12728◯市 長(小美濃安弘君) 本多夏帆議員の一般質問にお答えをさせていただきます。
まず1点目、市政サービスにエリアマネジメント的視点を導入することについてという大きな1点目の質問の(1)サービス提供の地域偏在についての質問でございます。
行政サービスを提供する手段が、公共施設の場合、本市ではこれまで3層構造の考え方を基本としつつ、提供すべきサービスの性質や内容に応じて、どの程度のエリアの範囲を考えて整備すべきか、整理をしてまいりました。例えば3駅圏ごとにあるべき図書館や市政センターなどは、各エリアに均等に整備されております。またより身近なエリアでは、コミュニティセンターのほか、子育てひろば、こどもクラブなど、地域偏在が少なくなるよう、各エリアへ整備を進めております。
様々なサービスや機能の地域偏在は難しい問題ではありますが、既存施設の改修や改築のタイミングを捉え、エリアで求められるサービスや機能を充足する複合化や多機能化を実施したり、身近な地域の多目的施設であるコミセンを拠点として展開することのほか、地域生活環境指標などで、サービスや機能の地域偏在を見える化することが大切であると考えております。
次に、大きな1点目の2つ目、今後の長期計画や個別計画での議論の方向性についてお答えをいたします。長期計画レベルでは、第六期長期計画の基本目標の一つである、限りある資源を生かした持続可能なまちづくりで、「環境、福祉、経済、教育、文化等、多様な側面から、資源の有効活用を最大限に図り、持続可能なまちづくりを推進する」としており、御指摘のエリアマネジメント的視点に通じる、多面的で広い視点で考えることを基本としております。
第六期長期計画・調整計画でも、行財政分野の基本施策3、公共施設等の再構築と市有地の有効活用で、「本市の将来像を見据えた大きな視点をもって、必要な投資は行いながら新たな価値を創造するなど、施設の再構築を図る」としております。
個別計画は様々でございますが、一例として子どもプラン武蔵野を挙げますと、市民の皆様の様々な御意見を伺いながら、施策、事業やサービス、類型別の施設整備について議論し、方向性を整理しております。そして子どもプランの推進体制として、庁内横断的組織である子ども施策推進本部や、多様な関係者や公募市民にも御参加いただく子どもプラン推進地域協議会といった場で、分野ごとの狭い視点ではなく、多様な側面から考えられるようにしております。一般的にはこのようなプロセスを重ねながら、サービスや機能の空白エリアを解消していく方向性で検討されるものと考えております。
次に、大きな1点目の3点目、具体的に地域偏在を解消していこうとするサービスについてお答えをいたします。現時点で具体的に申し上げにくい面もございますが、最近では、中高生を含めた子どもの居場所や子育てひろば、地域密着型の福祉サービスなどが挙げられます。いずれにいたしましても、行政サービスとして提供する必要など、長期計画や個別計画の策定や既存施設の改修や更新を捉えて、市民の皆様の声を伺いながら考えてまいります。
次に、大きな2点目、若年性認知症や起立性調節障害といった若い世代への対応についてであります。
まず、大きな2点目の1点目として、若い世代の病気や障害に対する市の取組の御質問についてであります。健診受診機会のない16歳から39歳までの市民を対象に、申込制で若年層健康診査を無料で実施しております。また子宮がん検診についても、20歳以上の方を対象に無料で実施をしております。学校や職場などで健診受診機会のない方の受診機会の確保を図るとともに、自身の健康に関心を持っていただき、病気などの早期発見につながるよう取り組んでおります。
精神保健分野を例に取りますと、障害者福祉課では、市民こころの健康支援事業として、メンタルヘルスに関する相談支援、出前講座、講座の企画運営を一体で、NPO法人ミューに委託して実施をしております。窓口が市役所ではないことや匿名での電話相談が可能なことから、若い世代の利用もあり、相談から適切な部署につながっております。
次に、大きな2点目の(2)福祉総合相談窓口事業の成果と今後の課題についての御質問についてであります。令和5年度の相談実績は延べ762件で、実人数156人から、多様かつ複合的な相談をお受けいたしました。福祉総合相談窓口の役割が少しずつ支援者の間で浸透してきており、多分野、多機関が関わる要支援世帯の対応においての調整役を担うことが増えてきております。福祉総合相談窓口が事務局となり、庁内外の相談機関で構成される総合支援調整会議を2か月に一度開催しておりまして、事例を通して課題の共有や多機関にわたる課題の抽出などを行い、協議を重ねてまいりました。今年度はこれらの課題について、解決に向けた調整を図ることとしております。
次に、大きな2番目の(3)の1)若年性認知症の市内における状況でございます。令和5年7月1日現在で、介護保険の要介護・要支援認定者のうち、40歳以上65歳未満の被保険者で、日常生活に支障を来すような症状が見られても、誰かが注意していれば自立できる、認知症高齢者日常生活自立度2以上の方は88人であります。
次に、2の(3)の2、予防や進行を遅らせるために市ができる取組でありますが、生活習慣病予防や早期発見、早期対応が重要と認識しております。若年性認知症の原因疾患は高齢期の認知症と同様に、アルツハイマー病、脳血管障害が多くを占め、これらの発症は生活習慣病の関与が深いとされており、生活習慣病の予防への取組が重要であります。本市では武蔵野市第5期健康推進計画や食育推進計画において、生活習慣病予防について具体的な施策を挙げ、取り組んでまいります。
次に、大きな2番目、(3)の3)ケアをする家族や介護者への支援でございます。若年性認知症の方をケアする家族や介護者の特徴として、本人や配偶者が現役世代であり、また介護者が配偶者に限られることが多く、身体的、経済的、精神的にも大きな負担が生じると認識しております。本人の役割や立場などにより抱える問題が幅広いことから、家族や介護者への支援はケース・バイ・ケースの対応となります。本市では、主治医や訪問看護師、地域包括支援センターや武蔵野赤十字病院認知症疾患医療センター、東京都多摩若年性認知症総合支援センターなどの支援機関が連携し、チームで本人や御家族への支援を行っております。
続きまして、大きな2の(3)の4、子ども・若者育成支援推進法の改正によるヤングケアラーの取組についての御質問であります。ヤングケアラーへの支援に関しては重要な課題と考えており、部を越えた関係部署で検討する庁内の子ども支援連携会議にて対応を検討しており、若年性認知症等の疾病内容にかかわらず、家族の介護、その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子どもに対しての支援の在り方について検討しております。今年度は、当事者である子ども自身や保護者、また市民が、ヤングケアラーとは何かを知ってもらうとともに、ヤングケアラーと思われる子どもが相談しやすいように、周知啓発を行っていきたいと考えております。
続きまして、大きな2の(3)の5、若年性認知症の周知への取組でございます。本市では認知症についてのパンフレットを作成し、配布をしております。また令和5年11月の家族介護者の集いや認知症サポーターステップアップ講座などでは、若年性認知症の当事者の方による講演会などを開催しており、早期発見、早期対応と認知症への正しい理解のためにも、今後も広く周知に努力をしてまいります。
続きまして、2の4、起立性調節障害についての御質問であります。1、市内における状況の把握についてであります。市立小・中学校の児童生徒の中に、起立性調節障害で学校に行くことのできない児童生徒もいることは聞いてはおります。しかし、その他の世代の状況把握については難しいと考えております。
3つ目、当事者やケアをする家族等への支援についてであります。学校の現場において、対象の児童生徒やその家族に対して支援を行っていると伺っております。その他の世代については対象者の把握も難しいため、健康に関する相談等があった場合、助言等を行うことはできますが、起立性調節障害を主な対象とした事業等は、現在のところ行っておりません。
次に、4)でございます。起立性調節障害について知ってもらうための取組についてでございます。現時点では起立性調節障害についての周知等は行っておりませんが、他自治体の取組などを含めて研究していきたいと思っております。
次に、過去取り上げたテーマや市民からの相談事項について。
まず、大きな3の1点目は、DXについてのアプリの乱立や運用方法への課題について御質問をいただいております。御指摘のとおり、保育所において、行政及び民間事業者のDXが進んでおります。保育所においては、行政と共に民間事業者においても独自にアプリを活用し、情報を発信しており、情報を発信する主体によって運用方法が異なるという課題があることは認識をしております。保護者等の利便性を向上していくため、教育部局と現状を共有し、どのような対応ができるのか、研究していきたいと考えております。
次に、大きな3番目の2番目、未就学児のいじめに関する市の取組についての御質問であります。市立保育園においては、児童が他者との関わりや人間関係の構築を学んでいくことについて、保育士はそれぞれの意見、気持ちを聞き、支援することを実践しております。子どもの権利条例第17条、子どもの意見表明のとおり、年齢、発達などの理由によって自分でうまく意思を伝えられない子どもに対して、その意思を酌み取り、保育士が事実を確認し、対応することが重要だと考えております。
続きまして、日本版DBS法についての市の現状認識について御質問であります。先日、他の議員の一般質問にもお答えをいたしましたが、子どもや保護者の安心感につながることが期待される一方で、高度なプライバシー情報の取扱いや情報漏えいのリスク、実効性の問題、職業選択の自由への懸念などが指摘をされております。詳細は法律施行までにガイドラインとして示されると伺っておりますので、今後も国の動きを注視してまいります。
他の質問に関しましては、教育長職務代理者よりお答えをいたします。