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川名ゆうじ
13759◯25番(川名ゆうじ君) 今回の一般質問は、2つのテーマで行わせていただきたいと思います。
まず、1番目、玉川上水と緑と水のネットワークについて。
まず最初に皆さんに見ていただきたい写真がここにあるのですけれども、この写真というのはどこだか、皆さん御存じでいらっしゃいますでしょうか。ちょうどここは武蔵野市と小金井市の境にある梶野橋というところから見ている玉川上水なのです。これが数年前、小金井桜を復活させようとして玉川上水の木を全部皆抜というか、全部伐採したという姿になっています。その橋の反対側はちょうど武蔵野市になるのですけども、武蔵野市はこういう状態。全く切らないというか、ほとんど切っていない、自然のままの姿といえば自然な姿という状況になっています。果たして市境によってこれだけ玉川上水の緑が違うということに関してどう思っていらっしゃるのか、あるいはどういう緑の姿がいいのかということをこれから議論する必要があるのではないかと考えて、今回の質問とさせていただいています。
もう一つ写真があって、解像度が悪いのでよく分からないかもしれないのですけども、これは東京都の水道局が計画している図の中のイメージ図です。いわゆる公園のような川というのですか、かなりきれいな川になってしまっているのですけども、これが果たして玉川上水としてふさわしいのかどうかということも考えていただければと思います。
そういう意味合いも含めて、皆さんにも一緒に考えていただきたいなと思いまして、今回は質問させていただきます。
それでは、質問に入らせていただきます。
武蔵野市は、緑は市民の共有財産として位置づけ、昭和48年には、全国にも類を見ない、緑をテーマにした武蔵野市民緑の憲章を制定、現在でも緑を守り続け、このことが住みたいまちとして武蔵野市の評価にもつながっていると考えています。武蔵野市の緑を守るための計画として、都市緑地法第4条に規定される10年間の計画となる緑の基本計画があります。現在は武蔵野市緑の基本計画2019の期間中であり、中間時点の進行管理として、中間のまとめが改定されています。この緑の基本計画の対象となる緑は、樹木や草花などの植物に限らず、生息する動物や昆虫などの生物を含むものとし、公園緑地、農地、屋敷林・雑木林、学校の樹木や花壇、玉川上水・千川上水・仙川などの水辺、街路樹、駅前広場の緑、住宅の花や庭木、神社や寺の緑、企業・マンション・商業施設などの緑とあり、ここには玉川上水が記載されています。また、第六期長期計画には、市内を流れる玉川上水、千川上水、仙川などの水辺と街路樹でつなぐことで、厚みのある緑と水のネットワークの形成を推進していくと書かれています。
しかし、その緑とは何なのか、どのような緑と水のネットワークの形成をしていくのかが不明確ではないでしょうか。特に玉川上水は、文化財保護法により国の史跡に指定され、東京都の計画に基づいた保存管理が行われており、基本的には東京都の管轄とはなりますが、武蔵野市としてどのように玉川上水の緑を守り、つくるかの方針を定め、東京都と連携して、武蔵野市にふさわしい緑を守る必要があると考え、以下を質問いたします。
質問1、第六期長期計画・調整計画の基本施策6、活力とにぎわいのある駅周辺のまちづくりには、三鷹駅周辺の玉川上水を生かした緑豊かでにぎわいの広がる空間の創出とあります。具体的に何を行い、どのように活力をにぎわいに結びつけているのでしょうか。ここで示されている緑とは、緑の基本計画にある樹木や草花などの植物に限らず、生息する動物や昆虫などの生き物も含むものと理解してよろしいのでしょうか。皆さんも御存じかと思いますけども、玉川上水にはタヌキですとかハクビシンもいたりしますので、このことも含めての緑なのかということも併せて伺えればと思います。
質問2、武蔵野市の個別計画、個別事業には、公園・緑地リニューアル計画、公園施設長寿命化計画、仙川水辺環境整備基本計画、千川上水整備基本計画がありますけれども、玉川上水についての計画がありません。記載があるのは、玉川上水沿線の緑化として、玉川上水、仙川整備における東京都や近隣自治体との情報共有による連携と協力ということはあります。沿線の緑化は必要ですが、玉川上水ののり面やのり肩に生息する樹木について、どのような緑にしたいのか、あるいは、あるべき緑についての記載がありません。市としてどのような緑が武蔵野市の玉川上水にはふさわしいと考えているのかを伺います。
質問3、玉川上水は文化財保護法による国の史跡に指定され、東京都の計画に基づいた保存管理が行われています。そのために、基本的には東京都が緑についても検討し、管理するものと考えます。そこで、東京都の計画を見てみますと、水道局による史跡玉川上水保存管理計画や史跡玉川上水整備活用計画が策定され、現在は改定版となる「史跡玉川上水整備活用計画(改定版)〜江戸の史跡を守り未来へつなぐ〜」(案)が策定され、先頃までパブリックコメントが行われていました。この改定版の案には、のり面の補強工事や水路及び樹木の適切な管理、名勝小金井桜並木の保存などを進めてきましたが、現在、これらの整備に引き続き取り組むとともに、樹木のナラ枯れ被害や台風などによる倒木被害といった新たな課題にも対応していく必要がありますと書かれ、地元住民への説明会を開催し、寄せられた意見やパブリックコメントを実施しながら検討を進め、関係機関などと連携しながら、史跡・名勝の価値と保存の必要性が広く理解され、貴重な土木施設・遺構として、また、人々に親しまれる快適な緑と水の空間として玉川上水が次の世代へ引き継がれるよう努めていきますと書かれています。ですが、ここにも具体的な緑とは何かが書かれていません。また、土木施設や遺構のため、これまでに水路及びのり面の保全を目的に、樹木対策として、のり面及びのり肩の崩落に伴い、倒伏するおそれのある高い樹木の伐採や剪定を実施していると書かれています。以前、桜堤周辺でこの剪定が行われた際には、絶滅危惧種があるとの指摘が市民団体からあり、当初想定から伐採される樹木がかなり減ったと記憶しています。東京都の水道局のサイトには玉川上水のページがあり、そこにあるQ&Aには、整備の実施前に住民に十分な説明を行ってほしいとの質問に対して、水路・のり面保護や樹木処理などの整備を行う際には、その都度情報提供、報告を行い、御意見をお聞きしながら、地元自治体を通して地元の皆さんと調整していきますと書かれています。そこで、関係機関には当然武蔵野市も入ると考えられ、地元の皆さんと自治体を通してとあることから、武蔵野市は東京都とどのような連携をしてきたのか、どのような意見を伝えてきたのかについて質問いたします。
質問4、また、どのような地元の意見があったのかも伺います。
質問5、東京都の計画では小金井桜の記載がありますが、武蔵野市を流れる玉川上水については水路の保全が中心で、緑については主な現況が書かれているだけとなっています。一方で、東京都は、安全性と快適性の確保だけではなく、生物多様性の保全、地元住民や地域の団体などとの情報共有や連携に努めていきますと改定版には書かれていました。これらを読むと、東京都に、具体的な緑、この想定がないことも分かります。そこで、小金井桜は小金井市に考えていただくとして、武蔵野市を流れる玉川上水については、東京都任せではなく、武蔵野市の緑の基本計画と連携し、住民とも協力し、武蔵野市にふさわしい玉川上水の緑を武蔵野市として率先して考え、共有財産としての玉川上水の緑を実現していくべきと考えますが、御見解を伺います。
2番目、大雨災害と地下水浸透について。
集中豪雨、ゲリラ豪雨、線状降水帯など大雨災害が問題となり、気候変動ではなく、気候危機と呼ばれるようにもなっています。多様な災害が起きていますが、その中でも東京都は河川による水害対策として、地下に調節池を造る計画を進めています。武蔵野市でも計画が進められているのは御存じのとおりですが、今回は武蔵野市ではなく、お隣、杉並区で計画が進められている善福寺川上流調節池(仮称)と武蔵野市の下水道計画について、以下を質問いたします。
質問1、ある杉並区の住民から、武蔵野市からの雨水が杉並区へ流れ込むことで調節池が必要になっている、武蔵野市は対策をしているのかとの問合せを受けました。御迷惑をおかけしているのは確かなことですけれども、武蔵野市としては、計画をつくり、雨水貯留施設や地下浸透施設などを設け、対応はしていると説明をしていますが、市としての見解も伺いたいと思います。
質問2、市が公共施設に雨水浸透施設などを設置していることは評価をいたします。一方で、市民や民間事業者にも今以上に設置が必要と考えています。理由としては、新築時には設置はされているものの、旧来からある施設や家屋にも設置をしていかないと昨今の豪雨には対応できないからと考えているためです。そこで、現状でどのような対策を行い、下水道総合計画2023にある戸別浸透施設など、流出係数などの実績値の最新データを伺います。
質問3、下水道総合計画2023には、雨水管理計画(仮称)の策定を進めますと書かれていますが、現況を伺います。
質問4、昨今の気候変動を考えると、今以上に雨水浸透を進める計画値にすべきと考えますが、御見解を伺います。
質問5、雨水の地下浸透は計画をつくっても進みません。行政だけの事業でも限界があり、市民の協力が必要不可欠と言えます。また、武蔵野市だけではなく、河川流域の自治体や市民との連携、協力を進めていくべきと考えますが、御見解を伺います。
以上で壇上での質問を終わります。御答弁をお願いいたします。