4785 令和5年武蔵野市議会会議録第1号
(第1回定例会)
2月20日(月曜日)
○出席議員(26名)
1番 道 場 ひでのり君 2番 小 林 まさよし君
3番 大 野 あつ子 君 4番 桜 井 夏 来 君
5番 品 川 春 美 君 6番 宮 代 一 利 君
7番 本 多 夏 帆 君 8番 ひがし まり子 君
9番 木 崎 剛 君 10番 浜 田 けい子 君
11番 落 合 勝 利 君 12番 内 山 さとこ 君
13番 山 本 あつし 君 14番 藪 原 太 郎 君
15番 蔵 野 恵美子 君 16番 きくち 太 郎 君
17番 土 屋 美恵子 君 18番 与 座 武 君
19番 小美濃 安 弘 君 20番 橋 本 しげき 君
21番 本 間 まさよ 君 22番 山 本 ひとみ 君
23番 下 田 ひろき 君 24番 西園寺 みきこ 君
25番 川 名 ゆうじ 君 26番 深 沢 達 也 君
○欠席議員
な し
○出席説明員
市 長 松 下 玲 子 君 副 市 長 伊 藤 英 穂 君
副 市 長 恩 田 秀 樹 君 教 育 長 竹 内 道 則 君
監査委員 名古屋 友 幸 君 総合政策部長 吉 清 雅 英 君
行政経営担当部長 小 島 一 隆 君 総務部長 藤 本 賢 吾 君
財務部長 小 島 麻 里 君 税務担当部長 河 戸 直 也 君
市民部長兼交流事業担当部長 田 川 良 太 君 市民活動担当部長 毛 利 悦 子 君
防災安全部長 稲 葉 秀 満 君 環境部長 大 塚 省 人 君
健康福祉部長 山 田 剛 君 保健医療担当部長 一ノ関 秀 人 君
子ども家庭部長 勝 又 隆 二 君 都市整備部長 荻 野 芳 明 君
まちづくり調整担当部長 福 田 浩 君 水道部長 関 口 道 美 君
教育部長 樋 爪 泰 平 君
○出席事務局職員
事務局長 清 野 聡 君 事務局次長 村 瀬 健 大 君
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○議事日程第1号
令和5年2月20日(月曜日) 午前10時 開議
第1 会議録署名議員の指名
第2 会期の決定
第3 諸報告
第4 議案第22号 令和5年度武蔵野市一般会計予算
第5 議案第23号 令和5年度武蔵野市国民健康保険事業会計予算
第6 議案第24号 令和5年度武蔵野市後期高齢者医療会計予算
第7 議案第25号 令和5年度武蔵野市介護保険事業会計予算
第8 議案第26号 令和5年度武蔵野市水道事業会計予算
第9 議案第27号 令和5年度武蔵野市下水道事業会計予算
第10 議員提出議案第1号 武蔵野市議会個人情報の保護に関する条例
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4786 ○午前10時00分 開 会
◯議 長(土屋美恵子君) ただいまより令和5年第1回武蔵野市議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
直ちに議事に入ります。本日の議事は日程第1号をもって進めます。
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
今期定例会の会議録署名議員は、会議規則第65条の規定により議長において、3番大野あつ子さん、6番宮代一利さん、9番木崎 剛さん、以上3名を指名いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4787◯議 長(土屋美恵子君) 次に、日程第2 会期の決定を議題といたします。
お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から3月27日までの36日間といたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
4788◯議 長(土屋美恵子君) 異議ないものと認めます。よって、今期定例会の会期は36日間と決定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4789◯議 長(土屋美恵子君) 次に、日程第3 諸報告を行います。
局長に報告させます。
4790◯事務局長(清野 聡君) 報告いたします。令和5年2月13日付で市長より議長宛て、2月20日に令和5年第1回武蔵野市議会定例会を武蔵野市役所に招集する旨の通知と武蔵野市固定資産評価審査委員会委員の選任の同意についてほか27件の議案の送付がありました。
以上です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5武総総第21号
令和5年2月13日
武蔵野市議会議長 土 屋 美恵子 殿
武蔵野市長 松 下 玲 子
令和5年第1回武蔵野市議会定例会の招集について
このことについて、別紙の告示写しのとおり招集したので、通知いたします。
………………………………………………………………………………………………
写)
武蔵野市告示第28号
令和5年第1回武蔵野市議会定例会を、次のとおり招集する。
令和5年2月13日
武蔵野市長 松 下 玲 子
1 期 日 令和5年2月20日
2 場 所 武蔵野市役所
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5武総総第25号
令和5年2月13日
武蔵野市議会議長 土 屋 美恵子 殿
武蔵野市長 松 下 玲 子
議案の送付について
令和5年第1回武蔵野市議会定例会に提出する下記の議案を、別添のとおり送付します。
記
議案第1号 武蔵野市固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について
議案第2号 武蔵野市固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について
議案第3号 武蔵野市公の施設の指定管理者の指定の手続等に関する条例の一部を改正する条例
議案第4号 武蔵野市情報公開・個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例
議案第5号 武蔵野市情報公開・個人情報保護審議会条例の一部を改正する条例
議案第6号 武蔵野市子どもの権利条例
議案第7号 武蔵野市子どもプラン推進地域協議会条例の一部を改正する条例
議案第8号 武蔵野市立保育園条例の一部を改正する条例
議案第9号 武蔵野市一時保育事業の実施に関する条例の一部を改正する条例
議案第10号 武蔵野市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例
の一部を改正する条例
議案第11号 武蔵野市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する
条例
議案第12号 武蔵野市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改
正する条例
議案第13号 武蔵野市福祉型住宅管理条例の一部を改正する条例
議案第14号 武蔵野市中小規模事業者事業資金融資あっせん条例の一部を改正する条例
議案第15号 武蔵野市教育委員会の所管する計画の策定に関する審議会設置条例
議案第16号 武蔵野市給水条例の一部を改正する条例
議案第17号 人身事故に係る損害賠償の額の確定及び和解について
議案第18号 令和4年度武蔵野市一般会計補正予算(第6回)
議案第19号 令和4年度武蔵野市国民健康保険事業会計補正予算(第2回)
議案第20号 令和4年度武蔵野市後期高齢者医療会計補正予算(第1回)
議案第21号 令和4年度武蔵野市介護保険事業会計補正予算(第2回)
議案第22号 令和5年度武蔵野市一般会計予算
議案第23号 令和5年度武蔵野市国民健康保険事業会計予算
議案第24号 令和5年度武蔵野市後期高齢者医療会計予算
議案第25号 令和5年度武蔵野市介護保険事業会計予算
議案第26号 令和5年度武蔵野市水道事業会計予算
議案第27号 令和5年度武蔵野市下水道事業会計予算
議案第28号 武蔵野市国民健康保険条例の一部を改正する条例
4791◯議 長(土屋美恵子君) 以上をもって諸報告を終わります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4792◯議 長(土屋美恵子君) 次に、日程第4 議案第22号 令和5年度武蔵野市一般会計予算、日程第5 議案第23号 令和5年度武蔵野市国民健康保険事業会計予算、日程第6 議案第24号 令和5年度武蔵野市後期高齢者医療会計予算、日程第7 議案第25号 令和5年度武蔵野市介護保険事業会計予算、日程第8 議案第26号 令和5年度武蔵野市水道事業会計予算、日程第9 議案第27号 令和5年度武蔵野市下水道事業会計予算、以上6議案を一括して議題といたします。
まず、令和5年度予算編成方針について並びに令和5年度各会計予算について、提出者の説明を求めます。
(市 長 松下玲子君 登壇)
映像ID: 2395
第5 議案第23号 令和5年度武蔵野市国民健康保険事業会計予算
第6 議案第24号 令和5年度武蔵野市後期高齢者医療会計予算
第7 議案第25号 令和5年度武蔵野市介護保険事業会計予算
第8 議案第26号 令和5年度武蔵野市水道事業会計予算
第9 議案第27号 令和5年度武蔵野市下水道事業会計予算
第10 議員提出議案第1号 武蔵野市議会個人情報の保護に関する条例
4793◯市 長(松下玲子君) 本日ここに令和5年第1回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、御健勝にて御参集いただき、心より御礼申し上げます。
それでは、ただいま上程されました令和5年度の各会計予算を提案するに当たり、市政に関する基本的な考え方並びに予算の規模及び特色を御説明申し上げ、市民の皆様並びに議員の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
初めに、市政運営の基本的考えについて申し述べます。
新型コロナウイルス感染症の発生から3年が経過し、武蔵野市新型コロナウイルス感染症対策本部会議の開催回数は110回に及んでいます。対策本部会議では、感染拡大防止や生活支援、経済支援などの視点から、様々な議論を行った上で具体的な対策を決定してまいりました。この間の市民の皆様の取組に、心から感謝を申し上げますとともに、新型コロナウイルスに感染し療養中の方々にお見舞い申し上げます。また、日々感染リスクと向き合いながら、懸命に現場で御尽力されている医療関係者の皆様や、私たちの生活を支えるため、サービスの提供に従事されている事業者、各種団体の皆様に感謝申し上げます。
国の方針見直しにより新型コロナウイルス感染者の全数把握が行われない現在では、正確な感染者数は明らかになりません。しかし、いまだ続くコロナ禍において、感染拡大防止対策と生活・経済対策の両面から取り組み、さらには物価高騰という難局を、市民の皆様と共に力を合わせて乗り越えてまいりたいと思います。
今後も国のワクチン接種の方針や新型コロナウイルス感染症の取扱いの変更など、状況を把握しつつ臨機応変に対応してまいります。本年も、皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2月末で1年が経過します。戦争と戦争犯罪により多くの貴い人命が奪われ、そして今なお続いているという恐ろしい現実に心が痛むと同時に、強い憤りを感じます。一日も早い終戦と平和がウクライナに訪れることを願ってやみません。
ロシアのウクライナ侵攻により明らかになったことは、一たび戦争が起きると、終結はとても難しいという事実です。戦争は簡単には終わらせることができないからこそ、絶対に始めてはいけません。いかに戦争をしないか、戦争にならないかを考え、行動しなければならないのです。
国際情勢の大きな変化や、コロナ禍の変化からも外交・安全保障政策をどうしていくかは、私たち自身の問題でもあり、外交努力や話合いで、戦争にならないように努めなければならないと考えます。日本は戦争がもたらした悲惨な歴史から学び、日本国憲法第9条に戦争の放棄を規定しました。憲法は人権を守ると同時に、国家権力を縛る力を持ちます。
武蔵野市では非核都市宣言平和事業実行委員会との共催で、様々な平和事業を行っています。昨年の8月には市内の中学生・高校生が被爆地長崎市を訪れ、長崎平和推進協会が実施する青少年ピースフォーラムに参加しました。未来を担う若い世代を含む多くの市民の皆様と共に、今後も積極的に平和活動に取り組み、一人一人の思いや行動で戦争のない平和な社会をつくるための努力を続けてまいりたいと考えています。
武蔵野市は、昨年11月に市制施行75周年を迎え、これを機に、市政運営の基本的なルールなどを明文化した武蔵野市自治基本条例への理解が広がるよう、周知活動に取り組みました。その一環として自治基本条例のポイントを分かりやすく記載したリーフレットの全戸配布や自治基本条例に関するシンポジウムを開催したほか、現在は若手職員チームが製作したPR動画も公開しています。こうした周知活動で心がけていることは、市政情報を分かりやすく市民の皆様にお伝えすることです。1年前、令和4年度施政方針「市政運営の基本的考え」の中で、「伝える」「伝わる」広報を心がけていきたいと思うと述べました。1年を通じて、「伝える」だけではなく「伝わる」ための工夫を凝らし、情報の受け手である市民の皆様がどのように感じるか、受け取るかということをできるだけ考えるようにしてまいりました。「伝える」「伝わる」は、広報に限らずコミュニケーションを取る上で欠かせないことと実感しています。市民の皆様の立場に立って、正しい情報を適時適切なタイミングで、分かりやすく、親しみやすくお届けできるかはこれからも追求し続けるべき課題です。
とりわけ難しく分かりにくい行政用語の例を挙げると「地域包括ケアシステム」という言葉がありますが、これを「まちぐるみの支え合いの仕組みづくり」と言い換えるなど、難しいまま使用するのではなく、聞いた人が理解しやすい言葉を用いて説明するなど、市民の皆様と情報を共有して、より市民参加が進むように、工夫してまいりたいと思います。
昨年、お招きいただき参加した板橋区でのシンポジウムで、元厚生労働事務次官の村木厚子さんのお話を伺いました。村木さんは何かを伝えたい、知ってほしいというときにどうするかというお話の中で、「手を替え品を替え、あの手この手で伝えることが大切」とおっしゃっていました。本市においても、大切なことは何度でも繰り返し、様々な手法で伝える努力を続けてまいりたいと思いました。
武蔵野市自治基本条例の「計画に基づく市政運営」の大原則に基づき、昨年から第六期長期計画・調整計画の策定が始まり、今月には討議要綱を公表しました。パブリックコメントや意見交換会を通じて、より多くの御意見をお聴きしたいと思います。ぜひ、多くの皆様の積極的な御参加をお願いいたします。
市民の皆様との意見交換や議論を重ねる中で、改めて自治基本条例とは自治の主体、主権者である市民のためのまちづくりのルールであるという認識を持ちました。自治基本条例が「自治体の憲法」と言われるゆえんは、市民が自治の主体、主権者であることを大前提として、自治の基本原則を定めたことにあるとの思いを強くしています。
昨年以来、自治体主催としては全国初の武蔵野市気候市民会議に注目が集まり、テレビのニュースや新聞でも数多く取り上げられました。今年の元日には、毎日新聞の社説において、今まさに民主主義自体が危ぶまれている中にあって、地方からの期待すべき動きとして御紹介いただいています。
気候市民会議は市民が生活者としての視点で、地球温暖化対策について話し合うための会議で、一昨年、2期目の市長選挙で公約に掲げました。市民の方にも参加していただき公約づくりを行う中で、気候市民会議を武蔵野市で実現しようと話題になったことがきっかけです。気候市民会議の取組の前例を調べる中で、地球温暖化対策や気候危機打開のためには自治体が旗を振るだけではなく、市民自らが考え自分にできることに取り組むことに意味や意義があると考えて公約に掲げました。市長就任後に早速、気候市民会議の参加者を募る方法について職員とも議論を重ね、公募により自ら手を挙げた人のみならず、「無作為抽出」という方法を採用することに決めました。気候市民会議で出た意見などを踏まえ、市として「気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)」を作成し、市民の皆様の理解を深め、取組につなげていきたいと考えています。
「無作為抽出」とは、分かりやすく言えば、くじ引きで参加者を決める方法です。自ら希望して参加する市民が、気候問題への関心が高いのに比べ、無作為抽出で選ばれる市民の関心の度合いは一様ではありません。関心の度合いが様々な市民同士が議論することで、より市民の関心、心情に近い議論ができる可能性があります。
無作為に選ばれた市民が討議を行い、その結果を行政の意思決定や政策に反映させる、くじ引き民主主義による熟議が、多様な意見を集めるために有効と考えられています。武蔵野市の取組は、そうした点からも注目されているのだと思います。今年1月4日の北海道新聞の社説の中でも、「新たな民意探る試み」と題して武蔵野市気候市民会議が紹介されています。実際に会議を傍聴されて、「『節水や節電は若者でもできる』『公立校でもっと環境教育を』こんな意見を交わす女子高生2人の隣で、中年の男性がフランス出身の男性と住宅の断熱化について語り合っていた」と昨年11月の気候市民会議の一幕を御紹介いただき、最後は「市民会議は、既存の代議制では解を出せない閉塞感を打破するために、異なる仕組みで新たな民意を探り出す試みと言えよう。」と締めくくられています。
市民の皆様一人一人の声をいかに聴き、政策に反映させるか。熟慮と熟議を通じて論点を明らかにし、合意形成を図ることができるか。意思決定過程をできるだけ公に明らかにすることで、より納得感のある市政運営に努めたいと思います。そして、コロナ禍、世界情勢や国政の民主主義軽視の動きに不安を抱くとともに、憤りを感じますが、そのような中にあっても市民の皆様に身近な市政において、焦らずおごらず諦めずに、今年も精いっぱい、明るく楽しく共感の輪を広げ、様々な課題の解決に向けて取り組んでまいりたいと思います。
多様性を認め合う支え合いのまちづくりについて。
昨年10月、公益社団法人経済同友会は政策提言「『生活者共創社会』で実現する多様な価値の持続的創造─生活者(SEIKATSUSHA)による選択と行動─」を公表し、その中で次のように述べています。「失った30年は政治・行政・企業による不作為 日本が抱える未解決の課題には、かねてより指摘され対策論議も尽くしたにも関わらず実行・実現できていないものや、想定外であったとはいえ対処が遅れたものなどが多い。戦後日本は焦土からの復興を遂げ、1968年には世界第2位の経済大国となった。その後の高度経済成長やバブル経済崩壊を経た2010年、実に42年にわたって維持してきた第2位の地位を中国に明け渡すこととなった。振り返ってみれば、バブル崩壊後、成熟経済期を迎えた日本は、社会のあり方を自ら変革すべきであったが、変わらなかった、変われなかったことについては、不作為があったと言えるのではないだろうか」
低迷する日本経済を「失われた30年」ではなく、「失った30年」としているのです。日本が抱える未解決の課題を認識しながらも、その解決に向けて自ら主体的に関わってこなかった不作為の結果と捉え、反省の意味を込めて「失った」と他人事ではなく自分事としているようです。つまり「失った30年」とは、時代の変化、人々の変化に対応できずにいたことや、多様な考え方、価値観を大切にしてこなかったことに大きな理由があるのではないかと思われます。
例えば「選択的夫婦別姓」も「同性婚」も日本ではいまだに認められていません。この30年間の様々な調査を拝見すると、選択的夫婦別姓への支持は増え、制度の是非を問う段階から、いつ成立するのかという段階に進んでいるとも思えます。誰も不幸にせず、困っている人を助けることができるのに、政府与党内にも賛成者がいるにもかかわらず、一部の反対者の意見で法改正は行われず制度が実現されることなく、今日に至ります。武蔵野市では国で法改正がされないために、不利益を被っている人たちを少しでも支えようと、令和4(2022)年4月にパートナーシップ制度を確立しました。同性同士の関係だけでなく、事実婚関係の異性のカップルも利用できることが武蔵野市のパートナーシップ制度の特徴です。市としてできる範囲で努力をしていますが、やはり一日も早く法改正がなされて、誰も取り残さず、別姓を希望する人は別姓を選ぶ選択的夫婦別姓制度や、同性婚の制度が確立されることを切に願います。社会のあらゆる場面で困り事を発見し、課題解決に取り組む中で多様性を重視し、違いも認め合っていくことにより、個人の幸福感が増し、社会に活力がみなぎるのだと思います。「失った30年」において、多様な考え方や価値観を大切にしてこなかったため、社会が変わることなく個人の負担や困り事が増えてしまったのではないかと思えてなりません。武蔵野市から多様性を認め尊重し合う平和な社会の実現に向けて、できる取組を進めたいと思います。
未来ある子どもたちが希望を持ち健やかに暮らせるまちづくりについて。
市長に就任以来、一貫して「子ども子育て応援宣言のまち武蔵野」を目指し、子どもと子育て家庭への支援に取り組んでいます。折に触れ、年間出生数と合計特殊出生率の推移についてお話しし、少子高齢社会への対応を最重要課題と位置づけて、保育園の待機児童対策や使用済み紙おむつの保育園での処理、子どもの医療費助成事業の拡充など、武蔵野市でできることを国や都に先駆けて取り組んでまいりました。日本の昨年1年間に生まれた子どもの数は過去最少、80万人を割り込む見通しであると言われています。急速な人口減少が社会に与える影響はとても大きく、子どもと子育て家庭への支援は、子育てをしている保護者のみならず、社会全体で取り組むものと発想を転換し、政策を大胆に変えなければ、今の制度のままでは瞬く間に立ち行かなくなってしまいます。子育て支援策は経済・産業振興政策でもあり、保育園待機児童対策はまさに子育てをしながら働く人々を支え、産業振興につながる事業だと切に思います。つまり、子育て支援は社会全体で、皆で支え合いながら取り組むものであり、まさに公共的な事業と言えるのではないでしょうか、公共事業として取り組んでいかなければならないはずです。
学童クラブは児童数と入所率の増加により、クラブ室を増やす対応を取っていますが、市立小学校内に設置している学童クラブのクラブ室を増やすことはなかなか難しく、昨年新たに民間学童クラブ2施設の開設を支援いたしました。年度途中での新設でしたが、新年度入所に向けてお申込みをいただいています。武蔵野市では私立や国立の小学校に通う児童も市立小学校内の学童クラブに入所いただいていますが、民間学童クラブの開設により、利用者にお選びいただける選択肢を増やすことができたと思います。また、現状小学校3年生まで待機児童を出さない方針で学童クラブ事業を行っていますが、民間学童クラブでは高学年の児童にも対応しており、希望により選択いただけると思います。今後も利用者のニーズや利用状況を把握しながら、就学後の放課後児童対策を行ってまいります。
子どもの最善の利益を尊重する社会の実現に向けて、武蔵野市子どもの権利条例を制定することでより一層の取組を推進するために、今市議会定例会に議案を提出いたします。令和3(2021)年5月に武蔵野市子どもの権利に関する条例検討委員会を設置し、2か年度にわたる活発な御議論、御検討をいただきました。また、昨年5月と11月に、パブリックコメント手続や市民意見交換会などを実施し、この2回を合わせて3,200件を超える多くの意見をいただきました。そのうち当事者である子どもたちからは、1,700件を超える意見が寄せられ、条例制定の必要性をさらに強く感じています。子どもたちから意見を聴取するに当たり、市内在住、在学の小・中・高校生に分かりやすい概要版のチラシを配布したり、市立の小・中学校の児童生徒に貸与している学習者用コンピューターを活用したりするなど、子どもが安心して自由に意見を出すことができるよう様々な工夫を凝らしました。子どもからの自由意見の一つ一つを拝見すると子ども自身が子どもの権利について知り、真剣に考えてその思いを伝えてくれていることが分かりました。「遊具やボールで遊べる公園や、遊んだり勉強したりできる場所が欲しい」という意見が多数ありました。「学校ではいじめとまではいかなくとも、ちょっと嫌な思いをすることがある」「試験の結果が悪くて親から怒られてつらい」「相談できる場が欲しい」などとても貴重な意見をたくさんいただくことができました。また、中学生と直接話す中では、「試験前に学校に残って勉強できる場所が欲しい」という要望もありました。今市議会定例会に提出する武蔵野市子どもの権利条例案の前文に掲げる「子どもたちのことば」には、権利の主体である子どもたち自身が考えた気持ちや願いが込められています。今後も一人一人の子どもの気持ちや願いを尊重し、子ども自身が自分のことを大切に思い、幸せを感じられるよう、地域社会全体で子どもに優しいまちづくりを推進してまいります。
コミュニティを育む市民自治のまちづくりについて。
3年間に及ぶコロナ禍で、私たちは様々な制約を余儀なくされました。その中でもコミュニティセンターでは、感染防止のための市の公共施設の利用基準に基づき、定期的な換気や消毒など施設の状況に応じた対策に取り組んでいただきました。この間のコミュニティ協議会や利用者の皆様の取組に感謝申し上げます。国の示す基準等に基づき利用基準は順次緩和をしておりますが、新型コロナウイルスが全くなくなることはないと思われますので、これからもウイルスと共存しながら日常活動や経済活動を止めることなく、工夫しながらの生活を続ける必要があります。コロナ禍によって人と人とのつながりが希薄になり、直接のコミュニケーションが減少していることでの弊害も現れていると思われます。しかし、身近なコミュニティで直接交流しながら、仲よく楽しく活動することで地域の課題解決にもつながり、何より人と人が知り合うことで、いろいろな可能性が広がっていきます。昨年はコミュニティセンターにWi-Fiを導入し、通信環境を整備しました。オンラインのよさを取り入れつつ、対面のコミュニケーションも大切にしながら、豊かなコミュニティを育んでいただきたいと思います。
新たな市民参加の権利として自治基本条例で定められた住民投票制度について、本市の市民自治にふさわしい制度とするため、有識者や市民の意見を参考に論点整理を行います。そもそも住民投票制度とはどういうものか、例えば、自治基本条例に基づく住民投票制度は、選挙や地方自治法等に基づく住民投票制度とは全く異なることなど、本市の制度について、市民の皆様に知って考えていただけるように努めます。
このまちにつながる誰もが住み・学び・働き・楽しみ続けられるまちづくりについて。
昨年は都立武蔵野中央公園で農産物品評会とCO+LAB MUSASHINO(コラボむさしの)事業を同時開催しました。品評会は3年ぶりの開催となりましたが、品評会終了後の農産物販売を求めて多くの皆様に御来場いただき、長蛇の列ができていました。生産者の皆様は、農産物を心を込めて育てられ、自然と向き合いながら品評会に合わせて一番よい状態になるように苦心されていらっしゃいます。そして早朝から収穫し、武蔵野中央公園に農産物の数々が集まりました。色とりどり、すばらしい農産物を拝見し、身近に農ある暮らしが潤いや喜びをもたらすことを感じました。CO+LAB MUSASHINOは、昨年からまずは試行事業として武蔵野商工会議所等と共に始めた市内の様々な事業を連携する取組です。昨年は、「食と農のおいしい出会い」をテーマとして市内産の農産物を市内事業者に活用していただき、できた商品を市民の皆様に提供しました。イベントでは事業成果のお披露目として一部の商品を販売しましたが、こちらも長蛇の列ができていて、早くに売り切れて食べられなかった方も多数いらっしゃったようです。「食と農のおいしい出会い」はイベントそのものが目的ではなく、継続してお店で販売していただけるよう、市等が間に入り、農家見学会等を通じて市内産農産物の魅力を知っていただき、直接事業者同士が交流できるきっかけづくりを行うなど、事業者と生産者の出会いをサポートする取組です。今後もこのプロジェクトを契機に事業者同士が相互に連携し、新たな商品開発や事業を始める仕掛けづくりの場を提供してまいります。
農業ふれあい公園や吉祥寺東町農業公園でも収穫イベントがあり、久しぶりに市民が農に触れることのできる事業が行われた昨秋でした。食と農への関心を高め、「生きることは食べること」「おいしく食べて健康な身体をつくること」「地産地消でフードマイレージを小さく」「農業の脱炭素化で持続可能な食を」など食に関する様々なテーマを考えてまいります。
改めて様々なイベントが制約を受けたコロナ禍を、人と人のつながりを育む様々なイベントや事業を見直すきっかけとして捉え、行政が取り組む意味や目的を整理し、検討を進めてまいります。
子どもたちの学びの場を充実する取組を進めています。市立小学校では「教科担任制」を進め、市独自で採用するいわゆる市講師の方々に、専門性の高い教育を行っていただいています。高学年の児童にとっては、外国語、理科、体育、家庭、書写などを担任以外の先生から学ぶ機会を増やすことで、より質の高い教育が受けられ、担任にとっては余裕時間を生み出すことで子どもたちに向き合う時間のほか、授業準備や研究にかける時間を増やすことができます。市講師の採用については、5年前に市長に就任して以来継続して取り組むことで、学校現場でも評価を得てきたため、今後もさらに進めてまいります。学校図書館は単に本を借りたり読んだりするだけではなく、子どもたちの学校内の教室以外の居場所や試験前など放課後の自習場所として、より活用していきたいと考えます。そのため学校図書館サポーターの名称を学校司書と変更し、勤務時間等を拡充するとともに、学校図書館を利用する児童生徒の対応や教員との連絡調整等の役割を充実させてまいります。
限りある資源を生かした持続可能なまちづくりについて。
公共駐輪場の利用方法を見直して3年、ようやく市内の公共駐輪場全ての定期利用が3年使用制限制度から1年ごとの契約となり、定期利用と一時利用の割合を調整することができます。かつて武蔵野市では、市内3駅で駅周辺に放置自転車があふれた時代がありました。平成3(1991)年度、国の調査で、吉祥寺駅周辺の買物時間帯(午後3時から午後4時まで)における放置自転車台数が4,949台で全国ワースト1位になるという不名誉な経験などは、今では信じられませんが、放置自転車対策は市の最重要課題という時期もあったのです。その後駅周辺における公共駐輪場の整備や、放置自転車に対する指導・警告・撤去、商店会や関係団体等との連携などの対策に継続して取り組んだ結果、現在では放置自転車は大幅に減少しました。しかし、次なる課題として、定期利用契約は100%に近い状況にあるものの、利用頻度が低く、空きがあるのに対し、一時利用は常に満車で自転車を止めたくても止めることができないという状況が起きていました。その理由の一つとして、例えば一度定期利用契約をした方は、月額1,500円で無期限的に特定の定期利用の公共駐輪場を借り続けられるため、毎日利用しなくとも、月に数回利用するだけでも一時利用と比較して低額な状況がありました。つまり定期利用契約したものの、実際には利用頻度が少ないため定期利用の公共駐輪場が空いているという現象が起きてしまっていたのです。一方、定期利用契約ができなければ、一時利用の公共駐輪場を毎日通勤や通学で使うことになるため、一時利用の公共駐輪場はほぼ満車となり、朝遅めの時間帯や日中に買物や通院等で利用したい方が利用できないという結果をもたらしていました。自転車を利用する全ての皆様が目的や利用時間に応じて、必要なときに利用できる公共駐輪場となるように時間をかけて利用方法の見直しを行い今日に至ります。公共駐輪場対策はこれで終わりではありません。駅前や周辺で土地をお借りして運営している規模の小さい公共駐輪場は、いつ所有者から返還を求められるか分からず、安定的ではないため、集約化と恒久化が必要と考えます。同時に駅周辺の産業振興や交通安全対策などまちづくりの視点も踏まえて、公共駐輪場の再編を行っており、今後も継続して取り組んでまいります。吉祥寺東部地区や三鷹駅北口エリアのまちづくりにおいても、公共駐輪場の再編等を行いながら、利便性や安全性の高い、より歩行者中心の魅力的なまちづくりを行ってまいります。
公共施設の建て替えや大規模改修等、一つ一つをここで取り上げることはできませんが、それぞれ進捗状況を踏まえて、適時適切に情報共有を行った上で意思決定を諮り進めてまいります。第六期長期計画・調整計画策定に向けた取組の中でも、今後の方向性や方針を決めるべく課題については、しっかりと議論をしてまいりたいと思います。
コロナ禍を3年経験してさらに、人は一人では生きていけないということを痛感しています。人と人が出会い、交流し、支え合い、学び合い、励まし合って生きていると実体験から感じています。顔が見えない中で、匿名性の高いネット社会ではばり雑言を浴びせたり、誹謗中傷やうそが飛び交ったりする現実があり、悲しく思います。面と向かってであれば絶対に言わないと思われる言葉も匿名の仮想空間では日常的に飛び交っています。名誉毀損や誹謗中傷などに関してプロバイダーへの開示請求が容易にもなっていますが、個人が開示請求や代理人を立てて争い訴訟を行うことはまだまだハードルが高く、インターネット上のリテラシーやマナー向上が望まれます。メタバース、仮想空間やDXといったこれまでとは全く異なる手法や価値観に接し、新たに変化していくこと、大切に守り継続することを取捨選択しながら事業を進めてまいります。
人は一人一人違うからこそ、その違った個性がぶつかり合う中で新たな価値や文化が生まれ育まれているのだと思います。違いを認め合い、悩みや不安は一人では抱え込まずに共有し、共に乗り越えていきたいと思います。感染防止と生活・経済活動の継続は生きていく上では不可欠です。目に見えないウイルスと闘いながらも、差別や偏見を持たずに尊厳ある生を一人一人が全うするために、公の役割を果たしていきたいと思います。市民の皆様と共に誰も取り残さない支え合いのまちづくりを推進してまいります。
続きまして、令和5(2023)年度の主要な施策について申し述べます。
第1は、健康・福祉についてです。
まちぐるみの支え合いを実現するための取組について。
新たに設置する健康福祉施策推進審議会において、令和4(2022)年度に実施した各種実態調査等の結果を踏まえ、第4期健康福祉総合計画・第6期地域福祉計画・第2期成年後見制度利用促進基本計画・再犯防止推進計画、高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画、障害者計画・第7期障害福祉計画及び第5期健康推進計画・食育推進計画・自殺総合対策計画を策定します。
令和4(2022)年度から健康長寿のまちを推進するため、9月を「健康長寿のまち武蔵野推進月間」と定めました。令和5(2023)年度も「楽しく!元気に!長生き!!」をスローガンとして、高齢者を中心に幅広く市民への認知症及びフレイル予防の普及啓発をし、健康づくりを実践できるきっかけづくりとなる講演会等の様々な事業を実施します。
国民健康保険被保険者の健康寿命の延伸と国民健康保険事業の適正な運営を目指し、データヘルス計画・特定健康診査等実施計画の改定を行います。
心のバリアフリー出前講座、障害者差別解消法に係る講演会、親なき後講座等の実施を通して、障害のある方への理解を深める取組や権利擁護を推進するほか、地域生活支援拠点の整備を進め、誰もが安心して暮らせる支え合いのまちづくりに取り組みます。
生命と健康を守る地域医療充実への取組と連携の強化について。
令和2(2020)年度より毎年東京都に対し、保健所の体制強化を要望しております。引き続き多摩府中保健所武蔵野三鷹地域センターを感染症対策の機能を有する支所として拡充することを要望していきます。
新型コロナウイルスに感染した疑いのある市民が、身近な医療機関でPCR検査を受けられるよう、引き続き体制を整備するとともに、感染拡大防止対策として、重症化するリスクの高い高齢者施設及び障害者施設の利用者及び職員のPCR検査等を実施した事業者に対して、その費用を助成します。
新型コロナウイルス感染症の自宅療養者支援については、感染状況や国及び都の動向を踏まえつつ、必要な支援を実施します。
新型コロナウイルスワクチン接種については、市民の生命及び健康を守るため、国が示す方針に従って実施します。
将来的な国民皆歯科健診を見据え、40歳以上の市民全員に歯科健康診査受診券を発送することで、健診を受けやすい環境を整え、健診をきっかけとしたかかりつけ歯科医の推進を図ります。
安心して暮らし続けられるための相談支援体制の充実について。
「8050問題」やひきこもり等多様かつ複合的な課題を抱える方からの相談窓口として、令和3(2021)年4月に設置した福祉総合相談窓口では、引き続き個々の相談に対し分野横断的に関係機関と連携しながら課題の解決に向けた包括的・継続的支援を行います。
多様な課題を抱えた生活困窮者に対し、包括的な相談支援を実施し早期自立を支援します。生活困窮世帯の子どもを対象とした学習支援事業の実施、住居確保給付金の支給のほか、生活困窮者への市独自の支援策として住居契約更新料給付金及び特別就職支援金の支給を引き続き行います。
医療的ケアが必要な子どもの家族からの相談や関係機関につなぐ役割などを担う「医療的ケア児コーディネーター」を配置します。
認知症高齢者や介護者が安心して暮らせるよう、認知症に関する普及・啓発を行うとともに、認知症初期集中支援チームの設置、相談・見守り支援事業の充実により在宅生活を支援します。
高齢者本人が急病などで一時的な支援が必要な場合に、ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯及び障害等がある65歳未満の方がいる世帯に対してレスキューヘルパー(高齢者等緊急訪問介護)事業を引き続き実施します。また、高齢者本人・家族が新型コロナウイルスに感染し自宅療養となった際には、感染症対応レスキューヘルパーを派遣します。
福祉人材の確保と育成に向けた取組について。
地域包括ケア人材育成センターの運営については、公益財団法人武蔵野市福祉公社に委託し、人材養成事業、研修・相談事業、就職支援事業、事業者・団体支援事業を柱に、福祉サービスを担う人材の確保・育成を一体的、総合的に行います。
「ケアリンピック武蔵野」の開催を通して、介護・看護事業者における先進的な取組を共有し、サービスの質の向上を図ります。また、介護・看護職員が誇りとやりがいを持って働き続けられるよう支援します。
介護職等の人材確保のため、市内の介護施設や障害者施設等に就職する方に対し、引き続き介護職・看護職Reスタート支援金を給付します。
新しい福祉サービスの整備について。
保健センターの増築及び大規模改修を行い、保健衛生機能の充実を図った上で、子どもと子育て家庭への支援施設を含む複合施設として整備します。令和5(2023)年度は前年度から引き続き基本設計を行い、実施設計に着手します。
中・重度の要介護者の医療ニーズに対応するため、高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画に基づき、吉祥寺南町3丁目の市有地を活用した看護小規模多機能型居宅介護を整備・運営する事業者を公募により選定します。
高齢者総合センターについては、第2期公共施設等総合管理計画及び保全改修計画に基づく大規模改修工事を行うため実施設計を行い、令和6(2024)年度から令和7(2025)年度にかけて工事を予定しています。
障害者福祉センターについては、改築に向けて、令和4(2022)年度に基本計画を策定しました。令和5(2023)年度から令和7(2025)年度にかけて基本設計・実施設計を行います。令和7(2025)年度内に着工し、令和10(2028)年度の供用開始を予定しています。
高齢者総合センター大規模改修及び障害者福祉センター改築工事期間中の移転先となる仮設施設を設置するため、設置予定地である旧中町自転車保管所敷地内の支障物を撤去するとともに、フェンスの設置やインフラ接続工事等を実施します。
公益財団法人武蔵野市福祉公社と社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会の現社屋の建て替えに向けて、単に狭小で老朽化した執務スペースの拡充・改善するためだけにとどまらず、本市における「地域共生社会推進の拠点」としての機能と役割を実現するために、本市ができる支援を引き続き検討します。
第2は、子ども・教育についてです。
子どもたちが希望を持ち健やかに過ごせるまちづくりについて。
全ての子どもたちが健やかに育ち、全ての子育て家庭が安心して子育てできるよう、子どもに関する施策・事業を総合的に取り込む「第六次子どもプラン武蔵野」を2か年かけて策定します。子どもの最善の利益を尊重する社会の実現に向け、子どもの権利に関して、周知啓発等に取り組みます。また、子どもが意見を表明する機会を十分に確保するため、中高生世代ワークショップ「Teensムサカツ」について、一層の充実を図ります。
全ての妊産婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができるよう、妊娠から出産・子育てまで一貫して寄り添いながら相談に応じ、必要な支援につなぐ伴走型の相談支援の充実を図り、出産・子育て応援ギフトの支給による経済的支援を一体的に実施します。加えて産後ケア事業の充実を図ります。
令和2(2020)年12月に開設した放課後等デイサービス施設「パレット」において、肢体不自由児や医療的ケア児等への安定した支援を継続的に行います。
児童虐待を防止し、子育てに不安を持つ家庭を支援するために、相談支援事業の強化・充実、関係機関との連携を推進します。
東京都において多摩地域に新たな児童相談所の設置が予定されており、管轄区域の再編案が示されました。今後の動向を注視していきます。
安心して産み育てられる子育て世代への総合的支援について。
子どもに係る手当や助成の申請等の手続に関して、タブレット等への入力により手続を行う「書かない窓口」を導入し、市民の皆様の申請手続の負担を軽減し、待ち時間、対応時間の短縮とともに職員の負担軽減と業務の効率化を図ります。
市立保育園において、医療的ケアが必要な乳幼児の保育のための環境と支援体制を整備します。
保育従事者を対象とした研修を継続するほか、保育事故防止支援指導員、保育総合アドバイザー、保育相談員等の巡回支援等により、市内保育施設における不適切な保育の防止及び保育の質の向上を図ります。
地域の子育て支援ニーズに対応し、多様な主体による子育て支援を推進するため、民間団体による地域子育て支援拠点施設の運営費補助を行うとともに、新規施設の開設に向け、運営事業者の公募を行います。
公益財団法人武蔵野市子ども協会に管理運営を委託している0123施設の開館時間の延長及び4・5歳児支援を引き続き試行し、親支援や異年齢交流の検証及び本格実施の在り方を検討します。
就労等のため放課後に保護者の監護を受けられない児童の健全育成を図ります。児童増に対応するため第四小学校のクラブ室を増設します。また、大野田小学校学童クラブについては、児童増への緊急対応として、包括連携協定を結ぶUR都市機構及び自治会との協議の結果、緑町パークタウン内の集会所にクラブ室を設置し、育成を行うこととしました。
就労等により子どもの学童保育の利用を希望する保護者が増加しているため、市立小学校内の育成スペースの確保が難しくなってきています。また、保護者の就労の多様化に対応する必要もあることから、民間事業者による学童クラブの市内での開設を引き続き支援します。
子どもと子育て家庭を地域社会全体で応援する施策の充実について。
東京都に先駆け、本市独自で実施した高校生等医療費助成制度が、東京都においても実施されることになりました。令和5(2023)年4月より、東京都高校生等医療費助成制度、通称「マル青」に制度を移行します。東京都が子どもの医療費助成制度の対象年齢を高校生相当まで拡充したことは、本市の地域社会全体で子育てを応援するというメッセージを東京都に後押ししていただけたものと受け止めております。今後も地域社会全体で子育てを応援するというメッセージを発信し続けていきます。
なお、本市では引き続き、所得制限や一部自己負担金を設けず、ゼロ歳から高校生相当年齢まで、全ての子どものための医療費助成事業を実施します。
子どもの「生きる力」を育むについて。
市立自然の村については、青少年をはじめとする多くの市民が利用しやすい施設とするため、指定管理者と共に市も一体となって適正な維持管理を行います。
セカンドスクール・プレセカンドスクールについては、令和2(2020)年度に行われた長期宿泊体験活動検討委員会の報告を踏まえ、活動の狙いを一層明確にした長期宿泊での自然体験や農業体験を通し、豊かな感性や自主性、協調性等を育む教育活動を実施します。
令和3(2021)年度より市立小・中学校の児童生徒に1人1台整備した学習者用コンピューターを適切かつ効果的に活用する授業を引き続き実施します。導入3年目となる学習者用コンピューターについて、これまで蓄積した知見を生かし、活用の指針を令和5(2023)年度中に定めます。
不登校対策については、スクールソーシャルワーカーを中心に個別の相談に応じ、在籍校と連携しながら支援します。また、市立小・中学校に配置している家庭と子どもの支援員を拡充し、登校支援や教室に入れない児童生徒への別室支援等、学校内での支援体制を強化します。
児童生徒の教育的ニーズに対応するため、引き続き、障害種別ごとの特別支援学級、全小・中学校における特別支援教室を運営します。また、医療的ケアの必要な児童生徒のための支援体制の整備を行います。
教育環境の充実と学校施設の整備について。
本市の教育の現状と課題を整理し、目指す方向を明らかにするため、第四期学校教育計画を2か年かけて策定します。あわせて、令和5(2023)年度は、子ども、保護者及び教員を対象としたアンケート調査を行います。
「開かれた学校づくり協議会」において学校運営協議会機能を活用し、地域学校協働本部機能と一体的に推進することで、学校・家庭・地域の協働体制の充実を図ります。令和5(2023)年度から2年間、モデル校2校で実施します。
本市が独自で配置している市講師を拡充し、小学校高学年における教科担任制を推進することで、教材研究等の充実による授業の質の向上を図るとともに、教員の負担を減らし、働き方改革を進めます。また、放課後等に学習支援教室を実施するほか、学習指導補助員を配置することにより、個に応じた指導を一層進めます。
中学校における部活動指導員は、教員に代わって大会等を引率することが可能であり、各種目の専門性を有する部活動指導員を各校1名から2名に増員し、より効率的・効果的な部活動を推進し、部活動の継続と教員の多忙化の解消を図ります。
第一中学校及び第五中学校は、解体工事を完了し、改築工事に着手します。また、第五小学校及び井之頭小学校は、令和4(2022)年度に策定した改築基本計画に基づき、地域の意見を聴きながら、基本設計を実施します。
関前南小学校については、児童増及び小学校35人学級の導入に対応するため、増築により普通教室を確保します。
第3は、平和・文化・市民生活についてです。
多様性を認め合い尊重し合う平和な社会の構築について。
戦争の悲惨さや平和の尊さを次世代に継承していくため、市民と共に平和啓発事業を実施します。また、平和施策の在り方について有識者や市民から成る「平和事業のあり方懇談会(仮称)」の御意見を伺い検討を進めます。5月には市民に憲法への関心と認識を深めてもらう事業を行います。
日本人と外国人が共に理解し、尊重し合い、活躍できる環境の整備を積極的に図るため、令和4(2022)年度に策定を進め、まもなく完成する武蔵野市多文化共生推進プランに基づき、多文化共生の取組を進めます。
市役所窓口での外国人市民や聴覚障害のある市民等との言語障壁を取り除くため、タブレット端末を用いたオンライン通訳サービスを本格導入し、手話通訳サービスの追加及び機器の増設を行います。また、翻訳サービスにより申請書類等の多言語化を推進し、日本語を母語としない市民の手続の円滑化を図ります。
男女平等の推進に関する条例に基づき、研修・啓発、情報収集・提供、団体支援、相談事業等を行うほか、パートナーシップ制度の推進や、次期男女平等推進計画の策定を行います。
災害への備えの拡充について。
国や東京都の防災計画の修正内容及び新型コロナウイルス感染症の対策等を踏まえ、国土強靭化地域計画や震災復興マニュアルなどとの整合を図りながら、令和4(2022)年度に地域防災計画の修正を行いました。今後も市民の生命や財産を守ることを目的に様々な発災を想定した訓練を実施します。
老朽化した消防団第2分団詰所を建て替えることで吉祥寺地区の防災力の維持・向上を図ります。
災害時に自宅での生活が継続できず、やむなくペットと同行避難する場合を想定し、避難所における行動マニュアルを周知するとともに、避難所14か所においてペット対策用物資の備蓄を行います。
消防庁長官通知「消防団員の報酬等の基準等について」に基づき、消防団員の報酬改定を行い、消防団員の処遇改善を図ります。
安全・安心なまちづくりについて。
安全・安心を実感できるまちづくりを推進するため、市民安全パトロール隊やホワイトイーグル等によるパトロールの実施や、商店会等に対する防犯カメラの設置・管理支援、特殊詐欺被害防止対策等を行います。また、ブルーキャップの活動時間の延長や、吉祥寺ミッドナイトパトロール隊による指導の実施など、客引き行為等に対する体制を強化します。
事件・事故など身近に起こり得る危機や、ミサイル発射やテロ発生などの様々な脅威に備えるため、危機管理対策訓練を行います。
震災時における緊急輸送道路の機能を確保するため、引き続き東京都と連携し、耐震化に要する費用の一部を助成します。
また、住宅やマンションの耐震化に要する費用の一部助成や専門家派遣等による支援を行い、耐震化緊急促進アクションプログラムに基づき、耐震化の促進を図ります。
地域社会と市民活動の活性化について。
第二期武蔵野市市民活動促進基本計画に基づき、市民活動への市民の関心と参加を促し、各種支援を充実させるとともに、市職員の市民との協働に対する意識の醸成を図ります。
コミュニティ協議会によるコミュニティセンターの管理運営及びコミュニティ活動を引き続き支援します。施設の適切な維持修繕を行うとともに、コミュニティセンター整備計画に沿って保全改修を進めます。
中央コミュニティセンターについては、エレベーター設置によるバリアフリー化に向けた調査・検討を行います。
豊かで多様な文化の醸成について。
令和4(2022)年度に発足した公益財団法人武蔵野文化生涯学習事業団については、合併に伴う事業分野の拡大を契機とした、ブランディングの強化とさらなる市民サービス向上への取組を支援します。
武蔵野アール・ブリュット展については、市民による実行委員会との協働により、令和4(2022)年度の武蔵野プレイスなどでの周知に続いて、令和5(2023)年度は吉祥寺美術館での展示に取り組みます。
武蔵野公会堂については、周辺エリアのまちづくりの動きを見据え、既存施設を活用した改修等により、老朽化した設備の更新やバリアフリー化とともに文化施設としての機能向上を図ります。令和4(2022)年度策定の基本計画に基づき、設計事業者を選定し、工事の設計に着手します。
多様な学びや運動・スポーツ活動の推進について。
誰もがスポーツを快適に楽しむことができるように総合体育館の長寿命化を図るため、保全と機能改善等の大規模改修に向けて、工事内容の精査及び調整を踏まえ、基本計画を策定します。また、陸上競技場については、第三種公認検定を受けるため改修工事等更新と備品の購入を行います。
障害のある方への理解促進と障害者スポーツの周知を図り、障害の有無にかかわらず、誰もが気軽にスポーツをすることができる環境づくりに向け、障害者スポーツ教室や障害者のためのスポーツ広場などを引き続き実施します。
図書館資料の安定的かつ効率的な収集と保存、提供を行うため、中央図書館地下書庫に設置されている電動書架のリニューアル工事を行います。
まちの魅力を高め豊かな暮らしを支える産業の振興について。
令和4(2022)年度に実施した、本市における産業の特性等の把握を目的とした基礎調査に基づき、第三期武蔵野市産業振興計画の策定を行います。
令和5(2023)年度に市内の空き店舗または事務所へ出店し、かつ、商店会等に加入して事業開始時及び6か月経過時に申請をした事業者、または令和4(2022)年度に出店した事業者のうち、6か月経過時に申請をする事業者に対して支援を行います。
商店会同士のさらなる連携強化やデジタル化の推進のために、地区商連等が実施する事業に対し、経費の2分の1を補助します。令和5(2023)年度は中央地区で試行します。
平成30(2018)年に施行された都市農地貸借円滑化法に基づき、市内でも生産緑地の貸借事例が出てきています。直近では若手の農業者が新規に就農され、関前で様々な取組をされています。農地の保全につながるこの取組については、今後も引き続き関係機関と連携しながら、貸手と借手のマッチングを行っていきます。
国の制度である認定農業者制度及び令和2(2020)年度に創設した本市独自の都市型認定農業者制度に基づき、生産目標を立てて達成を目指す認定農業者、都市型認定農業者による農業用機械の導入等に対して経費の補助を行います。
農地の持つ防災や環境保全などの多面的機能の向上と地域住民に配慮した基盤整備を目的とし、市内農業者による土留め及びフェンスの設置について補助を行います。
ふるさと納税制度により頂いた寄付金を活用して市民サービスの充実を図るとともに、体験型等も含めた地域の魅力的な返礼品の拡充に努め、市のPRや魅力発信、地域産業の振興につなげます。
第4は、緑・環境についてです。
刻々と変化する環境問題への対応について。
喫緊の課題である地球温暖化・気候変動対策を広く市民に周知するため、気候市民会議の議論を踏まえた気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)及びそのプランを補完し具体的な対策を例示するブックレット等を作成し、市内全戸に配布します。
市民一人一人の環境配慮行動を促すため、むさしのエコreゾートにおいて環境フェスタや環境の学校などを実施し、多様な環境啓発の拠点施設として活用を進めていきます。
雨水浸透施設や雨水タンクを設置する市民に対して助成を行い、雨水浸透施設等の設置促進を通じ、河川や下水道への流出抑制及び水循環の推進を図ります。
地球温暖化対策の推進について。
気候市民会議を契機とし、市民の地球温暖化対策の取組に対する機運を高め、活動の輪を広げていくことを目的に、市民の優れた取組を表彰し、SNS等により紹介する「むさしのゼロカーボン大賞事業(仮称)」を実施します。
2050年ゼロカーボンシティの実現に向けて、市域における再生可能エネルギー利用を促進するため、実質再エネ100%電気に切り替えた家庭に対し、協力金を支給するとともに、市が率先して、小・中学校等の主要な51の公共施設において、実質再エネ100%電力を導入します。
分譲マンションの断熱化を促進するため、効率的なエネルギー活用推進助成事業における既設窓の断熱改修の交付対象にマンション管理組合を加え、拡大を図ります。
「緑」を基軸としたまちづくりの推進について。
緑の基本計画2019について、計画実施期間の中間まとめとして、計画の個別・具体の取組状況の把握・検証を行い、進捗状況を各分野と共有するとともに、令和6(2024)年度に予定している自然環境等実態調査に向けた調査項目・指標を検討します。
八幡町2丁目地内に公園の新設を行うとともに中央高架下公園のリニューアル及びむさしの市民公園の木製複合遊具、西久保児童公園のコンクリート遊具の更新等を実施します。また、まちに潤いを与え良好な景観をもたらす街路樹の保全と更新を行います。
民有地の緑の保全を推進するため、保存樹林等の指定を行い、樹木診断の実施や補助金によって所有者の維持管理の負担軽減を図ります。また、豊かな緑のある景観を継承するため、市指定文化財と連携した新たな助成制度を創設します。
省エネルギー・省資源型の持続可能な都市の構築について。
環境への負荷の少ない持続可能な都市を目指し、市民・市民団体、事業者との連携により、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を適切に推進し、ごみ排出量の削減に取り組みます。
様々な環境の変化に対応した良好な生活環境の確保について。
市内3駅周辺に設置した閉鎖型喫煙所(喫煙トレーラーハウス)の利用を促進するとともに受動喫煙防止に向けた啓発を推進し、まちの環境美化と受動喫煙防止を図ります。
東京都の浸水対策事業である石神井川上流第一調節池(仮称)については、周辺環境への配慮や適切な情報提供を引き続き求めていきます。
第5は、都市基盤についてです。
個性あふれる魅力的な地域のまちづくりについて。
良好な道路景観の創出、防災機能の向上、歩行空間の確保を図るため、景観道路事業を推進します。令和5(2023)年度は、市道第16号線(かたらいの道)等の連系引込管工事や道路改修工事を行います。
吉祥寺エリアでは駐車場付置義務が建物更新を阻害し、またまち並みの連続性を損なわせる傾向があります。東京都の条例改正により鉄道駅周辺における地域ルール制度が創設されたことを受け、柔軟な施設配置・集約化に向けた検討を行います。
将来にわたり持続性ある都市基盤づくりについて。
道路分野については、市内に約400基ある装飾街路灯は大半が高圧水銀ランプですが、「水銀に関する水俣条約」によりランプの製造・輸出入が禁止されたことにより、ランプ・灯具の更新ができなくなるため、令和5(2023)年度から2か年でLED化を進めます。
橋りょう長寿命化計画に基づき、本村橋、八丁橋等8橋の定期点検及び曙橋等2橋の補修設計を行います。既に着手している「よろず橋架け替え工事」を令和5(2023)年度中に完了させます。
八幡町2丁目の資材置場施設は、築後30年以上経過し、著しい劣化により安全性及び機能面において様々な課題があります。更新を図るに当たっては、公園の整備も併せて行います。
水道分野については、円滑かつ効率的に水道水を供給していくため、施設保全計画に基づき、浄水場施設及び水源施設の維持・更新を進めていきます。また、今後も安全で安定的に水道水を供給できるように、配水管の新設・更新を行い、配水管路の耐震化を進めます。
あわせて、水道事業経営の健全化を図るとともに、都営水道への一元化に向けた取組を進めていきます。
下水道分野については、下水道ストックマネジメント計画に基づき、計画的な下水道施設の点検・調査、修繕・改築工事を実施します。
今後の老朽化対策による事業量増加への対応や効率的な事業運営等を安定的に実施するため、令和6(2024)年度からの長期包括契約方式の試行的導入に向け、事業者選定や導入準備等を着実に進めます。
誰もが利用しやすい交通環境の整備について。
自転車安全利用講習会等を引き続き実施し、安全教育の充実を図ります。自転車駐車場のさらなる利便性向上のため、利用体系変更後の効果検証等を行います。
放置自転車等の放置防止指導・撤去・保管及び返還業務を効率的に行い、道路や駅前広場等、公共の場所において良好な環境を確保します。
市道第85号線(アジア大学通り)の交差点改良や歩道舗装改修に合わせて視覚障害者誘導用ブロック等を改善します。
ムーバス運行事業については、市内のバス交通空白・不便地域において、利便性を踏まえた効率的な運行を図ります。また、持続可能な運行に向けた現状把握のため、フォローアップ調査を行います。
安全で快適な道路ネットワークの構築について。
交通の円滑化、防災性の向上等を図るため、現在事業中の区画道路の用地買収及び拡幅整備等を行います。
安全で快適なまちづくりを推進するため、建築物の建て替え等に合わせて、狭あい道路の拡幅整備を行います。
武蔵野プレイス西側の都市計画道路3・4・27号線の在り方については、武蔵境駅周辺における交通環境の変化等を踏まえた方向性を今後示した上で、引き続き検討を進めます。
都市高速道路外かく環状線については、令和4(2022)年11月にオープンハウス形式の説明が行われ、同年12月に事業用地外の掘進に向け大泉側本線(北行)シールドトンネル工事が再開されました。今後の工事の状況を注視するとともに、適時適切な情報提供と事故の再発防止対策を踏まえた安全な工事の施工を事業者に対して求めていきます。
外かく環状道路地上部街路(外環の2)については、話合いの会の中間まとめの早期取りまとめや、取りまとめ後の検討のプロセスに沿った進め方について、地域住民の意見や沿線区市の検討状況を踏まえた丁寧な対応を東京都に求めていきます。
安心して心地よく住み続けられる住環境づくりについて。
令和4(2022)年12月に「武蔵野市あんしん住まい推進協議会」を設置しました。住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の入居の円滑化に関し、市や関係団体等が連携し、必要な措置について協議・検討します。あわせて、既存の制度を見直し・再編して「あんしん住まい推進事業」を開始しました。住み慣れた地域で安心して住み続けられるように、入居前の伴走支援や入居後の見守り支援などを積極的に進めます。
活力とにぎわいのある駅周辺のまちづくりについて。
吉祥寺駅周辺については、周辺交通の円滑化と歩行者の安全性・利便性向上のため、事業継続中の吉祥寺駅南口駅前広場の用地折衝、用地取得、それに伴う用地測量及び暫定整備を進めます。
吉祥寺駅南口を中心とした交通環境の改善に向け、令和4(2022)年度末に取りまとめた「吉祥寺駅南口交通環境基本方針の策定に向けた考え方」に基づき、関係機関との意見交換や技術的検討を行います。
令和3(2021)年度から2か年度かけて、庁内プロジェクトにより作成している「(仮称)吉祥寺パークエリアまちの将来像立案に向けて」について、市民やまちの関係者に周知します。
活力とにぎわいのある駅周辺のまちづくりを推進するため、(仮称)吉祥寺本町一丁目27番街区自転車駐車場の整備を行い、吉祥寺東部地区に点在する市有地を暫定利用している公共駐輪場の集約化を行います。
三鷹駅周辺については、令和4(2022)年度に実施した「三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた考え方」に対する地域の方々等との意見交換を踏まえて、基本方針を策定します。
武蔵境駅周辺については、平成29(2017)年度に事業採択された「第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業(東京都)」に伴う都市計画道路3・4・2号線(天文台通り)の拡幅整備に向けて用地取得等を行います。
第6は、行財政についてです。
市民参加と連携・協働の推進について。
令和6(2024)年度から計画期間が始まる第六期長期計画・調整計画の策定に当たり、市民委員で構成される策定委員会を中心に、パブリックコメントや意見交換会など多様な市民、議員及び職員参加の機会を通じ、全市的に議論を深め策定します。
効果的な広報・広聴の仕組みづくりとシティプロモーションについて。
市民と市長のふれあいトークは、直接市民と対話ができる貴重な場です。どなたでも参加できる多人数型の形式に加え、テーマに即した少人数型の対話を通じて、地域の課題や様々な意見、提案を聴き、今後の市政運営に生かしていきます。
令和2(2020)年度より、市民意識調査と市政アンケートを隔年で交互に実施していますが、第六期長期計画・調整計画策定委員会において、その在り方が議論されています。議論の推移を見守るとともに、より効果的な広聴を検討します。
公共施設等の再構築と市有地の有効活用について。
吉祥寺本町一丁目23番街区の利活用について市民やまちの関係者の幅広い意見を取り入れながら、本町コミュニティセンターの施設移転を含め具体的な検討を進めます。
令和4(2022)年度に登録有形文化財に登録された「旧赤星鉄馬邸」の利活用の検討を進めるため、有識者会議と並行してワークショップを実施します。また、一般公開やオープンハウス、社会実験を通して幅広く周知、検討を進めます。
社会の変化に対応していく行財政運営について。
物価や光熱費の高騰に対し、創意工夫により市として一層の経費節減と省エネに努めます。
毎年度実施している事務事業評価に加えて、「新たな行政評価制度(案)」に基づく施策評価の試行を通して、社会の変化に対応した効率的で質の高い市政運営の実現と、市民への説明責任を果たしてまいります。
改正個人情報の保護に関する法律及び武蔵野市個人情報の保護に関する条例の施行に伴い、個人情報ファイル簿及び個人情報事務ファイル簿の整備を行うとともに、事務取扱手引の作成、職員への研修を行い、制度の徹底を図ります。
令和4(2022)年度に策定した第5期指定管理者制度に関する基本方針等に基づき、次期指定管理者の選定作業を進めます。また、指定管理者による人事・労務関係の法令遵守の状況について、社会保険労務士による点検を継続します。
証明書交付手数料の支払方法の多様化、支払時間の短縮により、市民の利便性の向上を図るため、市民課、市政センター、市民税課の3課にて、自動釣銭機つきPOSレジ及びキャッシュレス決済端末を導入します。
第七次総合情報化基本計画に基づき、市民目線の行政サービス、市役所業務の効率化、情報セキュリティの徹底を目指す、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進していきます。
地方公共団体情報システムの標準化に関する法律に基づき、住民情報系システムを国が定める標準化基準に適合させるため、システム改修を行います。
情報システムを運用するための仮想化基盤の更改により、システムを安定して利用できる環境を整備し、市民サービスを継続的に提供します。
文書管理システムの更改と合わせて電子決裁の試行導入及び文書の電子化のルールを検討することで、業務効率化や意思決定の迅速化を目指します。
多様な人材の確保・育成と組織の活性化について。
税に関する法律や実務に精通した専門人材をアドバイザーとして活用することで、複雑化する滞納整理の適法性を確保するとともに、職員の法務能力の向上を図ります。
障害のある方の就労支援及び障害や障害者就労に対する職員理解の促進を図るため、障害のある方を対象とした会計年度任用職員の任用を引き続き行います。
次に、予算の規模及び特色について申し述べます。
国及び東京都の予算についてですが、令和5(2023)年度の国の予算は、「歴史の転換期を前に、我が国が直面する内外の重要課題に対して道筋をつけ、未来を切り拓くための予算」として編成され、一般会計予算では、前年度当初予算に比べ6.3%増の114兆3,812億円となっています。歳入では、名目経済成長率の見通しをプラス2.1%とし、税収は前年度に比べ4兆2,050億円、6.4%増の69兆4,400億円としています。また、国の借入金となる公債金は前年度に比べて1兆3,030億円減の35兆6,230億円となり、公債依存度が31.1%と前年度当初の34.3%から減少しています。歳出では、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策及び原油価格・物価高騰対策予備費として4兆円を計上しているほか、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費を新たに計上し、社会保障関係費や防衛関係費などが増加しています。
東京都では、令和5(2023)年度予算を「明るい「未来の東京」の実現に向け、将来にわたって「成長」と「成熟」が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算」と位置づけ、一般会計の規模は、前年度に比べて3.1%増の8兆410億円で過去最大となっています。このうち都税収入は、前年度に比べて5,702億円、10.1%増の6兆2,010億円としています。政策的経費である一般歳出は、都市強靭化に向けた取組や、脱炭素社会の実現に向けた取組などに重点的に財源を振り向けた結果、前年度に比べて1.6%増の5兆9,354億円となっています。
次に、市の予算についてです。
予算編成方針として、新年度予算は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 平和が続く未来をつくる予算」と位置づけました。状況の変化に適切に対応しながら第六期長期計画に掲げられた事項を着実に推進するため、新規事業は原則として第六期長期計画に掲げられた事業のみとし、限られた財源を重点的かつ効率的に配分すること、併せて新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢等による原油価格・物価高騰により新たに生じた課題にも対応することを基本に予算を編成いたしました。
予算の特色として、一般会計予算は729億2,200万円で、前年度に比べて23億3,600万円、3.3%の増となりました。
市の歳入の根幹である市税については、前年度に比べ個人市民税は5,710万円の増、法人市民税は1億2,473万円の増を見込みました。また、固定資産税については、土地や家屋、償却資産それぞれ増を見込み10億8,130万円の増、さらに都市計画税については、1億2,870万円の増など、市税全体では前年度に比べ14億5,373万円、3.5%増の432億750万円を見込んでおります。
国庫支出金は、保育所等運営費負担金の増などにより、前年度に比べて4億630万円、4.0%の増、都支出金は都市計画公園事業補助金の増などにより5億4,092万円、7.1%の増となりました。
歳出につきましては、総務費はシステム構築作業終了による内部統合情報システム事業費の減などにより、前年度に比べ8,944万円、1.0%の減、民生費は国民健康保険事業会計繰出金や障害者自立支援給付等事業費の増などにより、前年度に比べ6億6,839万円、2.1%の増、衛生費は出産・子育て応援広域連携事業実施による母子保健事業費の増などにより3億6,798万円、5.4%の増、土木費は自転車対策事業費の減などにより9,129万円、1.4%の減、教育費は学校改築事業費の増などにより15億1,984万円、14.4%の増となりました。
各特別会計及び水道事業会計、下水道事業会計について申し述べます。
国民健康保険事業会計は、国民健康保険事業費納付金の増などにより、前年度に比べて4.7%増の138億9,018万円を計上いたしました。
後期高齢者医療会計は、広域連合負担金の増などにより、前年度に比べて4.3%増の42億5,497万円といたしました。
介護保険事業会計は、介護保険給付費の増により、前年度に比べて2.3%増の125億4,166万円を計上いたしました。
水道事業会計は、収益的収入は38億185万円、収益的支出は37億5,594万円で、収益的収入から収益的支出を差し引いた税込みの利益は4,591万円を見込んでおります。資本的収入は3億923万円、資本的支出は9億434万円で、水道施設の維持更新に係るものは、配水施設費3億8,731万円、原水及び浄水施設改良工事費1億2,113万円で、資本的収入から資本的支出を差し引いた5億9,511万円の不足分は、消費税及び地方消費税資本的収支調整額、減債積立金及び損益勘定留保資金で補填する予定としております。
下水道事業会計は、収益的収入は28億9,294万円、収益的支出は28億3,433万円で、収益的収入から収益的支出を差し引いた税込みの利益は5,861万円を見込んでおります。資本的収入は6億3,219万円、資本的支出は10億5,278万円で、その主なものは管きょ建設改良費4億5,536万円、企業債償還金3億4,925万円で、資本的収入から資本的支出を差し引いた4億2,059万円の不足分は、消費税及び地方消費税資本的収支調整額、損益勘定留保資金で補填する予定としております。
以上、令和5(2023)年度の施政方針を述べるとともに予算の規模及び特色について御説明申し上げました。主要な施策の予算につきましては、予算参考資料や予算の概要にまとめましたので、御参照いただければと存じます。
結びに、新型コロナウイルス感染症の収束とウクライナへの軍事侵攻の一日も早い終結を願うとともに、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜り、市政の一層の発展のために全力で取り組んでまいる所存でございます。
よろしく御審議くださいますよう、お願い申し上げます。
4794◯議 長(土屋美恵子君) 以上をもって、令和5年度予算編成方針並びに令和5年度各会計予算についての説明を終わります。
なお、令和5年度予算編成方針に対する各会派の代表質問並びに令和5年度各会計予算に対する大綱質疑は後日の本会議において行いますので、よろしく御承知願います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4795◯議 長(土屋美恵子君) 次に、日程第10 議員提出議案第1号 武蔵野市議会個人情報の保護に関する条例を議題といたします。
武蔵野市議会個人情報の保護に関する条例
目次
第1章 総則(第1条─第3条)
第2章 個人情報等の取扱い(第4条─第15条)
第3章 個人情報ファイル(第16条)
第4章 開示、訂正及び利用停止
第1節 開示(第17条─第29条)
第2節 訂正(第30条─第36条)
第3節 利用停止(第37条─第42条)
第4節 審査請求(第43条─第45条)
第5章 雑則(第46条─第51条)
第6章 罰則(第52条─第56条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、武蔵野市議会(以下「議会」という。)における個人情報の適正な取扱いに関し
必要な事項を定めるとともに、議会が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める個人の権
利を明らかにすることにより、議会の事務の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護
することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれ
かに該当するものをいう。
(1) 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方
式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項
第2号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又
は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同
じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、そ
れにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
(2) 個人識別符号が含まれるもの
2 この条例において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他
の符号のうち、議長が定めるものをいう。
(1) 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その
他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
(2) 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個
人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、
記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとな
るように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購
入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
3 この条例において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、
犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにそ
の取扱いに特に配慮を要するものとして議長が定める記述等が含まれる個人情報をいう。
4 この条例において「保有個人情報」とは、議会の事務局の職員(以下この章から第3章まで及び第
6章において「職員」という。)が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、職員が組織的に
利用するものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、武蔵野市情報公開条例(平成13年3
月武蔵野市条例第5号。以下「情報公開条例」という。)第2条第2号に規定する行政文書(以下
「行政文書」という。)に記録されているものに限る。
5 この条例において「個人情報ファイル」とは、保有個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲
げるものをいう。
(1) 一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することがで
きるように体系的に構成したもの
(2) 前号に掲げるもののほか、一定の事務の目的を達成するために氏名、生年月日、その他の記述等
により特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したもの
6 この条例において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。
7 この条例において「仮名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定
める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を
加工して得られる個人に関する情報をいう。
(1) 第1項第1号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該
一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを
含む。)。
(2) 第1項第2号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること
(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換える
ことを含む。)。
8 この条例において「個人関連情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報及び仮名
加工情報のいずれにも該当しないものをいう。
9 この条例において「特定個人情報」とは、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利
用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下「番号利用法」という。)第2条第8項に規定する特
定個人情報をいう。
10 この条例において「保有特定個人情報」とは、職員が職務上作成し、又は取得した特定個人情報で
あって、職員が組織的に利用するものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、行政文書に
記録されているものに限る。
11 この条例において「独立行政法人等」とは、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条
第1項に規定する独立行政法人及び個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」
という。)別表第1に掲げる法人をいう。
12 この条例において「地方独立行政法人」とは、地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2
条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。
(議会の責務)
第3条 議会は、その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるものとす
る。
第2章 個人情報等の取扱い
(個人情報の保有の制限等)
第4条 議会は、個人情報を保有するにあたっては、法令(条例を含む。第12条第2項第2号及び第3
号並びに第4章において同じ。)の規定によりその権限に属する事務を遂行するため必要な場合に限
り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。
2 議会は、前項の規定により特定された利用の目的(以下「利用目的」という。)の達成に必要な範
囲を超えて、個人情報を保有してはならない。
3 議会は、利用目的を変更する場合は、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認めら
れる範囲を超えて行ってはならない。
(利用目的の明示)
第5条 議会は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得す
るときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならな
い。
(1) 人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
(2) 利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を
害するおそれがあるとき。
(3) 利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立
行政法人が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
(4) 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
(不適正な利用の禁止)
第6条 議会は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用
してはならない。
(適正な取得)
第7条 議会は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
(正確性の確保)
第8条 議会は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するよ
う努めなければならない。
(安全管理措置)
第9条 議長は、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のため
に必要かつ適切な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、議会に係る個人情報の取扱いの委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)を受け
た者が受託した業務を行う場合における個人情報の取扱いについて準用する。
(従事者の義務)
第10条 個人情報の取扱いに従事する職員若しくは職員であった者、前条第2項の業務に従事している
者若しくは従事していた者又は議会において個人情報の取扱いに従事している派遣労働者(労働者派
遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2
号に規定する派遣労働者をいう。以下この条及び第52条において同じ。)若しくは従事していた派遣
労働者は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利
用してはならない。
(漏えい等の通知)
第11条 議長は、保有個人情報の漏えい、滅失、毀損その他の保有個人情報の安全の確保に係る事態で
あって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとしてその定めるものが生じたときは、本人に対
し、その定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。ただし、次の各号の
いずれかに該当するときは、この限りでない。
(1) 本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措
置をとるとき。
(2) 当該保有個人情報に第19条各号に掲げる情報のいずれかが含まれるとき。
(利用及び提供の制限)
第12条 議会は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、
又は提供してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、議会は、議長が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目
的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情
報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利
益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(1) 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
(2) 議会が法令の規定によりその権限に属する事務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用
する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
(3) 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、市が設
立した地方独立行政法人、東京都市公平委員会、他の地方公共団体の機関、他の地方公共団体が設
立した地方独立行政法人、法第2条第8項に規定する行政機関又は独立行政法人等に保有個人情報
を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に
必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理
由があるとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供す
るとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提
供することについて特別の理由があるとき。
3 前項の規定は、保有個人情報の利用又は提供を制限する他の条例の規定の適用を妨げるものではな
い。
4 議長は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、保有個人情報の利用目的
以外の目的のための議会の内部における利用を議会の事務局の特定の職員に限るものとする。
5 保有特定個人情報に関しては、第2項第2号から第4号まで及び第28条の規定は適用しないものと
し、次の表の左欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表
の右欄に掲げる字句とする。
┌────┬────────────────┬─────────────────────┐
│第12条 │法令に基づく場合を除き、利用目 │利用目的以外の目的 │
│第1項 │的以外の目的 │ │
│ ├────────────────┼─────────────────────┤
│ │自ら利用し、又は提供してはなら │自ら利用してはならない │
│ │ない │ │
├────┼────────────────┼─────────────────────┤
│第12条 │自ら利用し、又は提供する │自ら利用する │
│第2項 │ │ │
├────┼────────────────┼─────────────────────┤
│第12条 │本人の同意があるとき、又は本人 │人の生命、身体又は財産の保護のために必要が│
│第2項 │に提供するとき │ある場合であって、本人の同意があり、又は本│
│第1号 │ │人の同意を得ることが困難であるとき │
├────┼────────────────┼─────────────────────┤
│第37条 │又は第12条第1項及び第2項の規定│第12条第5項の規定により読み替えて適用する│
│第1項 │に違反して利用されているとき │同条第1項及び第2項(第1号に係る部分に限│
│第1号 │ │る。)の規定に違反して利用されているとき、│
│ │ │番号利用法第20条の規定に違反して収集され、│
│ │ │若しくは保管されているとき、又は番号利用法│
│ │ │第29条の規定に違反して作成された特定個人情│
│ │ │報ファイル(番号利用法第2条第9項に規定す│
│ │ │る特定個人情報ファイルをいう。)に記録され│
│ │ │ているとき │
├────┼────────────────┼─────────────────────┤
│第37条 │第12条第1項及び第2項 │番号利用法第19条 │
│第1項 │ │ │
│第2号 │ │ │
└────┴────────────────┴─────────────────────┘
(保有個人情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第13条 議長は、利用目的のために又は前条第2項第3号若しくは第4号の規定に基づき、保有個人情
報を提供する場合において、必要があると認めるときは、保有個人情報の提供を受ける者に対し、提
供に係る個人情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその
漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
(個人関連情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第14条 議長は、第三者に個人関連情報を提供する場合(当該第三者が当該個人関連情報を個人情報と
して取得することが想定される場合に限る。)において、必要があると認めるときは、当該第三者に
対し、提供に係る個人関連情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付
し、又はその漏えいの防止その他の個人関連情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求
めるものとする。
(仮名加工情報の取扱いに係る義務)
第15条 議会は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。以下この
条及び第48条において同じ。)を第三者(当該仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者を除く。)に
提供してはならない。
2 議長は、その取り扱う仮名加工情報の漏えいの防止その他仮名加工情報の安全管理のために必要か
つ適切な措置を講じなければならない。
3 議会は、仮名加工情報を取り扱うにあたっては、法令に基づく場合を除き、当該仮名加工情報の作
成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、削除情報等(仮名加工情報の作成に用いられ
た個人情報から削除された記述等及び個人識別符号並びに法第41条第1項の規定により行われた加工
の方法に関する情報をいう。)を取得し、又は当該仮名加工情報を他の情報と照合してはならない。
4 議会は、仮名加工情報を取り扱うにあたっては、法令に基づく場合を除き、電話をかけ、郵便若し
くは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般
信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便に
より送付し、電報を送達し、ファクシミリ装置若しくは電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方
法その他の情報通信の技術を利用する方法であって議長が定めるものをいう。)を用いて送信し、又
は住居を訪問するために、当該仮名加工情報に含まれる連絡先その他の情報を利用してはならない。
5 前各項の規定は、議会に係る仮名加工情報の取扱いの委託(2以上の段回にわたる委託を含む。)
を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
第3章 個人情報ファイル
(個人情報ファイル簿の作成及び公表)
第16条 議長は、その定めるところにより、議会が保有している個人情報ファイルについて、それぞれ
次に掲げる事項その他議長が定める事項を記載した帳簿(以下「個人情報ファイル簿」という。)を
作成し、公表しなければならない。
(1) 個人情報ファイルの名称
(2) 個人情報ファイルが利用に供される事務をつかさどる組織の名称
(3) 個人情報ファイルの利用目的
(4) 個人情報ファイルに記録される項目(以下この条において「記録項目」という。)及び本人(他
の個人の氏名、生年月日その他の記述等によらないで検索し得る者に限る。次項第1号カにおいて
同じ。)として個人情報ファイルに記録される個人の範囲(次項第2号において「記録範囲」とい
う。)
(5) 個人情報ファイルに記録される個人情報(以下この条において「記録情報」という。)の収集方
法
(6) 記録情報に要配慮個人情報が含まれるときは、その旨
(7) 記録情報を議会以外の者に経常的に提供する場合は、その提供先
(8) 次条第1項、第30条第1項又は第37条第1項の規定による請求を受理する組織の名称及び所在地
(9) 第30条第1項ただし書又は第37条第1項ただし書に該当するときは、その旨
2 前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない。
(1) 次に掲げる個人情報ファイル
ア 議会の議員若しくは議員であった者又は職員若しくは職員であった者に係る個人情報ファイル
であって、専らその人事、議員報酬、給与又は報酬、福利厚生に関する事項その他これらに準ず
る事項を記録するもの(議長が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)
イ 専ら試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル
ウ 1年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル
エ 資料その他の物品若しくは金銭の送付又は業務上必要な連絡のために利用する記録情報を記録
した個人情報ファイルであって、送付又は連絡の相手方の氏名、住所その他の送付又は連絡に必
要な事項のみを記録するもの
オ 職員が学術研究の用に供するためその発意に基づき作成し、又は取得する個人情報ファイルで
あって、記録情報を専ら当該学術研究の目的のために利用するもの
カ 本人の数が議長が定める数に満たない個人情報ファイル
キ アからカまでに掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして議長が定める個人情報ファイル
(2) 前項の規定による公表に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部又は一部を記録
した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目及び記録範囲が当該公表に係るこれらの
事項の範囲内のもの
(3) 前号に掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして議長が定める個人情報ファイル
3 第1項の規定にかかわらず、議長は、記録項目の一部若しくは同項第5号若しくは第7号に掲げる
事項を個人情報ファイル簿に記載し、又は個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載することに
より、利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼす
おそれがあると認めるときは、その記録項目の一部若しくは事項を記載せず、又はその個人情報ファ
イルを個人情報ファイル簿に掲載しないことができる。
第4章 開示、訂正及び利用停止
第1節 開示
(開示請求権)
第17条 何人も、この条例の定めるところにより、議長に対し、議会の保有する自己を本人とする保有
個人情報の開示を請求することができる。
2 未成年者若しくは成年被後見人の法定代理人又は本人の委任による代理人(以下この章において
「代理人」と総称する。)は、本人に代わって前項の規定による開示の請求(以下この章及び第47条
において「開示請求」という。)をすることができる。
(開示請求の手続)
第18条 開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第3項において「開示請求書」という。)を議
長に提出してしなければならない。
(1) 開示請求をする者の氏名及び住所又は居所
(2) 開示請求に係る保有個人情報が記録されている行政文書の名称その他の開示請求に係る保有個人
情報を特定するに足りる事項
2 前項の場合において、開示請求をする者は、議長が定めるところにより、開示請求に係る保有個人
情報の本人であること(前条第2項の規定による開示請求にあっては、開示請求に係る保有個人情報
の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
3 議長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求
者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、
議長は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(保有個人情報の開示義務)
第19条 議長は、開示請求があったときは、開示請求に係る保有個人情報に次の各号に掲げる情報(情
報公開条例第9条第3号ウに掲げる情報を除く。)又は同条第7号に掲げる情報(以下「不開示情
報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示
しなければならない。
(1) 開示請求者(第17条第2項の規定により代理人が本人に代わって開示請求をする場合にあっては、
当該本人をいう。次号及び第3号、次条第2項並びに第26条第1項において同じ。)の生命、健康、
生活又は財産を害するおそれがある情報
(2) 開示請求者以外の個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であっ
て、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別
することができるもの(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別する
ことができることとなるものを含む。)若しくは個人識別符号が含まれるもの又は開示請求者以外
の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権
利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されてい
る情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公
務員(独立行政法人通則法第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独
立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公
務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職
務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容
に係る部分
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下この
号において「法人等」という。)に関する情報又は開示請求者以外の事業を営む個人の当該事業に
関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、
開示することが必要であると認められる情報を除く。
ア 開示することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害す
るおそれがあるもの
イ 議会の要請を受けて、開示しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人
における通例として開示しないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報
の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、
検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の
中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当
に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(5) 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情
報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務
又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 議長が第23条各項の決定(以下「開示決定等」という。)をする場合において、犯罪の予防、
鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
イ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握
を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするお
それ
ウ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政
法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
エ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
オ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
カ 独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その
企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分開示)
第20条 議長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報
に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部
分につき開示しなければならない。
2 開示請求に係る保有個人情報に前条第2号の情報(開示請求者以外の特定の個人を識別することが
できるものに限る。)が含まれている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の開示
請求者以外の特定の個人を識別することができることとなる記述等及び個人識別符号の部分を除くこ
とにより、開示しても、開示請求者以外の個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるとき
は、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。
(裁量的開示)
第21条 議長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権
利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示
することができる。
(保有個人情報の存否に関する情報)
第22条 開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不
開示情報を開示することとなるときは、議長は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該
開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第23条 議長は、開示請求に係る保有個人情報の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、
開示請求者に対し、その旨、開示する保有個人情報の利用目的及び開示の実施に関し議長が定める事
項を書面により通知しなければならない。ただし、第5条第2号又は第3号に該当する場合における
当該利用目的については、この限りでない。
2 議長は、開示請求に係る保有個人情報の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否
するとき、及び開示請求に係る保有個人情報を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の
決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(開示決定等の期限)
第24条 開示決定等は、開示請求があった日から30日以内にしなければならない。ただし、第18条第3
項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、議長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定
する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、議長は、開示請求者に対し、
遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(開示決定等の期限の特例)
第25条 開示請求に係る保有個人情報が著しく大量であるため、開示請求があった日から60日以内にそ
の全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合は、
前条の規定にかかわらず、議長は、開示請求に係る保有個人情報のうちの相当の部分につき当該期間
内に開示決定等をし、残りの保有個人情報については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。こ
の場合において、議長は、同条第1項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書
面により通知しなければならない。
(1) この条の規定を適用する旨及びその理由
(2) 残りの保有個人情報について開示決定等をする期限
2 前条の規定による開示決定等をしなければならない期間に、議長及び副議長がともに欠けている期
間があるときは、当該期間の日数は、同条の期間に算入しない。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第26条 開示請求に係る保有個人情報に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び開
示請求者以外の者(以下この条、第44条第2項第3号及び第45条において「第三者」という。)に関
する情報が含まれているときは、議長は、開示決定等をするにあたって、当該情報に係る第三者に対
し、議長が定めるところにより、当該第三者に関する情報の内容その他議長が定める事項を通知して、
意見書を提出する機会を与えることができる。
2 議長は、次の各号のいずれかに該当するときは、第23条第1項の決定(以下この章において「開示
決定」という。)に先立ち、当該第三者に対し、議長が定めるところにより、開示請求に係る当該第
三者に関する情報の内容その他議長が定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与
えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(1) 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を開示しようとする場合であって、当該第三者
に関する情報が第19条第2号イ又は同条第3号ただし書に規定する情報に該当すると認められると
き。
(2) 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を第21条の規定により開示しようとするとき。
3 議長は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第三者に関する情報の
開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日
と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、議長は、
開示決定後直ちに、当該意見書(第44条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、
開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
(開示の実施)
第27条 保有個人情報の開示は、当該保有個人情報が、文書又は図画に記録されているときは閲覧又は
写しの交付により、電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して議
長が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による保有個人情報の開示にあっては、議長は、当
該保有個人情報が記録されている文書又は図画の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、そ
の他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
2 議長は、前項の規定に基づく電磁的記録についての開示の方法に関する定めを一般の閲覧に供しな
ければならない。
3 開示決定に基づき保有個人情報の開示を受ける者は、議長が定めるところにより、議長に対し、そ
の求める開示の実施の方法等を申し出なければならない。
4 前項の規定による申出は、第23条第1項に規定する通知があった日から30日以内にしなければなら
ない。ただし、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、こ
の限りでない。
(他の法令による開示の実施との調整)
第28条 議長は、他の法令の規定により、開示請求者に対し開示請求に係る保有個人情報が前条第1項
本文に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の期間が定められている場
合にあっては、当該期間内に限る。)には、同項本文の規定にかかわらず、当該保有個人情報につい
ては、当該同一の方法による開示を行わない。ただし、当該他の法令の規定に一定の場合には開示を
しない旨の定めがあるときは、この限りでない。
2 他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を前条第1項本文の閲覧とみな
して、前項の規定を適用する。
(開示請求に係る手数料等)
第29条 開示請求に係る手数料の額は、無料とする。
2 第27条第1項の写しの交付(開示される保有個人情報が電磁的記録に記録されている場合において
議長が定める開示の実施の方法として複製したもの又は出力したものの交付が定められているときは、
複製したもの又は出力したものの交付)により保有個人情報の開示を受ける者は、議長が定める当該
写しの交付に要する費用を負担しなければならない。当該写しの交付を送付により受ける場合におけ
る当該送付に要する費用についても、同様とする。
第2節 訂正
(訂正請求権)
第30条 何人も、自己を本人とする保有個人情報(次に掲げるものに限る。第37条第1項において同
じ。)の内容が事実でないと思料するときは、この条例の定めるところにより、議長に対し、当該保
有個人情報の訂正(追加又は削除を含む。以下この章において同じ。)を請求することができる。た
だし、当該保有個人情報の訂正に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、
この限りでない。
(1) 開示決定に基づき開示を受けた保有個人情報
(2) 開示決定に係る保有個人情報であって、第28条第1項の他の法令の規定により開示を受けたもの
2 代理人は、本人に代わって前項の規定による訂正の請求(以下この章及び第47条において「訂正請
求」という。)をすることができる。
3 訂正請求は、保有個人情報の開示を受けた日から90日以内にしなければならない。
(訂正請求の手続)
第31条 訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第3項において「訂正請求書」という。)を議
長に提出してしなければならない。
(1) 訂正請求をする者の氏名及び住所又は居所
(2) 訂正請求に係る保有個人情報の開示を受けた日その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項
(3) 訂正請求の趣旨及び理由
2 前項の場合において、訂正請求をする者は、議長が定めるところにより、訂正請求に係る保有個人
情報の本人であること(前条第2項の規定による訂正請求にあっては、訂正請求に係る保有個人情報
の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
3 議長は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、訂正請求をした者(以下この章におい
て「訂正請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
(保有個人情報の訂正義務)
第32条 議長は、訂正請求があった場合において、当該訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂
正請求に係る保有個人情報の利用目的の達成に必要な範囲内で、当該保有個人情報の訂正をしなけれ
ばならない。
(訂正請求に対する措置)
第33条 議長は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に
対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 議長は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対
し、その旨を書面により通知しなければならない。
(訂正決定等の期限)
第34条 前条各項の決定(以下「訂正決定等」という。)は、訂正請求があった日から30日以内にしな
ければならない。ただし、第31条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要し
た日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、議長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定
する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、議長は、訂正請求者に対し、
遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(訂正決定等の期限の特例)
第35条 議長は、訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の
期間内に訂正決定等をすれば足りる。この場合において、議長は、同条第1項に規定する期間内に、
訂正請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
(1) この条の規定を適用する旨及びその理由
(2) 訂正決定等をする期限
2 前条の規定による訂正決定等をしなければならない期間に、議長及び副議長がともに欠けている期
間があるときは、当該期間の日数は、同条の期間に算入しない。
(保有個人情報の提供先への通知)
第36条 議長は、第33条第1項の決定に基づく保有個人情報の訂正の実施をした場合において、必要が
あると認めるときは、当該保有個人情報の提供先に対し、遅滞なく、その旨を書面により通知するも
のとする。
第3節 利用停止
(利用停止請求権)
第37条 何人も、自己を本人とする保有個人情報が次の各号のいずれかに該当すると思料するときは、
この条例の定めるところにより、議長に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただ
し、当該保有個人情報の利用の停止、消去又は提供の停止(以下この章において「利用停止」とい
う。)に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。
(1) 第4条第2項の規定に違反して保有されているとき、第6条の規定に違反して取り扱われている
とき、第7条の規定に違反して取得されたものであるとき、又は第12条第1項及び第2項の規定に
違反して利用されているとき 当該保有個人情報の利用の停止又は消去
(2) 第12条第1項及び第2項の規定に違反して提供されているとき 当該保有個人情報の提供の停止
2 代理人は、本人に代わって前項の規定による利用停止の請求(以下この章及び第47条において「利
用停止請求」という。)をすることができる。
3 利用停止請求は、保有個人情報の開示を受けた日から90日以内にしなければならない。
(利用停止請求の手続)
第38条 利用停止請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第3項において「利用停止請求書」とい
う。)を議長に提出してしなければならない。
(1) 利用停止請求をする者の氏名及び住所又は居所
(2) 利用停止請求に係る保有個人情報の開示を受けた日その他当該保有個人情報を特定するに足りる
事項
(3) 利用停止請求の趣旨及び理由
2 前項の場合において、利用停止請求をする者は、議長が定めるところにより、利用停止請求に係る
保有個人情報の本人であること(前条第2項の規定による利用停止請求にあっては、利用停止請求に
係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。
3 議長は、利用停止請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用停止請求をした者(以下この
章において「利用停止請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることがで
きる。
(保有個人情報の利用停止義務)
第39条 議長は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、
議会における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有
個人情報の利用停止をしなければならない。ただし、当該保有個人情報の利用停止をすることにより、
当該保有個人情報の利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい
支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(利用停止請求に対する措置)
第40条 議長は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をするときは、その旨の決定をし、利用
停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 議長は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしないときは、その旨の決定をし、利用停
止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(利用停止決定等の期限)
第41条 前条各項の決定(以下「利用停止決定等」という。)は、利用停止請求があった日から30日以
内にしなければならない。ただし、第38条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補
正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、議長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定
する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、議長は、利用停止請求者に対
し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(利用停止決定等の期限の特例)
第42条 議長は、利用停止決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相
当の期間内に利用停止決定等をすれば足りる。この場合において、議長は、同条第1項に規定する期
間内に、利用停止請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
(1) この条の規定を適用する旨及びその理由
(2) 利用停止決定等をする期限
2 前条の規定による利用停止決定等をしなければならない期間に、議長及び副議長がともに欠けてい
る期間があるときは、当該期間の日数は、同条の期間に算入しない。
第4節 審査請求
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第43条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係
る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、
適用しない。
(審査会への諮問)
第44条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係
る不作為について審査請求があったときは、議長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、武
蔵野市情報公開・個人情報保護審査会条例(令和4年12月武蔵野市条例第41号)に規定する武蔵野市
情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の全部を開示することとす
る場合(当該保有個人情報の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
(3) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の訂正をすることとする場
合
(4) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の利用停止をすることとす
る場合
2 前項の規定により諮問した場合は、議長は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければ
ならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この項及び
次条第2号において同じ。)
(2) 開示請求者、訂正請求者又は利用停止請求者(これらの者が審査請求人又は参加人である場合を
除く。)
(3) 当該審査請求に係る保有個人情報の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審
査請求人又は参加人である場合を除く。)
(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続等)
第45条 第26条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る保有個人情報の全部を開示する旨の決定を除く。)
を変更し、当該審査請求に係る保有個人情報を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該第三
者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
第5章 雑則
(適用除外)
第46条 保有個人情報(不開示情報を専ら記録する行政文書に記録されているものに限る。)のうち、
まだ分類その他の整理が行われていないもので、同一の利用目的に係るものが著しく大量にあるため
その中から特定の保有個人情報を検索することが著しく困難であるものは、第4章(第4節を除
く。)の規定の適用については、議会に保有されていないものとみなす。
(開示請求等をしようとする者に対する情報の提供等)
第47条 議長は、開示請求、訂正請求又は利用停止請求(以下この条において「開示請求等」とい
う。)をしようとする者がそれぞれ容易かつ的確に開示請求等をすることができるよう、保有個人情
報の特定その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
(個人情報等の取扱いに関する苦情処理)
第48条 議長は、議会における個人情報又は仮名加工情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理
に努めなければならない。
(審議会への諮問)
第49条 議長は、個人情報の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことが特に
必要であると認めるときは、武蔵野市情報公開・個人情報保護審議会条例(令和4年12月武蔵野市条
例第42号)に規定する武蔵野市情報公開・個人情報保護審議会に諮問することができる。
(施行の状況の公表)
第50条 議長は、毎年度、この条例の施行の状況を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
(委任)
第51条 この条例の実施に関し必要な事項は、議長が定める。
第6章 罰則
第52条 職員若しくは職員であった者、第9条第2項若しくは第15条第5項の委託を受けた業務に従事
している者若しくは従事していた者又は議会において個人情報若しくは仮名加工情報の取扱いに従事
している派遣労働者若しくは従事していた派遣労働者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属す
る事項が記録された第2条第5項第1号に係る個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は
加工したものを含む。)を提供したときは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第53条 前条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な
利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第54条 職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事
項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
に処する。
第55条 前3条の規定は、市の区域外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。
第56条 偽りその他不正の手段により、第23条第1項の決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、
5万円以下の過料に処する。
付 則
この条例は、令和5年4月1日から施行する。
4796◯議 長(土屋美恵子君) 提出者の説明を求めます。
(11番 落合勝利君 登壇)

落合勝利
4797◯11番(落合勝利君) ただいま議題となりました議員提出議案第1号 武蔵野市議会個人情報の保護に関する条例について御説明いたします。
令和3年5月19日に公布されたデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律によりまして、個人情報の保護に関する法律が改正されることとなりました。従来、国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体及び民間事業者での個人情報の取扱いについては、各機関を対象として制定された法令や条例等により保護等が行われてきましたが、これらの法令や条例等が、改正された個人情報の保護に関する法律に一本化されることとなりました。しかし、改正された個人情報の保護に関する法律では、地方議会は適用除外となるため、独自の個人情報保護制度を各議会で設けることが必要となりました。
条例につきましては、議会運営委員会において検討を行ってまいりました。12月にはパブリックコメントを行い、その後1月には、武蔵野市個人情報保護審議会の審議を経て、今回、条例案上程の運びとなりました。
この条例でございますが、6章56条より構成されております。
第1章は総則です。目的や定義等を規定しています。
第2章は個人情報等の取扱いです。個人情報の保有の制限や利用目的の明示等を規定しております。
第3章は個人情報ファイルについて規定をしております。
第4章は、4節構成になっておりまして、第1節は開示請求等について、第2節は訂正請求について、第3節は利用停止請求について、第4節は審査請求について規定しております。
第5章は雑則です。適用除外や審議会への諮問について規定しております。
最後に、第6章は罰則についての規定でございます。
続いて付則です。この条例は令和5年4月1日より施行されるものであります。
以上で説明を終わります。全議員の皆様の御理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
4798◯議 長(土屋美恵子君) お諮りいたします。本案は委員会付託を省略したいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
4799◯議 長(土屋美恵子君) 異議ないものと認めます。よって、本案は委員会付託を省略することに決しました。
お諮りいたします。質疑、討論を省略して採決に。質疑ですか。
(「質疑」と呼ぶ者あり)
4800◯議 長(土屋美恵子君) これより質疑に入ります。
4801◯16番(きくち太郎君) ただいま提出されました議案について、確認の質問をさせていただきます。16番きくちでございます。
最後の第6章罰則でございますけれども、52条のところにございますこの6行目の「個人情報ファイルを提供したときは、」というところでございますけれども、これは、誰に提供したときということを、恐らく第三者にということだと思うのですけども、その確認でございます。
それから、よく教育現場などで、本来は学校に置いておかなければならないUSBメモリーなどをポケットに持ち帰ってしまってなくしてしまったとか、あるいは第三者の手に渡った可能性があるとか、新聞沙汰になったりするのですけども、こういったヒューマンエラーの場合に、この罰則が適用されるのかどうか、これについての確認をお願いいたします。

落合勝利
4802◯11番(落合勝利君) ただいまきくち議員のほうより質問がございました52条の提供の先ということでございますが、これは第三者、他者への提供ということで御理解いただければなと思います。
また、故意に提供したかどうかということにつきましても、故意であるかどうかは関係なく適用される、そのように理解をしております。
以上でございます。
4803◯16番(きくち太郎君) 誰にというところで、今、落合議員から御説明がありました。これは納得のできるところでございます。刑法犯の場合は、一般的には、故意犯が罰則の対象になると認識しております。例えば、過失で罰則されるというような場合は、過失があって人を傷つけてしまった場合とか、そういった場合は過失傷害というのがございますけれども、例えば、器物損壊罪というのは、例えば価値のあるものを故意に、意図的に壊してしまえば、これは当然、器物損壊罪という刑に当たると思いますけれども、うっかりと持っていたものを落としてしまって壊れてしまったといった場合には、当然、民事上の損害賠償には当たる可能性はあると思うのですけども、落としてしまって壊れてしまったこと自体が刑に問われることはないというふうに考えますが、改めて、今御説明いただいたのですけども、ヒューマンエラー、いわゆるうっかりですね、過失といいますか、この場合にも、今、落合議員が罰金に処するに当たるというふうな御説明だったので、ちょっとどうかなと思いまして、確認でございます。もう一度確認させてください。

落合勝利
4804◯11番(落合勝利君) 回答いたします。
先ほど答弁で、故意でなくてもというような発言をいたしましたが、今、確認もいたしました。すみません、ここの条項に関しては、故意の部分に関して該当するということで、過失については該当しないということで今確認をいたしましたので、そのように御理解いただければと思います。
4805◯16番(きくち太郎君) 今、落合議員から、この罰則については、過失については当たらないと。この罰金については、過失に関しては、この罰則は当たらない、52条は当たらないということを確認できましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
4806◯議 長(土屋美恵子君) これにて質疑を終局し、討論を省略して採決に入りたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
4807◯議 長(土屋美恵子君) 異議ないものと認め、採決に入ります。
議員提出議案第1号 武蔵野市議会個人情報の保護に関する条例、本案に賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
4808◯議 長(土屋美恵子君) 起立全員であります。よって、本案は可決されました。
以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次の本会議は2月22日午前10時から開きます。なお、ただいま御着席の方々には改めて御通知をいたしませんので、さよう御了承願います。
本日はこれにて散会いたします。
○午前11時41分 散 会