12780◯市 長(小美濃安弘君) それでは、東山あきお議員の一般質問にお答えをしたいと思います。
まず、大きな1点目、減税についてでございます。大きな1点目の(1)、定額減税が本市の税収にどのような影響があると予測されるかという御質問であります。6月10日に普通徴収の税額決定通知書を発付し、令和6年度の個人市民税の課税事務が一段落したところでございます。この段階での税収減は約6億5,000万円強となっております。ただし、定額減税による減収分につきましては、地方特例交付金により全額国費で補填されますので、歳入全体で見た場合には影響がないものと考えております。
次に、定額減税による市内経済全体への効果についてでありますが、政府は、定額減税の目的として、デフレ脱却のための一時的な措置として国民の可処分所得を直接的に下支えすると説明をしております。経済効果につきましては現段階では不明でありまして、今後の状況について注視が必要だと考えております。
次に、大きな1の2点目、職員等の給与支払いに関してどのような負担増があったのかという御質問でございます。定額減税に係る制度理解のほか、システム入力や定額減税額の確認など、一定事務量は増えている状況ですが、他の事務等もあるため、定額減税のみでの超過勤務時間は把握しておりません。システム改修の費用に関しては、550万円程度の予定でございます。
続きまして、大きな1点目の3点目、定額減税に伴う事業者の負担増についてであります。市内企業からの声などについての御質問でありますが、市役所産業振興課では、事業者からの具体的な御相談は現在のところ伺っておりません。また、市内経済団体である武蔵野商工会議所においても、同様に具体的な御相談はないとのことでありました。なお、同会議所では、会員向けの会報誌において、武蔵野税務署が開催する定額減税説明会の案内を掲載し、周知しているほか、定例相談会でも定額減税への対応について相談を受ける体制を整えているということであります。また、公益社団法人武蔵野法人会でも、会員向けの会報誌において、国税庁が開設する定額減税特設サイトコールセンター等の周知を行っており、事前の対応が取られているものと推察されます。
次に、大きな1点目の4点目の名古屋市の市民税減税によるメリット、また、5点目の本市も減税をすべきではないか、また、6点目の減税の実現に関する御質問、これは関連がございますので、一括して御答弁をさせていただきます。一般的に、減税のメリットといたしましては、可処分所得が増えることで消費の拡大や企業の投資促進など経済活動の活性化につながる効果が期待されると言われております。一方で、今後の社会保障費や公共施設の更新に係る費用の増加などを見据えると、市の財政への影響や公共サービスの低下など様々な懸念があり、慎重な議論が必要だと考えております。名古屋市では、市民税5%減税検証プロジェクトチームを設置の上、検討した結果として、平成29年11月の報告書において、減税により市民生活の支援に一定程度寄与したと考えられることや、可処分所得や人口の増加などによる一定の経済効果が認められている旨等が記載されております。しかし、名古屋市は政令指定都市であり、人口規模、人口密度、都市計画の方向性や地域特性など、本市とは全く異なるものであり、この報告書からは本市においても同様な形で効果が得られるという判断をすることができませんでした。今後、公共施設等の更新に係る経費や少子高齢化のさらなる進行に伴う社会保障関係費等の増大に加え、予見できない支出ニーズも発生していく中で、明確な効果が得られる確証がない状態で減税という大きな方針転換を行うことは、持続する市政運営を行っていく上でのリスクとなってしまう可能性があり、適切でないと考えております。個人市民税は、私たちの日常生活を保障するために行政サービスの財源を適切に確保するという観点から極めて重要な税目で、住民は当然にその費用を分担し合うべきであるという考えに基づき、市民の皆様に広く御負担をお願いしており、今後もその方針で進めてまいります。
次に、大きな2点目、CIO直轄DX推進プロジェクトについてであります。大きな2点目の1点目、CIO直轄DX推進プロジェクトを通じた時間削減、予算削減についての御質問であります。このプロジェクトは、時間や予算の削減を主な目的として行ったものではありません。若手職員が自ら課題を見つけ、その解決策まで検討したもののため、定量的に測れないワーキングスペースの試行や、地域のDXとして高齢者のeスポーツも実施をいたしました。定量的に成果を出したのは、議員の皆様にも配付をさせていただきました、また、先ほども御案内をいただきました報告書にも掲載をしておりますが、1つは高齢者支援課での取組で、これまで紙によって申請をしていた介護職・看護職Reスタート支援金申請のオンライン化で、オンライン申請に切り替えることで申請の所要時間を7分から3分へと約6割の削減をいたしました。2つ目は生活福祉課での取組で、課のデータフォルダの見直しにより、見たいデータを見つけるまでの検索時間を1分46.4秒から44.9秒に、58%の削減ができたことが挙げられているところでございます。
次に、大きな2点目の(2)、情報システムの共同化によるコスト削減についてであります。自治体同士が連携して情報システムの共同化をするのは、自治体クラウドと呼ばれ、近隣でも三鷹市、立川市、日野市で令和3年11月から、小平市、東村山市、東久留米市で令和4年1月から運用が始まっていることは承知をしているところでございます。システムの共同化は、運用が始まればスケールメリットが一定程度受けられることが見込まれますが、自治体ごとに事業者が異なるほか、事務のやり方や判断の違いがあり、それに合わせたシステムのカスタマイズが行われていたりするため、開発に際しては事業者への相当の費用負担があるほか、確認等の作業に伴う職員の負担も相当あると考えているところであります。この開発に係るイニシャルコストを上回るランニングコストの減が運用期間で確保できれば成果があると認識をしております。今後も、他市の事例も参考にしながら業務の効率化に努めてまいります。
次に、大きな2点目の3点目です。他自治体との連携についてでございますが、先ほどの質問でお答えしましたとおり、システムの共通化を行うには課題がございますが、情報システムによる処理の内容が各地方公共団体において共通し、かつ、統一的な基準に適合する情報システムを利用して処理することが住民の利便性の向上及び地方公共団体の行政運営の効率化に寄与する事務について、統一化・標準化し、制度改正への対応の負担軽減とコスト削減をすべきとの考えから、現在国が進めているのが、地方公共団体情報システムの標準化であります。まずはこの標準化に適切に対応してまいりたいと考えております。また、東京都内の地方公共団体が相互に協力連携して、住民サービスの向上と行政の高度化、効率化を図ることを目的として、2004年(平成16年)に東京電子自治体共同運営サービスが始まり、現在も東京都の外郭団体であるGovTech東京がその事業を引き継いで、共同での調達等を行っており、本市においても電子申請やAI議事録などを調達しております。その他の共同についてですが、市長会で各市のDX担当者を集めた研修や交流会を実施しており、これに参加する中で連携が図れるかは今後研究してまいりたいと思っております。
続きまして、大きな2番目の(4)CIO直轄DX推進プロジェクトに取り組む中で見えてきた本市のDX推進の課題についてであります。各課では、日々の業務に追われ、課題は感じているものの、改善までなかなか手が回らないという状況が見受けられました。また、新しいことに着手するのに慎重な職員もいるほか、デジタル技術に関する知識も含めたDXへのマインドの部署による温度差もあると感じているところでございます。
次に、大きな2番目の5点目、こういった見えてきた課題にどう取り組むかについてであります。CIO直轄DX推進プロジェクトでは、今年度もメンバーが自由な発想で課題を見つけ、解決に取り組む予定でありますが、伴走型で支援しながら、主管課と一緒に課題を解決していけたらと考えております。あわせて、令和6年4月から情報政策課に配置したDX推進担当係長を中心に、情報政策課からも各課の取組を支援してまいりたいと考えております。
続きまして、大きな3点目です。民間企業に義務づけられる障害者の方の法定雇用率についてであります。大きな3点目の1点目、法定雇用率を達成している企業の割合についてであります。ハローワーク三鷹に確認したところ、市単位での集計は行っておらず、ハローワーク三鷹管内、これは武蔵野市、三鷹市、西東京市、東久留米市、清瀬市における障害者雇用の法定雇用率を達成している企業の割合は、令和5年度は43.67%となっているようであります。
次に、大きな3の2点目、法定雇用率増の周知や市内企業支援についてであります。令和5年6月に、武蔵野市障害者就労支援センターあいるを通じて、武蔵野商工会議所に広報紙やホームページ上で障害者雇用に関する周知を行っていただきました。令和5年11月には、武蔵野市、三鷹市及びハローワーク三鷹の共催で、障がい者の就労を考えるつどい2023を開催いたしました。また、令和6年3月には、つどいに参加した30社の企業による障害者雇用座談会を開催いたしました。今後も、あいるが開催する障害者就労支援ネットワーク連絡会などを行い、企業や事業者への情報発信等、連携を継続していく予定であります。
続きまして、大きな3番目の3点目、障害者差別解消法改正をきっかけとした新たな取組についてであります。今年度は、障害者差別解消法の改正と合理的配慮の義務化について、4月15日号の市報により周知を行いました。今後は、市民のみならず、企業向けにも市のホームページ等で発信を行っていきたいと考えております。
続きまして、大きな4点目、ガンマ波サウンドを使った認知症予防についてでございます。1点目、認知症相談の件数の推移でございますが、相談件数は、令和2、3年度はコロナ禍の影響で減少いたしましたが、令和4年度は74件、令和5年度は69件と、コロナ禍以前の件数に戻っています。高齢者支援課や地域包括支援センターへも一般的な認知症の相談は日常的にあり、相談件数は減少傾向にはないという認識であります。また、相談内容は、介護者からは認知症のある方への対応や介護の方法、御本人からは認知症の症状への不安などの相談が主なものになっております。
2点目といたしまして、認知症施策のこれまでの成果とこれから行っていくことについてであります。認知症の正しい理解と普及啓発の柱でもある認知症サポーター養成講座の参加者数は、平成18年度からの累計が2万2,256人となっております。また、市独自の事業である認知症高齢者見守り支援事業は、介護保険給付で対応できない支援を行うことで、認知症高齢者の在宅生活の質の向上や介護家族の負担軽減となっております。一方で、高齢者の介護予防・日常生活アンケート調査では、認知症に関する相談窓口の認知度は低く、既存の認知症施策につなぐためにも、市民に伝わる広報の在り方や、より利用のしやすい事業の見直しを検討してまいります。
3番目でございます。ガンマ波サウンドへの所見についてということでございます。近年、認知症予防に関する研究は日進月歩で進められており、ガンマ波サウンドもその一つとして認識をしております。
4つ目、新しいアプローチでの認知症対策の検討につきましては、認知症予防については定期的な運動習慣やバランスのよい食事、社会活動への参加、人との交流や外出等が認知症になる危険性を低くすることが報告されており、これらを組み合わせて実施することが効果的であると認識をしております。認知症予防の基本である運動、栄養、社会参加のための一手法として研究してまいります。
以上でございます。