。
1つ目、イベントでの食器使用の現状について、また、2つ目のリユースカップについての御質問に関しましては、関連しますので、一括して御答弁をさせていただきたいと思います。現在は、イベントの開催趣旨や予算等を考慮し、環境に配慮した食器の使用については、それぞれのイベントごとに判断しており、個々のイベントにおける食器の種類などは把握をしておりません。イベントの開催に当たっては、基本的には、リユースカップに限らず、バイオプラスチック、土に返る素材の容器など、環境面に配慮したものをできるだけ使用する姿勢で検討し、また、開催事業者にも説明をしているところであります。市として、2050年ゼロカーボンシティを表明しておりますので、リユースカップだけではなく、温室効果ガスの削減に向けた取組について全庁的に研究してまいりたいと思います。
続きまして、共同親権の民法改正についてでございます。大きな3点目であります。
3点目の(1)子どもを1人の人格として向き合うべきという考え方が社会で広く浸透しているかということについての御質問であります。令和5年4月に施行されました武蔵野市子どもの権利条例の前文に、「すべての子どもには、ひとりの人間としての権利があります。」と記載されており、市として、子どもは一人一人がかけがえのない存在として考えております。一方で、この考え方が社会で広く浸透しているかに関しては、個別の調査結果などはございませんので、市としては、子どもの権利条例の普及啓発を通して市民の皆様にお伝えをしていきたいと考えております。
次に、大きな3番目の2つ目です。離婚届用紙の子どもの養育監護に関する記入についての御質問であります。離婚届出用紙の右側の下段にあります面会交流の取決めをしているか、養育費の分担について取決めをしているのかの2つのチェック欄について、記入は義務ではございません。このチェック欄は、平成23年の民法改正の折、その改正の趣旨を周知する目的で、法務省により設けられたものであります。チェック欄が空欄の場合は窓口で記入をお願いしております。また、この2項目について、虚偽であるかどうかの確認は特に行っておりません。
次に、大きな3番の3番目です。未成年の子どものいる離婚についての御質問についてです。本市が受理した離婚届のうち、未成年の子どもがいる離婚の件数については、システム上、カウントを集計できず、数を把握することができておりません。なお、政府統計ポータルサイトで確認できる直近のデータによれば、全国の総離婚件数のうち、未成年の子のある離婚は令和4年度で52.8%と示されております。
次に、大きな3番目の4点目、養育費の支払いについての御質問であります。ひとり親家庭が養育費の支払いを受けているかどうかに関しましては、5年ごとに策定している子どもプラン武蔵野の策定過程において、ひとり親家庭へのアンケート調査を実施し、現状把握を行っているところであります。平成30年度に実施したひとり親家庭アンケート調査から、養育費を現在受けているのは4割程度でございました。また、同アンケート調査から、養育費を受給していない理由としては、相手に支払う能力がないと思った、相手と関わりたくないからと考えているのが多数派の回答であり、離婚後に相手方と細かい交渉をしなければならないことが負担と感じている方が多いと分析をしております。
市としての支援策として、離婚の際に養育費についての取決めをしてもらうように勧めていくこと、また、養育費に関して、公正証書等の書面として残して支払いを担保するようにすることを勧めており、公正証書作成の手数料等を補助する養育費確保支援事業を行っております。
次に、大きな3番の5点目、養育費に関する考え方を見直す必要についての御質問であります。母子及び父子並びに寡婦福祉法においては、子どもを実際に監護しない親も扶養義務を履行するように努めなければならないとされており、養育費はその手段として考えられております。離婚後の実態として、母親が親権を持ち実際に監護するケースが多数派であり、そのため、父親から母親に対して養育費を送るというケースが多いのは、御指摘のとおりだと考えております。ただし、市の施策の考え方としては、先ほど御紹介した養育費確保支援事業に関しても、子どもの養育に支障がないように、実際には、当該児童の監護を行わない親からの養育費を確保するための支援策と考えており、その際に、父親から母親への養育費の支払いのみを想定している事業とは考えておりません。
次に、大きな3番の6点目、面会交流についての御質問であります。先ほど御紹介した平成30年度における武蔵野市ひとり親アンケート調査において、面会交流を行ったことがあるかについて調査を行っており、約4割の方は面会交流を行ったことがないと回答がございました。面会交流に関しては、離婚における家庭の状況に応じた判断が必要になるため、市として、現状では支援策を行っておりません。また、面会交流に関しては、虐待やDVによる離婚があった場合などの場合は、必ずしも面会交流が望ましいものではないこともあり、各家庭によって判断される内容だと考えております。
次に、大きな3番目の7点目、共同親権を選択した場合などのよい点、悪い点についての御質問であります。共同親権のメリットとしては、直接子どもを監護しない親も、離婚後も子どもの養育に関して実質的な関わりを持つことができることになること。離婚をしたとはいえ、子どもにとっての両親が自らの子どもの将来を考えることができることなどがメリットになると考えています。共同親権の課題としては、場合によっては、子どもの養育に関する意思決定について時間がかかること、関係が望ましくない相手ともコミュニケーションを取ることになることなどが、実際に監護をしている親にとっての負担になる等がございます。それぞれメリット・デメリットはあると考えますが、今後も、子どもにとっても親にとってもよい支援ができるように対応していきたいと考えております。
次に、大きな3点目の8点目、今回の法改正に対して、市としてどのような対応をするのかという御質問です。共同親権の施行に向けてどのようなことが必要と想定しているかについて、離婚についての御相談があった際に、離婚後の親権の考え方が変わること、親権の決定に当たり、DVや暴力等があり、決定のプロセスにおいて何かしらの強制的なものがあれば、家庭裁判所に申立てをすることができるなどの、個別の案件や制度改正の周知が必要になると考えています。
一方で、共同親権であっても、子の日常に関する決定や、急迫の事情がある場合については、単独で判断可能ともなっており、日常に関する決定や急迫の事情とはどのような場合なのかなどの詳細は示されていない状況となっております。今後、国の動向を注視しつつ、届出書式の変更等の運用における詳細の確認や周知方法について検討していきたいと考えております。
次に、大きな3点目の9点目です。家族との関係という面で、子どもの意思表明が不十分ではないかとの御質問でございます。子どもの意見表明は、子どもには自由に自分の意見を表明する権利があるとし、子どもの権利条例第17条に規定をしております。また、子どもの権利条例第10条において、保護者と家庭への支援を規定しており、家庭における子どもの権利を保障するための支援を行うこととなっております。引き続き、子どもが自由に自分の意思を表明できるように、家庭に対する支援を行っていきたいと考えております。
次に、ハラスメントの認識についてであります。大きな4点目です。
4の1、市としてのハラスメントに対する定義と対応方針についての御質問であります。ハラスメントの種類は多様で、職場におけるパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、また、顧客からのカスタマーハラスメントなど、国や都においても、場面や対象者により担当部局が分かれており、一概に定義することは難しいと考えています。その上で本市では、ハラスメントは、その対象となった人の尊厳や名誉を不当に傷つけるものであり、人権上の問題であるとし、それに基づき、職場におけるハラスメント防止に関する基本方針を定めているところでございます。また、武蔵野市男女平等の推進に関する条例では、市及び事業者の事業及び活動において、性に関するハラスメントを行わせてはならないことや、市民は、性別等に起因する人権侵害を行ってはならないことを規定しております。
現在、職員への研修や相談窓口の周知、武蔵野市男女平等の推進に関する条例ガイドラインの市民や事業者への配布による周知啓発を行っていますが、今後、より多様なハラスメントについて、人権上の問題であるとの認識の下、市としてどのような対応ができるか、研究をしてまいります。
次に、大きな4番目の2つ目、市職員に対する研修や周知についてでございます。毎年度、ハラスメント防止研修を職層ごとに継続的に実施しているほか、毎年、庁内に事務連絡を発出し、相談体制の周知を含め、啓発を図り、ハラスメントの防止に努めているところでございます。
次に、大きな4番目の3つ目、市民向けハラスメントに関するセミナーや周知の実績についてであります。ハラスメントについては、その種類によって、国や都が直接実施する啓発事業等もあると認識をしております。市としては、武蔵野市男女平等の推進に関する条例において、市及び事業者等は、その事業及び活動において──中略──性に関するハラスメントを行わせてはならないことや、市民は、性別等に起因する人権侵害を行ってはならないことを規定しており、条例周知のために作成している武蔵野市男女平等の推進に関する条例ガイドにも、セクハラ、マタハラなどを行ってはいけないことを明記して、広く周知啓発を図っております。
また、女性の人権尊重のための意識啓発等を目的として、毎年11月に実施している女性に対する暴力をなくす運動では、セクシュアルハラスメントに関することも含めて、パネル展や関連図書展示により意識啓発を行っています。
次に、(4)の4、市長はハラスメント行為に対する認識を改めたのかという御質問でございますが、ハラスメントは、個人としての尊厳や人格を不当に傷つけるなど、人権に関わる許されない行為であると認識しており、この考えに変わりはございません。
以上でございます。