13760◯市 長(小美濃安弘君) 川名ゆうじ議員の一般質問にお答えをいたします。
大きな1点目といたしまして、玉川上水と緑と水のネットワークについてでございます。
1点目、具体的に何を行い、どのように活力をにぎわいに結びつけるのかという御質問でございます。三鷹駅周辺の整備につきましては、豊かな緑の下ににぎわいが生まれることを掲げております。そのため、玉川上水を含めた緑豊かなにぎわいのある空間づくりに向け、今後、様々なステークホルダー、これは施設管理者や商業者、来街者などとの連携、協力により、施設整備やにぎわいに結びつくエリアマネジメント等に期待をしているところでございます。第六期長期計画・調整計画に記載されている緑についての御質問でありますが、緑の基本計画にある緑と同様であると認識をしております。
次に、2番目です。どのような緑が武蔵野市の玉川上水にふさわしいかという御質問でございます。緑の基本計画2019では、基本施策、水と緑の軸、緑の拠点の継承の取組例として、玉川上水の緑の保全に向けた関係機関との連携を記載しております。市内で数少ない水辺であり、植生豊かな緑陰空間でもございます。様々な生物も生息する特性から、地域の憩いの空間ともなっており、次世代へ継承されることが望まれております。玉川上水の緑に対する考え方は、施設管理者や周辺住民、拠点として活動されている保全団体など、様々な考え方があるため、対話をしながら、ふさわしい緑を考えていくプロセスが重要だと考えております。市としても、玉川上水などの水辺の緑を継承し、保全するために、東京都などの関係団体と連携してまいりたいと思っております。また、周辺の公園緑地や街路樹、民有地の緑化を進め、緑の量を増やし、質を高めることで、厚みのある緑の創出に努めてまいります。
3点目です。市は東京都とどのように連携し、どのような意見を伝えてきたのかという御質問であります。毎年度、東京都が開催する史跡玉川上水整備活用のための作業説明会については、事前に内容の説明を受け、説明会に市も出席し、植生の状況や樹木診断結果、作業予定などを共有しております。また、玉川上水緑の保全事業都・区市連絡協議会において、住民団体の取組などを共有しているところでございます。市としては、東京都の計画に基づく水辺及びのり面の保全、これに伴う樹木管理等を尊重しているところでございますが、玉川上水は本市の緑と水のネットワークの重要な要素として位置づけていることから、安全面に配慮しつつも、豊かな緑環境を維持、保全していただきたい旨を伝えております。
4番目です。地元住民からどのような意見があったのかという御質問であります。令和6年7月に開催された史跡玉川上水整備活用のための作業説明会において、参加した市民の皆様からの意見としては、保全手法や剪定方法、広報に関するものなどがありました。御意見の要旨といたしましては、史跡である玉川上水ののり面崩壊や、見通しの確保などによる安全面の確保について求める声がある一方で、恵まれた自然環境であり、希少な動植物の保護のため、大きく手を入れることへの反対意見もあり、相反する主張が示されております。
5点目です。共有財産として玉川上水の緑を実現していくべきではとの御質問であります。史跡玉川上水の遺構としての貴重性は、将来にわたり、維持、保全が肝要と考えられます。また、清流復活事業による水辺の創出についても保全が必要だと考えておりますが、樹木や草花、生物といった緑については、地域全体の環境資源として、未来へ引き継がれるものと考えております。武蔵野市民緑の憲章では、全ての緑はみんなの財産であるとうたっており、玉川上水の水辺や緑、生物も含め、共有財産として安全に保全し、将来に引き継いでいくものと考えております。
次に、大きな2点目です。大雨災害と地下水浸透についてであります。
1点目、雨水貯留施設や地下浸透施設設置などの対応についての御質問であります。本市ではこれまでも公共施設に雨水浸透ますなどを設置し、また、民間施設に対しましても指導要綱により協力を求めてきた経緯がございます。平成6年には武蔵野市雨水浸透施設助成交付要綱を施行し、個人住宅に対しましても雨水浸透施設設置の推進を図ってまいりました。また、平成17年9月に関東地域を襲った局地的大雨の被害を受け、下水道管渠への雨水流入抑制のため、市立小・中学校17校に合計8,800立方メートルの雨水貯留浸透施設を設置するとともに、道路や公園等にも雨水貯留浸透施設を設置してまいりました。特に、浸水被害の大きかった北町保育園付近につきましては、平成26年度に、保育園の園庭地下に4,500立方メートルの雨水を一時的に貯留することができる大型の雨水貯留施設を設置いたしました。さらに、本市の下水道の約9割が合流式下水道となっているため、平成24年から平成26年度にかけて、合計貯留量1万700立方メートルの合流改善施設、雨水貯留施設の整備を行い、合流式下水道への雨水の流出抑制とともに、雨天時放流水質の改善を図ってきたところでございます。本市における雨水貯留施設や地下浸透施設などの整備は、市域の浸水被害の軽減にとどまらず、下流域の皆様の被害軽減に直接的につながると考えております。今後も雨水貯留浸透施設等の拡充を図り、杉並区をはじめ、関係機関と連携し、善福寺川流域全体の負荷軽減に努めてまいりたいと思っております。
次に、2点目です。旧来からある施設や家屋での現状と対応についての御質問であります。現在、既存住宅への対応といたしましては、各住戸へのPRチラシの配布、訪問、イベント等の啓発等により、雨水浸透施設設置の促進を図っております。また、下水道総合計画における最新の流出係数などの実績値についての御質問でありますが、令和5年度末時点で個別浸透施設等は4万7,568立方メートル、学校・公園等貯留浸透施設は9,403立方メートル、緑被率の向上は24.3%、透水性舗装は8.9ヘクタール、道路浸透ますは299基、流出係数は0.49となっております。
次に、3点目です。雨水管理計画(仮称)の策定の現状についての御質問です。令和6年度から令和8年度の3年間をかけて策定を行います。現状といたしまして、令和8年度の計画策定に向け、令和6年度は下水道施設の整理、水位調査等を行い、次年度に行う浸水シミュレーションに向けた準備を行っております。令和7年度は、浸水シミュレーション等を実施し、雨水出水浸水想定区域の検討を関係各課と行うとともに、令和8年度にかけて浸水対策方針、施策等について検討を行う予定でございます。
次に、4点目です。今以上に雨水浸透を進める計画値にすべきとの御質問でございます。現在策定を進めている雨水管理計画(仮称)におきましては、令和7年度から浸水シミュレーションを予定しております。浸水シミュレーションでは、様々なケースを想定した降雨量に対する浸水リスク評価をし、段階的な目標や対策方針を設定する予定であります。計画値につきましては、この計画策定の中で検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、5点目であります。河川流域の自治体や市民との連携についての御質問であります。土地には限りがあるため、行政だけで事業を推進することは難しく、民間事業者を含めた市民と連携して取り組むことは必要不可欠であると認識をしております。また、様々な機会を通じて、河川流域の自治体、国や東京都とも雨水の地下浸透に関する取組などについて情報共有を図っているところでございます。それぞれが役割分担の下、互いに協力し、広域的に連携していくことは重要であると捉えておりますので、自治体間の関係構築を図りながら事業を推進していきたいと考えております。
以上でございます。