13804◯市 長(小美濃安弘君) 深田貴美子議員の一般質問にお答えをいたします。
まず大きな1点目、東京都六市競艇事業組合についての質問でございます。このたびの火災及び舟券購入につきましては、東京都六市競艇事業組合の委託先であります、一般財団法人日本モーターボート競走会江戸川支部において発生した事象に関することでございますので、その点を踏まえた上で、東京都六市競艇事業組合からの聞き取りによる、分かる範囲でお答えを申し上げます。
1点目の江戸川競技棟の燃料庫において発生した火災についての事故原因と、今後の対応等についての御質問についてでございます。
事故原因といたしましては、消防署並びに警察署の検証の結果、故意性はなく、当該競走会の補助員がボート用燃料混合油を精製するに当たり、燃料制御盤の自動・手動切替スイッチを手動に切り替えてしまったことによる過失、人為的ミスであり、不適切な取扱いが原因であることが判明したとのことでございます。
再発防止対策といたしましては、一般取扱所として許可を受けている燃料庫復旧後の設備面での対策と、運用面での対応、復旧まで使用する仮貯蔵及び仮取扱い時の対応として、設備面での対応と運用面での対応がそれぞれまとめられており、スイッチ方式の変更や火災時の対応などを研修やマニュアル改正などにより厳格に行えるよう、様々な再発防止策をまとめているとのことでございました。
次に、江戸川競艇場に勤務していた一般財団法人日本モーターボート競走会の元職員に関する、その後の状況についての御質問であります。聞き取りの結果、当該男性は昨年9月に競走会を自主退職しており、現在は競走会との関係はないとしながら、競走会として警視庁小松川警察署への状況確認は行っており、今のところ刑の確定等はなされていないようであるとの回答を得たとのことでございました。
次に3番目です。国土交通省から一般財団法人日本モーターボート競走会に対する行政指導、もしくは行政処分の有無についての御質問についてお答えいたします。この点につきましては、東京都六市競艇事業組合に確認したところ、国土交通省海事局総務課長より、令和6年9月13日付にて、「法令遵守の徹底について(注意喚起)」という文書が、ボートレース競走の全施行者及び競走会を含む関係団体に発出されたとのことでございます。
当該文書の内容は、業界を挙げてコンプライアンスの徹底を図っているところであるが、改めて関係者一人一人に法令遵守を徹底させるとともに、組織として速やかに再発防止策を実行すること、法令違反または法令違反が疑われる事案が発生した場合には、速やかに所管省庁への適切な報告を実施するとともに、事案の公表等の対応も的確に実施することといった内容が記載されているとのことでございました。その他、東京都六市競艇事業組合に対しての行政指導、もしくは行政処分等は行われていないとのことでございます。
なお、国土交通省から競走会宛てに、舟券購入、法令遵守に関する行政文書が発出されていることは、関係者を通じて聞き及んでいるとのことでございました。
次に、大きな2番目です。マルチ・スケールな空間計画制度で、実効性のあるグリーンインフラの実現についてということであります。
1点目、善福寺川上流調節池(仮称)の工事についての御質問です。事業の背景と現況につきましては、事業主体となる東京都建設局河川部に確認を行いました。背景についてですが、善福寺川では平成17年9月の豪雨により、床上、床下合わせて約1,700棟の浸水被害が発生したとのことであります。その後においても浸水等の被害が発生していることから、東京都は平成28年3月に、神田川流域河川整備計画を改定し、善福寺川上流域に新たな調節池を位置づけました。その後、令和5年3月に取水地点をこれまでの1か所から3か所に変更する、河川整備計画の改定を行っております。現在は施工方法や工程等の設計について、引き続き進められていると聞いております。
本事業と武蔵野市の下水事業との関連と影響についてですが、市域面積の約60%が善福寺川の流域となっています。善福寺川上流調整池(仮称)の整備によって、豪雨時の河川水を上流域で取水することで下流の水位が下がるため、洪水に対する流域の安全性の向上などが期待されております。本市における雨水貯留施設や地下浸透施設などの整備は、市域の浸水被害の軽減にとどまらず、下流域の皆様の被害軽減に直接的につながると考えております。今後も雨水貯留浸透施設等の拡充を図り、杉並区をはじめ関係機関と連携し、善福寺川流域全体の負荷軽減に努めてまいりたいと思っております。
次に2点目です。国土形成計画の文言についての御質問であります。グリーンインフラとは、国土形成計画では、社会資本整備、土地利用などのハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能である生物の生息・生育の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制などを活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進める取組とあります。
武蔵野市第六期長期計画・調整計画では、良好な景観形成等の効果が期待されるグリーンインフラの整備手法等についても検討するとしています。国土形成計画の文言はありませんが、本計画の趣旨を踏まえた記載であると捉えております。
次に3点目です。建設インセンティブとしての下水道料金の割引や固定資産税減免措置等の導入研究についての御質問であります。雨水は公費、汚水は私費の考え方や、公営企業として老朽化対策などの経営面の点から、私費である下水道使用料を割り引くことは、現状では難しいと考えています。一方で、近年の気候変動による降雨量の増加への対応として、雨水流出抑制の推進を図るためのインセンティブについては、一定程度必要であると考えています。従来の雨水浸透施設及び雨水貯留助成金制度に加え、新たに自然が有する機能を活用した緑化などを伴う雨水貯留浸透施設などについては、助成金制度の対象とできるか、研究を行いたいと考えています。
次に4番目です。都市計画マスタープランを基盤にした統合的な政策設計の研究についての御質問であります。本市の都市計画マスタープランでは、総合的かつ分野横断的な視点により、まちづくりを推進しているものと認識しています。
そのような中、近年の気候変動による降雨の頻発化、激甚化を踏まえ、その対策の必要性は増しておりますので、長期にわたる下水道による浸水対策を実施すべき区域や目標整備水準、施設整備方針等の基本的な事項を定める雨水管理計画(仮称)の策定を進めているところでございます。また、雨水管理計画(仮称)では、下水道施設のみならず、道路における透水性舗装や道路浸透ます、緑地率の向上など、各個別計画と整合を図りながら、分野横断的な方針、施策について検討しております。
次に大きな3点目です。吉祥寺駅南口は早期着工可能な手法で取り組むべきという御質問についてであります。パークエリアに関しては今年度に社会実験や市民講座を実施しており、2月にはシンポジウムを開催いたします。令和7年度には、吉祥寺パークエリアまちの将来像の策定に着手する予定であり、市民等のステークホルダーとの対話を重ねながら、南口が抱える交通課題の解決などに向けて、まちの将来ビジョンをつくり上げていきたいと考えています。将来ビジョンに先行して事業手法を決定できるものでもございませんが、将来像の実現に向けては、様々な事業手法の可能性について調査研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、公会堂の改修についてであります。費用便益や経済波及効果について検討したかという御質問です。令和4年度に策定した武蔵野公会堂改修等基本計画では、改修と建て替えのコスト比較は行いましたが、費用便益や経済波及効果の検討、分析までは行っておりません。しかし、現在はこれからパークエリアの将来像の策定に着手しようという状況ですので、様々な事業手法の可能性がある中で、特定の市街地再開発事業などと比較した経済効果などについては、今回の公会堂の改修工事においては検討できる段階ではないと考えております。
次に、公会堂が現在地で適切なのかという御質問であります。これまでの様々な調査の結果、公会堂は老朽化した設備を早急に更新する必要があるものの、建物の躯体は引き続き活用できる状態でありました。一方で、パークエリアの将来像の検討に一定の年数が必要になるという状況から、有識者会議での意見なども踏まえ、建て替えではなく改修という判断をしたものでございます。したがって、吉祥寺駅前や吉祥寺コピスなどへの移転については、検討時点で移転先の明確な見通しはなく、パークエリアの将来像の検討がこれからという中でしたので、具体的な検討は行っておりません。
また、武蔵野市開発公社がF&Fビル更新事業に係る事業パートナー候補者の公募型プロポーザルの公募をしている件でございますが、F&Fビルは吉祥寺セントラルエリアの中心に位置しており、このエリアのまちづくりに非常に重要な影響を与えると考えております。本件につきましては武蔵野市開発公社が検討を進めているものでございますが、市としてもまちづくりの観点から関与していく予定でございます。報告時期につきましては、適時適切に行ってまいります。
次に、自治体の視察、ヒアリング、研究の実施状況でございます。近隣自治体への現場視察のほか、都市計画などの有識者へのヒアリングなどを通じて、近年のまちづくりなど、幅広く情報収集をしております。
横浜市での市街地再開発事業について、綱島駅周辺の公共課題の解決や将来ビジョンを実現するために選択された事業手法であると推察いたします。議員がおっしゃるとおり、他の自治体への視察等をはじめとした調査、研究につきましては、今後も引き続き行ってまいります。
続きまして、組織の体制強化の構想とスケジュールについての御質問です。組織体制につきましては、令和2年度に都市機能再構築担当課長の職を設置し、令和6年度には職員を増員するなど、執行体制の強化に努めてきたところでございます。吉祥寺パークエリアのまちづくりについては、現在、第二次調整計画でも議論が行われておりますが、来年度からの将来像策定の着手に向けて、市民との対話を予定しております。今後の市民等との将来像の策定進捗を見ながら、引き続き適切な執行体制について検討してまいります。
以上であります。